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2015年8月 7日 (金)

滞納処分免脱罪

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1

 8月7日の日経新聞朝刊での報道。

 「滞納処分免脱罪の告発は8件」。

 国税庁のサイトでの「国税収納状況について」がソースの記事かとサイトを見たのですが、滞納処分免脱罪の告発について触れているものは見つけられませんでした。

 https://www.nta.go.jp/osaka/kohyo/press/hodo/h27/shuno_taino/index.htm https://www.nta.go.jp/osaka/kohyo/press/hodo/h27/shuno_taino/index.htm

 が、間違いないのでしょう。

2

 国税徴収法187条1項 

 納税者が滞納処分の執行を免れる目的その財産を隠ぺいし、損壊し、国の不利益に処分し、又はその財産に係る負担を偽って増加する行為をしたときは、

 その者は、3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

 とあります。

 3000万円の国税を滞納している、他方で、無抵当の5000万円のをマンションを持っている、このままでは、マンションは差押えられ、公売にかけられます(国税徴収法94条以下)。

 そこで、知人に協力を依頼し、6000万円の金銭消費貸借契約を締結し、これを被担保債権として抵当権を設定してしまう。

 あるいは、知人に協力を依頼し、売ってはいないけど、マンションを知人に売却したことにする。得たことになっている売買代金は、適当に費消したことにする。

 こうした行為が、滞納処分免脱罪の構成要件に該当することになります。

3

 注意すべきは、条文上、「滞納処分の執行を免れる目的」とされており、いわゆる目的犯だということです。

 通貨偽造罪などのように、「行使の目的で」(刑法148条)といった目的犯であって、たとえ、客観的に該当する行為として、一万円札をカラーコピーしたとしても、「行使の目的」があるといえなければ犯罪にはならないということです。

 滞納処分免脱罪も、唯一の引き当てとなる財産を処分等したとしても、「滞納処分の執行を免れる目的」があったことを立証できない限り、犯罪にはあたりません。

 

 犯罪成立のためには結構ハードルの高い罪です。

 そのような犯罪について、年間8件が告発されているということです。

4

 具体的にどのような事案なのか興味がありますが、詳細は分かりません。

 単純に、金額が多額、また手口が「悪質」といわれるようなケースかと思います。

 正当に課税された分については、誠実に払う段取りをつけるのがやはり一番賢いかと思います。

 課税がおかしいといのなら、その時点で処分を争うべきですし。

 徴収、滞納処分段階で争うとなると、その手続き上の違法性くらいしかないかと思います。

 この点、人がやっている手続きですから、まったく違法な手続きがないとはいえません。

 例えば、自分のものではないものをその滞納者の所有物として差押えられたり。あるいは、反論等の機会としての手続保障として、意思確認や送達が適法になされていなかったりといった徴収担当者のミスは十分ありえます。

 そのような時は、真っ向から指摘して法を武器に争えばいいのであって、資産を隠ぺい、処分、損壊などは、単なる嫌がらせにすぎず、傷口を広げるだけかと思います。

 

5 

 たまに見かけるのが、法人を潰してしまえばいいといったパターンです。

 しかし、ちゃんと手当してあり、第二次納税義務といったものが定められてますので、基本、あるのに払わずに逃げ切るというのは無理と考えるのがいいかと思います。

 海外の、追いにくいところに隠しちゃえばうまくいけば見つけられずに済むのかもしれませんが、それを日本に持ち込むことも出来ないでしょう。

 真っ当に生きた方がいいかと思います。

 

                            (おわり)

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