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2015年11月18日 (水)

管理会社にコケにされる管理組合の話 ーお金の意味の判断の仕方ー

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*宮古島の青い海と空。癒されました。限られた時間の過ごし方、これでいいのだろうかと考えました。


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 久しぶりのブログです。今年は本当に目まぐるしい日々で、毎日毎日100米ダッシュをして1日を終えるというような感じの日々でした。去年もある意味そうでしたが。

 そもそも40歳を過ぎたら人間、時間の感覚はそのようなものかもしれませんが。

2 

 今年度、大阪弁護士協同組合では財務委員会の委員長をさせていただき、また大阪弁護士会では財務委員会の一員として、それぞれ団体組織のお金の流れを目にする機会が増えています。

 また、プライベートでは、暮らす分譲マンションでの年に1度の総会や月1回の理事会の報告書などをとおして、マンションのお金の動きを注意してみています。

 各団体、それぞれ維持費となる会費、出資金等を自身が出している集まりです。

 それぞれのお金の活かされ方をみていて思うのは。

 なににしろ、我がことと思って、過去はどうたったのか、現状はどうなのか、それを過去と比較してどう評価するのか、その上で、将来、どのような数字である必要があるのか、どうありたいのかを想定するのが本当に大事だということです。

 

 これが組織としてできていないと、その場その場の現状を確認するだけで、その結果が何にも活かされない、「風まかせ財務」になってしまう、下手をすると暗礁に乗り上げ、座礁してしまう危険が大きいということです。

 具体的な数字を日々確認するのは大前提として、その数字がいったい何を意味するのか、OKなのか、あるいはNGノーグッドなのか、どう評価するのかは、その時点の収入、支出の全体をみつつ、さらには自社の過去の数字をみつつ、さらには同業他社の数字をみつつ、そして、将来の支出の予測をして、必要額を出し、その獲得見込みをたてないとどうしようもない、何の意味もないということです。

 先日、マンションの年に1度の総会が開催されました。

 議題として、マンションの時限爆弾といわれる機械式駐車場の保守部品交換工事の費用支出が図られていました。300万円程度のものです。

 しかし、うちのマンションはたかだか50戸程度の小規模マンションです。この程度の管理組合の修繕積立金の規模で、この300万円ょ支出が何を意味するのかを検討しようと思ったら、現在の修繕積立金の金額だけではなく、過去の修繕の内容と金額、経過年数をみて、今後、何年以内にどのような支出が必要とされるのかといった、いわゆる新たな大規模修繕の見積書がなければ、今時点の300万円支出が何を意味するのかなんて判断ができません。

 その総会では、2年前に大規模修繕がされたのちの新たな大規模修繕の計画書は、未だに作成、提出されていませんでした。

 管理会社との管理委託契約を確認すると、管理会社が提供すべきサービスの中には、大規模修繕の計画書の作成は明記されています。

 こうした修繕計画がないままに、昨年度は、管理会社主導のまま、うちのマンションの規模と機種からは相場が800万円の全戸インターフォン取替工事について、管理組合は1000万円あまりもの支出をしてしまっていました。

 総会で反対意見を述べ、今一度数字の総チェックをしてから再審議すべきではないかとの意見を述べましたが、理事長に目配せをしたフロントの指示により、理事長一任での採決となり、可決してしまった結果です。

 それから1年。未だに、総会前に、大規模修繕の計画書は住人に提示されていません。あろことか、1000万円の工事につき、業者との契約書も作成されていませんでした。

 総会では、管理会社に対する牽制球として、この点を指摘しつつ、結果としては、300万円の支出は生命身体の安全に関わるものであることは間違いないので、採決の際は賛成に票を投じました。

 このような財務のあり方、総会決議のあり方は、同じような組織ともいえる協同組合や弁護士会ではあり得ません。

 なぜなら。

 仮に、執行部がこのようなやり方で、支出の決議を求めた場合、情報不足であって審理不十分として、どこからか異議が出るからです。

 そのことが分かっているため、支出や収入減に関する事柄は、情報公開を前提にオープンに協議され、慎重に進められているというのが実感です。

 しかし、なぜそれが分譲マンションではできないのか。

 大阪弁護士協同組合や大阪弁護士会と比べた場合、分譲マンションでは何が違うのか。

 簡単です。

 理事者や組合員は弁護士ではない、からです。ごく普通の責任感をもったよい方々です。しかし、財務に関する知識や、手続き等の進め方については経験、知識がたまたまあまりない方がほとんどであったというだけのことです。それぞれ別の分野で活躍されている方々です。

 しかし、マンション運営に必要なそうした専門的知識と経験の不足を補うために、国土交通省が所管する登録制の制度のもと、マンション管理業者にサポートを依頼し、その対価として、管理組合は、管理業者に対して管理委託手数料を毎月毎月、相当額を支払っています。

 しかし。

 結局、マンション管理業者のレベルと倫理観がいかなる意味でも低いのが実態なのだろうと思います。

 弁護士は悪しき隣人、といったフレーズがイギリスだったかにはあると言われていますが名言です。

 財務に関しては、口やかましく言う悪しき隣人が必要です。

 理事をやってもらっているから、この数字は何だろうかと思うけど、まあ、いっか。管理会社の担当の人が、我々の利益を損ねて、自社の工事紹介手数料収入を図るようなことはまさかしまい、といった善人だけでは、結局、あとから騙されたといった泣き言を言うだけになります。

 人に任せたお金を見る目は、シビアであるべきでしょう。

 また、倫理観の欠如した業者に対しては、損害の結果の責任を負ってもらうという執念深さが大事だと思います。

 今年から。財務委員会で組織運営の数字を見るようになり、またその報告を受けたり、するようになってから。

 マンション管理における財務のあり方について、ますます厳しい目を向けるようになりつつ、マンション管理は財務にあり、というのを確信しつつ、自分のマンションだけでなくおそらく、この管理会社が管理担当しているマンションはどこも似たり寄ったりに違いない、そうした現状をなんとかしたいと考えています。

 

 パリのテロの後のライブ会場でのマドンナのスピーチ。

 自分が行動をとっていくことが大事。自分が変わること。


 何事につけても言えることだと思います。

 自分の周りの景色について、他人を責めているだけの人は結局、何も変えられず、自らますます不幸になるだけの人です。

 まず、自分が変わることです。

 これは、何かにつけてやることなすこと裏目に出る人、ドツボにはまっている人に伝えたいことです。相手を責めているだけではたぶん死ぬまで幸せにはならない。

 マドンナのメッセージが腑に落ちたとき、光が見えるかと思います。

 お金は増やせるけど、時間は増やせません。流れていく時間のなか、後ろを見るだけでなく、その後ろの時間を前に向けて活かして、皆が幸せになって欲しいものです。

http://www.rollingstone.com/music/news/watch-madonnas-powerful-speech-about-paris-attacks-at-stockholm-concert-20151115

(おわり)

*11月開催された淀川マラソンでの前日の高橋直子さんのトークショー。大阪の青い空も捨てたものではありません。

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