企業文化 ー腐るときも、変わるときも、トップからー
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平成27年3月31日の日経夕刊から。
大阪市の職員に対する処分が2件、報道されていました。
1件は、タブレット入札をめぐる教育委員会の職員の処分。部長級61歳、課長級54歳、係長級49歳。入札前に特定の業者に情報を提供と。減給処分です。
もう1件は。こども青年局の係長52歳。見積書偽造です。この方は懲戒免職。
http://news.goo.ne.jp/picture/abc/region/abc-20150330011.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150401-OYT1T50005.html
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大阪市の職員。
3万5000人です。
ちなみに。国家公務員、日本全国が対象の国税庁の職員が、5万6000人です。
消防・交通・病院・学校といった公共性・特別性の高い職種を除いて、事務処理系統だけでどうかと単純に概算しても、これほどの2万人近い職員数が必要とは思えません。
それはさておいても、大阪市。
取引業者との癒着といった報道が絶えず、発生頻度としても国家公務員と比しても多いような気がします。体感頻度ですが。
「公務員」としての規律、文化が、「大阪市」という職場ではこの平成26年、27年となっても築かれていないのではないかと思えます。
公務員パッシングといわれるものは、昨年の7月まで、4年間、任期付とはいえ国家公務員をしていたのでなんとなくですが肌で感じます。
感じるというのは、トップからの指導監督が頻繁にあり、トップが神経質になっているのを実感し、それを踏まえて、下の職員らとしても気をつけねば、見られているといった視線を感じて、そのような不祥事がおこらないような抑制力となっていたと思います。庁舎前の信号機のない道路でも、必ず横断歩道のところまで行って、横断歩道を渡るようにと指導がありました。
大阪市に対する批判も、些細なことで揚げ足とりをする「公務員バッシング」なのでしょうか。
大阪市。不祥事の報道は、30代の若者といった職員ではなく、60代50代の人たち、いわば管理職の人たちの不祥事です。
もう、「職場」がそういうことを許容する環境なんだなと推測をせざるを得ません。
文化から変えていかないと、こうした癒着報道は今後もあとを絶えないのではないかと思います。
誰が変えるのか。
トップの責任、市長の責任だと思います。
そういう意味では、職員から市長になったといった過去の流れが断ち切られている点はよい傾向かとは思います。
しかし。公務員。トップが変わるのには慣れています。うまくその任期の間を適当にあわせて、おだてて面従腹背でやりすごす。
そうした技術はとぎすまされます。
限られた時間で、どうやって文化を変えるのか。
それが、経営者としての資質なのだと思います。
3
懲罰をきつくして、監視体制だけを整えればいいのか。
それでは、誰もついてきません。
全員が全員は無理であっても、何名かは働きかければ動き、変わる可能性があります。
見えていないだけで、そこにあるものを引き出す手腕。
そのためには、まず職員を信頼することが必要だと思います。
君が代を歌っているかと唇を監視するだけでは何も変わらないと思います。
なぜ、そうしたことしかできないのか。
不思議です。そのやり方しかしらないのか、失敗から学ぶ力がないのか。
まったくやる気がない人よりはマシであるとは思いますが。
市政が託された人ですので、がんばって欲しいものです。
どうしたらよくなるのかと考える。
単に批判するだけの人たちにも共感はできない。
誰もが「作り出す人」でないと。
(おわり)
13年前の2002年、チュニジアを旅したときの砂漠での写真が出てきました。脳天気な頃でした。
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