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税務

2016年2月26日 (金)

お金の使い方と、適材適所ーNHKの関連会社の2億円横領事件にみるNHKのお金の使い方ー

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1 子会社の横領事件

 昨年27年、NHKの子会社「NHKアイテック」社で、従業員2名が、工事の架空発注といった古典的な手法で、約2億円を横領していたという事件が報道されました。

 なぜ発覚したのか?

 国税局による税務調査で、だったようです。

2 お金の使い方

 その後。昨日平成28年2月、次のような報道を見かけました。毎日新聞です。good job です。

 衆院予算委員会での会長の話。

 平成26年実施した関連団体の2種類の不正調査に、計約1億0550万円を支出していたとのこと。

 「約5600万円を支払った外部の弁護士による調査委員会の報告書が、約4950万円をかけて監査法人に委託した調査結果を参考にまとめられたことを明らかにした。奥野総一郎委員(民主党)の質問に答えた。

 弁護士などによる調査、監査法人による調査では、子会社であったアイテック2億円にものぼる工事の架空発注は見抜けていないということです。

 「不正調査」。

3 不正調査

 もちろん、「不正」についてもいろいろな種類があります。調査の依頼を受ける方も、最初に、どこまでのことをするのかについて枠を決めます。

 たまたま、弁護士も、監査法人の場合も、その対象からアイテックの経費は外れていただけなのかもしれません。

 にしても。

 やはり、国税による税務調査は優秀なんだと思います。

 民間との決定的な違いは、情報量と権限です。国家権力として、税務調査を行います。金融機関や、仕入先等でも、問い合わせをすれば、回答、協力を拒まれるとはまずないかと思います。

 

 とはいえ。

 弁護士はともかく、「アドバイザリー業務」の名目で、約5000万円を受け取っていた監査法人。その監査法人による監査の「質」が問われるかと思います。

 また。

 弁護士については。そもそも、仕事が「監査」や「調査」といった仕事ではない業種かと思います。にもかかわらず、「監査」や「調査」の仕事を受任する時点で、本当にその能力があるのか、立ち止まって考えた方がいいのではないかと思います。万能ではありえないのだから。

4 そして,マンション

 何よりも。依頼する方のお金の使い方。

 所詮人のお金といった感覚と、どんどん現金を使っても潰れることはないといった他人ごと感覚がないと、このNHKのようなお金の使い方はできないと思います。

 

 こうしたことが起こりがちな身近な団体。

 そうです。マンション管理組合です。そして、理事会をそそのかす管理会社。

 国税局による税務調査のような、適切なお金の使われ方がしているかについてのチェック機関が必要です。

 

 現在、同じ思いを共有する他の弁護士らとともに、動き出しています。管理組合の「味方」、として、受け皿団体を作っています。

 ある程度、形が整ったら発表したいと思います。

 管理組合のお金の使い方、大丈夫でしょうか。

(以上)

マンション管理組合への「アドバイザリー業務」の夜明け前。経験と情報量が違います。

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2016年2月10日 (水)

消費税について、不正還付請求の逮捕事件の報を聞いて、思うこと。

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*持っているのを忘れて、うっかり同じ本を買ってしまうミス。1年に2回くらいあります。

1 頑張れ、日本の消費税法

  消費税法。昭和63年にその法律の基本が制定された日本の消費税法。

  法律として、非常に興味深いです。

  勉強すればするほど、面白いです。

  何が面白いのか。

  法律、特に税法としての法律としては、やはり穴だらけ、というか、基本思想が政策のためになし崩しになっている印象をうけ、とても興味深く、技巧があちこちで悲鳴をあげている印象で、興味深いです。

  頑張れ、日本の消費税法!

2 付け足しの消費税?

  平成22年に、任期付公務員として国税審判官になり、初めの2年数ヶ月は名古屋支部で働きました。

  その際、名古屋にいた間に、所得税法はもとより、国税徴収法、法人税法、そしてこの消費税法に関する事件を何件か担当することとなり、その時初めて、法律としての消費税法と向き合いました。

  ちまたで聞いた話では、消費税法に関して税務調査をする国税職員として、消費税専門となする人はいない、通常は、法人税の調査をし、法人専門の人が、調査の付け足し的に消費税を調査するといった話でした。

3 孤高の消費税法

  しかし。

  法律としては。消費税法と法人税法、さらには所得税法とでは、その基本思想がまったく異なります。

  現場の税務調査官の中では、この点が意識されておらず、また、そうしたことを知らないことも知らないまま、シビアなケースについても、法人税法の調査と同じような調査を消費税法の調査でも行い、法律の課税要件となる事実の立証のための税務調査としては的外れな調査をしていることが少なくはないといった話も耳にしたことがあります。

4 法律としての消費税法は、発展途上、かも

  名古屋支部時代においては。当時の所長から消費税法に関するレクチャーを受ける機会がありました。それで、初めて目から鱗が落ちた思いで、消費税法の条文を見ることができました。

 それでも、所詮はやはり弁護士です。

 消費税法の申告書を作成して、提出しろ、と言われたら、絶対にできません。記帳、申告に関する税務実務はやはり餅は餅屋で、その道のプロの税理士の方しか無理だと思います。

 しかし。

 法律としての日本の消費税法。

 昭和63年の法律の制定前、当時の大蔵省において、導入のための海外の法制度の調査等が行われており、その際、その業務に従事していたという人が語っていたという言葉を聞いたことがあります。

 ドタバタの中で作られた法案。

 昨年の施行された番号法の制定ではありませんが、まさに小さく産んで、大きく育てる、といった発想で、まずは法律として制定する。

 法律として制定するためには、反対派をおさえる必要がある。

 そこで取り入れられたのが、様々な非課税措置、簡易課税制度、その他もろもろだったのだと思います。

 中小企業には影響はありませんよ、消費者の暮らしには大きな影響はありませんよ。

5 今の消費税法の限界?

  誰がこんな姿にしたのか。誰がリスクを負うのか。 そして、誰がただすのか。

 消費税基本通達はもちろんあります。

 しかし。

 法律としての基本思想の理念と妥協の産物となる様々な特例措置、技巧的な種々の制度。そうした点の理解なくして、法律を法律として理解し、用いることはできないかと思います。

 

 消費税に関する節税策が利用されるのは、こうした制度の歪み、間隙を利用しているだけにすぎません。

 2月9日、日経夕刊では、輸出免税制度を利用した、消費税の不正還付請求で、大阪地検特捜部によって逮捕された高級腕時計販売店等の記事が掲載されていました。 

 架空の輸出だったようなので、これはまさに消費税法違反であって、論外です。

 しかし。

 そもそもが法律として、ガタガタのまま、そして軽減税率導入によってさらにガタガタになろうとしている日本の消費税。

 その仕組みをよく研究し、用いただけの消費税還付請求について、国税職員が、これは許せないといった思いを持つのはすごく理解できるのですが、そもそもの法律の思想と歪み、限界を意識した、法の適用、執行がなされないことには、消費税法の本当の意味での改善はますます遠のくばかりという気がします。

 いわゆる、裁判で敗訴したのを契機として、法律改正を促そうという深遠な意図のもと行われる「チャレンジングな課税」ならまだしも。

 とはいえ、チャレンジングな課税も、まずは最初の一人の生贄、見せしめが必要なわけで。これは、最終的に裁判で勝てばいいとう問題でもなく。

 あまりにひどいときは、提訴でも不当提訴という類型があるように、不当課税として国家賠償請求をしてもいいのではないかと思っています。

 国家権力の役割と行きすぎとのバランスの問題として。

 警察権力による、逮捕、勾留、裁判、無罪の場合に補償されるのと同じようなシステムが国税分野でも必要かも。あまりに「お粗末」と言わざるをえないような処分の場合。

 警察分野は、警察ー検察ー裁判官ー弁護人のシステムの中で切磋琢磨、批判される機会、システムがあります。

 国税に関しても、もっとこのようなシステムがあれば、日本の国税庁は賄賂等の問題、不祥事の問題も少なく、世界的には最高レベルだとは思いますが、納税者の視点からみると、まだまだよくなる余地があるのではないかと思います。

 日本の消費税法も含めて。 

(おわり)

* 関西大学法学部の先輩弁護士。伊藤たかえ弁護士。夏の参院選に立候補予定。NPO建築問題研究会でも理事長を務められて、素晴らしいリーダーシップを発揮していただきました。

 すみません、消費税の軽減税率には反対ですが。

 国会で活躍され、素晴らしい法律を作っていって欲しいです。


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2015年9月15日 (火)

どこにも辿り着けない ー専門家ショッピングー

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1

 残念な○○という言い方は、もうその時点で評価をして決め付けているようであまり好きではないのですが、仕事がらかやはりつくづく残念な思いに囚われる方々を見かけるかとがあります。

 陥った状況に対して本当にひどい状態だと思い、なんとかお役に立てればとこちらも必死で手を伸ばして引き上げ助けようとしているのに、その手を振り払い、さらにひどい状態に自ら陥ってしまう人たちです。

 他の仕事もあり、他のより多くの方々に迷惑をかけるので、その方と心中するわけにもいかず、2度手を伸ばしてダメなら、3回目は手を伸ばさないようにしています。

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 国際的な事件では、管轄をどこの国にするのかが実際は重要であるため、管轄についてショピングする、といった言い方があります。

 医師・病院などでも、セカンド・オピニオンという言い方が普通になり、主治医以外にも、他の医師の意見を聞きに行き、場合によっては主治医を変えるということがあります。

 弁護士を利用する場合にも、これはよくあります。

 私自身、10数年前から実感しているのは、既に、友人・知人から紹介してもらい、事件を依頼した弁護士がいるけど、進んでいく中で、その弁護士を信頼できなくなり、ネットで他の弁護士を探し、その中で私を見つけていただき、改めて意見を聞きたい、そしてそのまま弁護士を乗り換える、依頼をしたいという方が少なくはありませんでした。

 相続の分野に関してです

 相続は、実はかなり法解釈も詰められていない分野でもあり、税務知識、不動産知識等の知識が必要になります。

 また、調停のみならず裁判においても和解といった中で交渉力がかなり必要になります。硬直的な戦闘モードだけでは、治るものも治りません。

 そうした中で、当初依頼した弁護士に不審を抱き、セカンドオピニオンとして、私のもとを訪れる方が何人もいました。

 相続に関する経験に基づいたことをつらつらと書き綴っていたブログ を見てのことです。

3 

 お聞きして、担当の弁護士との単なるコミュニケーション不全ではないかと思われる場合は、みずから積極的に弁護士に働きかけることを勧めています。

 またそうでなくても、相談を受けた一弁護士としてのアドバイスはしますが、既に頼まれている弁護士の仕事ぶりの評価を求められても、その点は基本的にはノーコメントとしています。なぜなら、一当事者側からの話ししか聞いていないため、どこかに誤解がある可能性を否定できないからです。

 こういう時に、他の弁護士の活動について悪評価を相談者の方にする弁護士は、逆に私は信用しません。多面的にものの検討ができない仕事ぶりと伺えます。

 

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 セカンド・オピニオンとして相談をお受けし、結果、既に依頼していた弁護士との契約を解約されたうえで、そのうえで改めて依頼をというときは、引き継いで代理人業務をお受けすることもあります。

 ただ、驚く現象が出現してきています。

 代理人を依頼していなながら、継続的に他の弁護士等の専門家に相談をし続け、依頼した代理人とコミュニケーションをとらないパターンです。

 二重に専門家の費用を払い続けていることになります。

 そうした場合、結局は、どのような専門家ともコミュニケーションがうまくとれず、事態はそのため、専門家に相談しているにもかかわらずどんどん悪化していくことになります。

 いわゆるどっちつかず、という状態です。

 専門家である代理人にコミュニケーション能力がないのか、たまたまその方がいく先々で、自分では信頼できない専門家にあたり、運が悪いだけなのか。

 いずれにしても。きっと、ずっと、どこにも落ち着けず、どんどん流されて、もう誰も助けることはできないところまでいってしまうのではないでしょうか。

 非常に残念な現象です。

 そういう場合、中途半端に相談に応じ続けることは、その方の利益にはならないと判断し、わかった時点で相談業務もお断りさせていただいています。

 やはり、助かって欲しいから。

 そのためには、専門家ショピングは有害無益です。全てが中途半端になりますし、依頼を受けいる代理人も、そのことを知ったらやる気がなくなるのは人間ですから当然といえます。

 利用する方も、専門家の上手な使い方、相談・依頼の仕方を学ぶ必要があると思います。

 どこにも辿りつけない迷える子羊から脱出するためには。


 手を差し伸べてくれる専門家はたくさんいるはずです。

 差し伸ばされた手をまずは一度は信じて、しっかりと事態改善のためにエネルギーを使えば救われるのではないかと思います。

 ショピングばかりしていてはどこにも辿りつけません。

 時間は雲のように流れていきます。

                               以上

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*代理人制度の利点。専門家に頼み、自身は日常に集中できることです。

 ゆっくりと青い空を見上げる時間を確保して欲しいものです。

 

 

2015年8月 7日 (金)

滞納処分免脱罪

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1

 8月7日の日経新聞朝刊での報道。

 「滞納処分免脱罪の告発は8件」。

 国税庁のサイトでの「国税収納状況について」がソースの記事かとサイトを見たのですが、滞納処分免脱罪の告発について触れているものは見つけられませんでした。

 https://www.nta.go.jp/osaka/kohyo/press/hodo/h27/shuno_taino/index.htm https://www.nta.go.jp/osaka/kohyo/press/hodo/h27/shuno_taino/index.htm

 が、間違いないのでしょう。

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 国税徴収法187条1項 

 納税者が滞納処分の執行を免れる目的その財産を隠ぺいし、損壊し、国の不利益に処分し、又はその財産に係る負担を偽って増加する行為をしたときは、

 その者は、3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

 とあります。

 3000万円の国税を滞納している、他方で、無抵当の5000万円のをマンションを持っている、このままでは、マンションは差押えられ、公売にかけられます(国税徴収法94条以下)。

 そこで、知人に協力を依頼し、6000万円の金銭消費貸借契約を締結し、これを被担保債権として抵当権を設定してしまう。

 あるいは、知人に協力を依頼し、売ってはいないけど、マンションを知人に売却したことにする。得たことになっている売買代金は、適当に費消したことにする。

 こうした行為が、滞納処分免脱罪の構成要件に該当することになります。

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 注意すべきは、条文上、「滞納処分の執行を免れる目的」とされており、いわゆる目的犯だということです。

 通貨偽造罪などのように、「行使の目的で」(刑法148条)といった目的犯であって、たとえ、客観的に該当する行為として、一万円札をカラーコピーしたとしても、「行使の目的」があるといえなければ犯罪にはならないということです。

 滞納処分免脱罪も、唯一の引き当てとなる財産を処分等したとしても、「滞納処分の執行を免れる目的」があったことを立証できない限り、犯罪にはあたりません。

 

 犯罪成立のためには結構ハードルの高い罪です。

 そのような犯罪について、年間8件が告発されているということです。

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 具体的にどのような事案なのか興味がありますが、詳細は分かりません。

 単純に、金額が多額、また手口が「悪質」といわれるようなケースかと思います。

 正当に課税された分については、誠実に払う段取りをつけるのがやはり一番賢いかと思います。

 課税がおかしいといのなら、その時点で処分を争うべきですし。

 徴収、滞納処分段階で争うとなると、その手続き上の違法性くらいしかないかと思います。

 この点、人がやっている手続きですから、まったく違法な手続きがないとはいえません。

 例えば、自分のものではないものをその滞納者の所有物として差押えられたり。あるいは、反論等の機会としての手続保障として、意思確認や送達が適法になされていなかったりといった徴収担当者のミスは十分ありえます。

 そのような時は、真っ向から指摘して法を武器に争えばいいのであって、資産を隠ぺい、処分、損壊などは、単なる嫌がらせにすぎず、傷口を広げるだけかと思います。

 

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 たまに見かけるのが、法人を潰してしまえばいいといったパターンです。

 しかし、ちゃんと手当してあり、第二次納税義務といったものが定められてますので、基本、あるのに払わずに逃げ切るというのは無理と考えるのがいいかと思います。

 海外の、追いにくいところに隠しちゃえばうまくいけば見つけられずに済むのかもしれませんが、それを日本に持ち込むことも出来ないでしょう。

 真っ当に生きた方がいいかと思います。

 

                            (おわり)

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2015年7月31日 (金)

信託と弁護士と税務

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 近畿弁護士連合会の夏季研修がこの3日間、大阪弁護士会館で実施されていました。

 私は泊まりでの出張のため、残念ながら出席できなかったのですが、「新しい民事信託の実践」というテーマで、東京弁護士会所属の伊庭潔弁護士が研修講師となった研修が実施されていました。

 レジュメだけみると。

 やはり、との記述がありました。

 

 「信託税制 原則として、信託を利用した節税はできないと考えるべき。

  信託の設定方法を誤ると過大な相続税、贈与税が課せられることがあるため、信託税制に詳しい税理士に相談することが必要。」

 昨年7月に弁護士業に復帰しててから、いろいろなご縁があって、税理士の先生方がメインの信託税制の勉強会に参加させていただいてきました。

 関西の税理士の先生方ですが、皆様、信託税制が関わる税務を扱ったことがないということで、皆で、この半年以上の間、民事信託、具体的には、株式や収益不動産などの資産の活用・承継にどう使えて、使えないのかを勉強してきました。

 

 その結果、ちょうど先日、まさにほぼ意見が一致していたのは、上記に記述の点でした。

 信託税制を勉強すればするほど。

 節税にはまず使えないし、下手をするとかえって余計な税額負担が生じるリスクが生じて怖い、予見可能性がまだまだ未知数な点があるといったことでした。

 私の場合、今年の27年1月に税理士登録しているとはいえ、申告業務などは扱っていません。

 ですが、税理士の先生方との勉強会を通じて、今の信託税制がどういう立て付けかといった点はおぼろげながら理解しました。

 そうすると、弁護士として民事信託を扱うとしても、「信託に詳しい税理士に相談すること」は必須要件であって、でも、さらに弁護士自身がやはり、基本的な信託税制の仕組みを理解していないと、適切な民事信託のスキームの提案は無理、弁護過誤になりかねないとの思いを抱くに至っています。

 信託税制を理解するには、相続税法の相続や贈与のみならず、不動産や株式が登場するでしょうから、譲渡所得の基本概念や、資産評価についても知っている必要があると思います。

 となると。

 本当に弁護士が信託を扱っていいのか、リスクをコントロールしたスキームを提案できるのか。微妙だと思います。

 

 平成18年の信託法改正によって、民事信託がより使える制度になると言われながら、現状、少なくとも東京以外はまだ普及しきっていないと思われます。

 その原因は、やはり信託税制がネックになっているのではないかと思います。

 わかっている税理士さんがそもそも多くはないですし、またわかっている弁護士も多くはない。

 

 専門家の責任もありますが、やはりなによりも信託税制そのものに問題があるのではないかとも思います。

 この点、いろいろなところですでに問題提起されているところです。

 こうした点、専門家である税理士、弁護士がもっと声を上げる、上げ続ける必要があるところに思えます。

 まずは、確実に税務上、問題のないケースから、相談者の理解を得て実践していくか。税務署からの「お尋ね」や、調査対象となったときの理論武装を整えて。

 変えていかないと、何も変わらないですね。

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 成年後見制度については、弁護士などの成年後見人の不祥事が相次いだこともあり、家庭裁判所の監督も厳しくなり、資産の活用といった視点はほとんど期待できず、とにかくただただ不正から守る、といった視点しかなくなっています。

 こうしたところで、本当に、残される子、被成年後見人などの生計を考えたら、より柔軟に資産活用ができる民事信託の利用は不可欠ではないかと思われます。

 必要な人に必要な法的サービスが届くように、専門家の責任だと考えています。

                           (おわり)

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 一泊での出張というのは、沖縄出張でした。その日の仕事の段取りが終わった後、海を見る機会がありました。久しぶりに、透明な海、水平線を見て、心が洗われました。沖縄に暮らす人々を羨ましく思いました。暮らしたら暮らしたで、報道もされているように種々の問題が山積かとは思いますが。

 暮らしていなくっても、沖縄の問題は日本で暮らす人々の問題ですね。沖縄の人々だけの問題ではない。平和記念館に立ち寄りたかったのですが行けませんでした。

 もうすぐ終戦記念日。

 東方神起のユノさんが韓国の制度のもと、2年間の予定で韓国の軍に入りました。2年後、無事に東方神起として活動できる世の中であって欲しい。

 沖縄の海も人も守っていかないといけないですね。

 「守る」というのは戦うことだと思いますが、それは暴力以外の方法で。だとすると、言葉でしかないですね。あとは、日本国憲法。言葉を守る法。

2015年7月15日 (水)

弁護士資格で、税理士登録をしました。

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 本年1月、弁護士資格によって、税理士登録をしています。
 つまり、税理士試験に合格して税理士登録しているわけではないということです。
 それが何を意味するのか。
 税理士登録をしたけど、通常の税理士の先生方のような申告業務は、能力としてできませんということです。

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 だとしたら、なんのために税理士登録をしたのか?
 税務調査立会いや、その後の調査結果の説明の際の納税者の代理人業務をするためです。
 
 弁護士資格があれば、基本、税理士業務開始の通知弁護士になる必要もないし、ましてやそもそも税務署職員と折衝することが「税理士」にだけ限られた業務であって、弁護士は排除されているとは考えていません。
 最高裁がそのような判断を示したことがあるわけでもありません。
 しかしながら、そこで今、税務署、国税局とぶつかっても納税者の利益にはなりません。
 そこで、とりあえず通知弁護士の手続きはとっていました。

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 しかし、通知弁護士ですと、各国税局管内の業務となります。
 
 税務署の調査の流れを知り、かつ、税法・課税徴収処分に詳しい弁護士の数は、やはりまだまだ日本全国でも限られているようです。
 大阪国税局管内に限らず、関東や四国等からの地方からの相談を受けることも増えてきました。
 そこで、昨年、税理士登録の手続きをし、本年1月、無事に登録を済ませた次第です。
 
 税理士登録をしておけば、東京局管内でも、高松国税局管内でも、税務調査の立会い、あるいは、調査後の折衝において、その会社の顧問税理士の方と共に、納税者の代理人として立会い、税務調査職員と協議ができます。

 税務調査に関するご相談については、なるべくお早めにされることをおすすめします。
  調査結果の説明があり、折衝を重ねるも、いよいよ最終回答を納税者として局に伝えないといけない、修正申告をするのか、あるいは処分を受けて、取消しを求めて戦うのか。
  間際となってご相談に来られるよりも、調査段階でご相談頂いた方がより適切な、その時点で取れる方策、方針立案等のアドバイスができます。
 事実認定が争点になりそうな場合、何を提出して、提出しないのが納税者の利益に適うのか、です。弁護士が得意とするところです。
  時間の有効利用のため、遠方からのご相談の場合、事前に資料等を電子メール、FAX等でお送りいただいた上で、面談ご相談をさせていただくようにしています。
  煮え湯を飲まされた思いをするような、悔しい思いのする納税者が減ることを祈っています。
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2014年12月15日 (月)

法律と、民事訴訟法と憲法。

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 平成26年12月6日土曜日、午後2時40分から90分ほど、関西大学の院祭で講演をさせていただきました。

 この講演の準備をしていくなかで、考えがどんどんまとまっていき、やはりアウトプットが思考の整理に役立つと実感しました。
 このような機会を与えていただいた、関西大学の院祭の実行委員の方々、聞いてくださった方々に感謝しています。お世話になった方との嬉しいサプライズの再会もできました。


 聞きに来られた方は、主に税法を院で勉強されている方々と聞いています。
 終わってからは、今年卒業されたという税理士の方とご挨拶させていただき、お話ができました。

 学生の方向けにと用意したので、どれだけ実務に効くかはわかりませんが、国税不服審判所勤務の途中から実感し、考えがまとまっていったことについて話をさせていただきました。

 下の図は、講演で使ったMetaMojiNOTEの図です。このファイルとiPad2を使いました。
 この試みも果たして成功しているのかどうか、アンケートをとっていないので定かではありませんが。
 
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 国税不服審判所の問題点といわれているものは、構成する「人」の問題と「手続」の問題に分けると分かり易いと思います。
 そして「人」の問題に気付くためには、憲法の理解が不可欠。
 また、「手続」の問題に気付くためには、民事訴訟法の理解が不可欠。

 ただ、この憲法と民事訴訟法を勉強しいてる人がどれだけ、国税不服審判所、審判手続に関わっているか否か。

 こういった切り口から、実体験を交えつつ話をさせていただきました。
 税法を勉強するなら憲法と民事訴訟法もと。
 そんな知識は実際の税務実務には全く役に立たない、不要だという意見もあるとは思います。
 そこは、法律を使うのを面白いと思える人かどうか次第かとおもいます。
 つまり。自分の頭で、あれこれ疑問に思い、考え続けて、あっ、そういことか!という経験を楽しめるかどうかだと思います。
 
 たぶん、自分で考えることをやめてしまった人には、法律は向いていないと思います。それは環境の問題もあるけど、その人のタイプなんだと思います。何を面白いと思うかは人それぞれ。
 
 ということで、結局、最高裁判所をみても、なぜ最高裁だけ職業裁判官だけで構成されていないのかなどなど。人材の多様性とはどういうことなのか。各自のバックグラウンドの意味。
 まだ、うまくまとめきれてない点もあります。
 
 少なくとも、行政と司法は、役割分担なんだなという話でまとめて終わりました。

 その後、家でぼんやりしている時に思いついたのですが、そのうちに、税務実務家(国税職員、税理士)に役立つ民事訴訟法!といった研修講義をまたMetaMojiNoteを使って録画して、YouTubeにでもアップしてみようと思います。
 どれだけ需要を掘り起こせるのか。本当は、どこかの研修にででも呼んでいただけるといいのですが、そもそもなかなか隠れた需要・必要性が知られていないかと思うので、「事実認定」と民事訴訟法の世界、ということで何回かに分けて収録してみたいと思います。課税要件事実と絡めて。まあ、役に立つのは、税務調査の場面をにらんだ、事前準備、当日、その後という切り口になるかと思います。

 ご興味のある方、ぜひご連絡をお待ちしております。
                           (おわり)


 

2014年12月 1日 (月)

「税法に、国税不服審判所は必要か?」

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*写真は、5年ほど前のものです。。。プロの人に撮ってもらった写真を用意しておかないと。

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 12月6日土曜時、母校の関西大学で、院祭の一貫として90分の講演をさせていただきます。
 テーマは、「税法に、国税不服審判所は必要か?」。
 >詳細
 成蹊大学の塩澤一洋教授が実践されている、MetaMoji NOTEとiPadを使った、デジタル黒板を使ってみよと準備しています。
 
 うまくいくか、しくじるか。
 
 それはともかく、自身が、国税不服審判所で学んだこと、得た視点を、税法を学ぶ、法律を学ぶ学生の方々に伝えられればと思っています。
(おわり)
*多様性を受け入れる。井の中の蛙にならない、ということ。
 東海地方名物、鉄板スパゲッティ。これもパスタだ!!
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2014年10月24日 (金)

国税職員による、税務調査情報の漏洩事件

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*
平成26年10月24日の産経新聞のサイトです。

 大阪国税局の職員による、税務調査の情報の漏洩事件です。

 認否は不明です。

 昨年来、元国税職員のOB税理士を中心とした情報漏洩事件が散発的に報道されていたところ、そのあたりから芋づる式のようです。

 法的に守秘義務がある事柄についての漏洩ということで、刑事罰を伴う違法行為ではあるのでしょうが、現金をもらって、納税者の脱税を見逃した、であれば、文句なしでしょうが、「何時ころ実地の税務調査に入る」あるいは「現在、税務調査の対象となっている」といった情報に、納税者として実際、どれほどの価値があるのでしょうか。

 

 税務調査に入られるとなったら、帳簿を隠したり、売上除外、経費水増し等の行為をしているとして、それらの証拠を隠すのでしょうか。

 

 そういった証拠類は、売上除外等の脱税行為をする際に、すでに証拠偽造していたり、隠匿していたりするのではないのでしょうか。

 不正な行為をするような人は、いつ税務調査に入られてもごまかせるようにしているのではないのかと思うのですが。

 そんな小細工もせずに、漠然と、売上除外として、帳簿外の口座に売上金を振り込んでいるとかだったら、ただの馬鹿ですし、何も工作していなければ、事前に、1ヶ月後に税務調査が入るという税務署内部の情報を得たとしても、ごまかしきれないでしょう。

 税務調査の時期等の内部情報の価値。

 

 思うに。

 自分は税務署職員とこういう内部コネクションがあるんだ、といった売りにならないことを売りにする人にとっての価値しかないと思います。

 まったく見せかけの価値。

 

 今回、情報漏洩の相手は税理士さんではないようですが、そういった事柄を得意げに語る人物には注意したほうがいいと思います。

 見せかけだけの人で、ありとあらゆるものを食い物にするタイプかもしれません。

 恐ろしいことに、そういう人は存在するので。

 しかもそういう人に価値を見出す人もいる。


 現職税務職員とのコネクションを吹聴する人には気をつけろ。

 そういう意味では、税務署の職員も単にいいように使われただけともいえ、憐れにすら思います。40代。組織としてあってはならないことですが、国税庁自体が5万6000人を擁する組織であり、行政組織として「監察官」を擁する巨大組織です。

 一定数の不祥事が起こるのは必然ともいえるなか、よくぞ年間これだけの数字で収まっているなというのが、統計的な数字の評価ではないのでしょうか。

 擁護するようですが。

 そういった別のミカタがあってもいいのにとは、不祥事報道に接するたびにいつも思います。

 まあ、昔は本当にもっといろいろいあったのかもしれませんが。


 私が知る限りでは…などと書き出すと、それこそたかだか4年間の国税不服審判所での経験をさも、大きなことのように語りだす、怪しい人種になるんでしょうね。中身空っぽの任期付国家公務員ビジネスでしょうか。

(おわり)

*2年9ヶ月ほどお世話になった名古屋国税不服審判所の建物です。

裁判官ー検察官ー弁護士と、先輩後輩、教官、友達といった関係があるのはよくあることです。事件がかかった時は、裁判所外で会いません。事件の話も一切しません。終わってからも、守秘義務の範囲では一切、事件に関する話はしません。でも、一切、関係を絶つということはありません。仕事は仕事、私的関係は私的関係。

これが法曹のスタンダードだと思います。守秘義務を破っている人は見たことはありません。破ったり、破るようそそのかしたりしたら、その時点で軽蔑の対象です。良き村社会なのでしょうか。

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2014年8月27日 (水)

税理士監理官

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 弁護士業に復帰してから、「週刊税務通信」を定期購読しました。
 特定任期付公務員として国税審判官をつとめる前は、同じ週刊の「国税速報」を購入していたことがあったのですが消化不足のままで、だんだん読まないまま積み上がっていく状態となっていました。
 
 だけど、国税審判官の間は、こういった専門の週刊誌や月刊誌には、職場で購読されていたこともあり、基本的には毎号、全て目を通していました。
 まだまだ消化不足ですが、量をこなせば質がおいつくではありませんが、なんとなく以前よりは中身を見ることが出来るようになりました。
 そこで、国税審判官を退官した後においても、この感覚を維持し、向上し続けようと、「週刊税務通信」の方の定期購読を開始しました。
 先日、25年度のものですが、大阪国税局管内の「税務職員録」が出版社から定期購読の特典として送られてきました。
 パラパラとページを繰ってみて、思い出しました。
 初めて、国税職員の職員録をじっくりみてみて、「こんな役職があるのか!」と文字を発見したときの驚きを。
 
 「税理士監理官」
 そこに配属されてその役職の間は、ただただ「税理士」の「管理」をする仕事なのでしょうか。
 「管理」って、いったい何をするの?
 それだけのために、これだけの人が要るの?
 実態は未だによく分かりません。ただ、人件費を計算しても、大阪国税局管内の税理士の管理のために、年間3000万円は使われていると思われます。
 
 何と比較して驚いているかというと、弁護士、弁護士会とです。
 弁護士の場合、「弁護士自治」ということで監督官庁は存在しません。ただ、弁護士業をするには弁護士会への登録が必須とされていて、弁護士会が、この登録を判断する権限を持つことにより、除名処分などの権限をもち、弁護士による不祥事に対しては、ある意味、弁護士を「管理」しているといえます。
 
 これを税理士の場合は国税庁が有するということを国税職員録の役職で「税理士監理官」という役職名をみて、実感しました。
 国税職員の判断に対して異議を唱える時、この「管理」権限の所在が心理的影響を与えることはあるのでしょうか。
 与える場合もあれば、与えない場合もあるのでしょうし、影響したとしても、それは制度の責任ではなく、個人差のある問題なのかもしれません。
 弁護士ではなく、税理士として税務署長等に相対したこともないので分かりません。
 ただ、思ったのは、日本の弁護士らの環境、「弁護士自治」というものは、弁護士としての職務を果たすにあたり、かなりの力をもっているのではないかということです。
 相対する者が、自分の懲戒権限をもつということの心理的影響。
 それがないことの意味。
 会社における社外通報制度の存在を思い浮かべたら、人ってそんなものかも、また実際もそうなのかもと思います。
 
 まあ、もちろん、誰が上に立とうが、自分に理不尽なことをされたら戦うぜ!という人もいるでしょうし。
 つらつらと書きながら考えると、手続保障的な制度設計の問題なのかな。
 税務署長等による処分の件数、それに対する異議申立て、審査請求の件数は、実際の実地の「税務調査」の件数からしたら、本当にごくわずかといえる数字のようです(確認すればいいのだけど、してません。感覚的な話しです。)。
 だいだいは、税務調査を受けて指摘を受けると修正申告をしているので、処分に至らないということが多いようです。
 
 国税職員が優秀なのか、納税者や代理人税理士さんが国税職員に譲っているのか。。。何が真実かは分かりません。
 「税理士監理官」。どういうお仕事なのでしょうか。
                                 (おわり)
 
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