最低賃金法ー医療法人の窮状と本屋さんの窮状、そして弁護士ー
*堀川戎に行ってきました。1円、1秒にこだわろうと、お賽銭は1円にしました。
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28年1月9日土曜日の夕刊に小さく掲載されていた記事。
「大阪の医療法人 賃金不払い容疑」「理事長を書類送検」。
たった13行の記事です。
医療法人が歯科医院を経営していたところ、勤務する歯科医師に賃金をし払わなかったとして、大阪中央労働基準監督署がその医療法人と70歳になる理事長を最低賃金法と労働基準法違反の容疑で書類送検したというものでした。
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最低賃金法という法律があり、地域別の最低賃金が決められ、これ以下の賃金は合意しても無効とされています。
また、最低賃金額以下の賃金を支払う使用者には罰則規定があります。
さらに、この法律を執行する労働基準監督官などには、司法警察職員の職務を行う権限が認められています(法33条)。
ちなみに大阪府内の事業場で働くすべての労働者の最低賃金は、平成27年10月1日以降は、時間あたり858円とされています。
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この歯科医院での歯科医の賃金は一体いくらだったのか。しかも、それすらも払われていなかったのでしょう。
新聞報道では、「理事長は『資金繰りがつかなかったと』と容疑を認めている。」と書かれています。
歯科医の経営がうまくいっていなかった、つまり、患者が来なかっただけなのでしょう。法人の場所は、天王寺区のようです。
歯科医院の経営難の話は昔からよく耳にします。ただ、もちろん近隣から多くの患者を集め、経営としてはうまくいっているところもあるかと思います。
土日営業、夜は10時まで診療を受け付けいてる、当たり前ですが、技術は確か、さらに、親切に親身に説明してくれる、スタッフや医院内は明るく、清潔などなど。
つまり。差別化、選ばれるための努力をしている、それが功を奏しているということです。
そのような中、こうしたことを全く考えず、実行することなく、漫然と開店しているだけでは、患者は他の医院へと離れていき、「資金繰り」に窮することになるのはある意味、目に見えています。
70歳の医療法人の理事長。おそらく医師かとは思いますが、医師の資格はあっても、残念ながら、経営の才覚がなかっただけだと思います。
昔でしたら、それでも十分に経営して行けたのでしょうけど。
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どこかで聞いた話です。
そう。弁護士業界も同じだと思います。
司法試験に合格すれば、なりたい弁護士になれて、就職し、数年の経験を経れば、独立し、普通に従前どおりに働いていれば、「事務所経営」ができました。
しかし。司法試験の合格者数が、私の頃の1997年、700人から、2015年、約2000人と倍増しています。
そのような状況で、弁護士を利用する人には、選択肢が多く用意されることになりました。
会社として顧問契約をしていても、さらにより親切で、サービスが良いと思え、しかもより安い弁護士が登場すれば、当然、乗り換えます。
弁護士の品質をどのようにして測るのかという問題はありますが、それはさておき。
医師が経営に失敗することが珍しくないように、弁護士、法律事務所の経営の失敗ケースが普通に出てくる日も近いと思います。あるいはもう出ているのか。
変われる者だけが、生き残れる。
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とある雑誌を買って読みたい思い、どこで買おうかと考えた時、選択肢は、Amazon、あるいは梅田でポイントのつくジュンク堂が思い浮かびます。近所の本屋さんは、思い浮かんでも、他社と比較した時、わざわざその店に買いに行く理由が思い当たらず。
もっと自店舗に来てもらう理由が思いつく努力をしたらいいのになと、残念とつくづく思いました。
街の本屋を応援したいけど、そこで何も変わらずぼーっと佇んでいるだけの人を応援する気力は湧きません。
頑張っている人を応援したいというのが人の気持ちです。
弁護士としても。
頑張っている人、成長しよう、自分が変わろうとしている企業、人を応援しています。
周りの環境が悪い、相手が悪いと人のせいにしているだけの人には共感しません。嘆いて、悪態をついているだけの人からは運も離れていきます。
ただ、そういう人にはそういう人が集まってきます。
弁護士と依頼者の関係も。類は友を呼ぶの法則が当てはまると思うこの頃。
弁護士を17年近くしてきて。依頼者の方々にはつくづく恵まれてきたと、自分のこれまでの幸運に感謝しています。
これから。今までの依頼者の方、未来の依頼者の方にどのような貢献ができるのか。
2016年、今年。
仕組みを作り出していきたい、さらに変わり続けたいと思います。もがきながら。
(以上)
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