仕事のスピード感ー4倍速ー
1
平成22年の7月から、3年の予定だったところが1年延長となり、結局、4年間、平成26年7月まで、国税不服審判所で国税審判官の仕事をさせていただきました。
4年ぶりに弁護士業に復帰してみて、改めてこの4年の歳月の世の中の変化を実感しています。
何に一番驚いているか。
依頼者の方とのコミュニケーションのスピード感です。体感にして、4倍速くらいです。
2
以前の弁護士としての仕事ぶりのイメージとしては、次のようなものでした。
依頼者から電話がある。弁護士不在。弁護士が事務所に戻り、依頼者に電話をする。依頼者、電話に出られす。弁護士もその日、事務所での作業。
翌日、依頼者から事務所に電話。弁護士、込み入った打ち合わせの最中で、電話に出られず。
夕方、弁護士が依頼者に電話。ようやく、依頼者と弁護士で話しができる。
こんな様子で、あっという間に48時間くらいは経過するのは当たり前といった感覚でした。
しかし、今は違います。
何が違うのか。わたしの方が、仕事にさらにスピード性を求める意識が高まったのか、依頼者の方とは、積極的に、もう時間が許す限りは、事務所の電話からだけでなく、携帯電話から連絡しています。さらには、電子メールの活用はもちろん、Message機能の活用、依頼者の方によってはこちらもLINEを使ってご連絡しています。
速い!
これでめちゃくちゃやりとり、コミュニケーションが速くとれて、進みます!
書面のご確認を求める際も、メール添付でPDFでお送りすると、その日のうちに、すぐに電話をいただいたり、18時以降でも携帯電話の方にご連絡をいただけます。
すると、翌日の朝には、提出の準備等の処理ができます。
3
資料の内容の確認についても、あれ?というとき、iPhoneで写真をとり、Messageで送れば、数時間のうちにお返事をいただけます。
速い!
つまり、仕事が進む!
つまり、事件解決・依頼対応が速い!
ということにつながります。
わたしも快適ですし、依頼者の方々にとっても、早くものごとが進むのはよりよいリーガルサービスを受けるという点、良いことになります。
4
これがもし,私が、国税審判官となるために4年間、弁護士業務を離れていなかったら。
きっとそれまでどおりのやり方で弁護士としての仕事をやり続けていたと思います。
いったん離れてみて、しかも巨大組織の国家公務員になってみて。
仕事のスピード感に対する、渇望のようなものが生まれたからこそ、このような仕事の仕方ができたのだと思います。
組織となると、常に決済がいります。そこで、日にちが2日、3日とただ順番待ちのために過ぎていくことの虚しさ。
スピードへの渇望です。
こうした経験をしたからこそ、自分ができる限りのことはより早く対応しよう、より早く依頼者とコミュニケーションをとり、ものごとを進めていこう!と思い、そのためにありとあらゆるガジェット、アプリを利用し、時間も関係なく対応ができるようになった根源的な原因だと思います。
正直なところ、昔でしたら、日曜日くらい、休みの日くらいは仕事の電話や、連絡はしたくないというのが本音でした。だったら、月曜日に先延ばししよう、と。
しかし。今は、進められるなら、どんどん進めていきたい、日曜日に勧められたら、月曜日には次のステップにすすめる、そう思うと、厭う気持ちは湧き上がってはきません。
組織なので仕方のないこととはいえ、スローボードに4年間乗っていたことによる反動、スピードへの渇望だと思います。
あとはIT環境の進化。電子メール、携帯メールというのも本当はもうやめて、Messageや、サイボウズライブ、チャットワークに集約したいところですが、それはもうしばらく先となりそうです。
(おわり)
*スピードを出し続けるだけだと、いつかどこかでバラバラに空中分解しかねないので、時々、休む。緩急が大事だとはわかっています。朝の20分の瞑想を続けて3ヶ月。快調です。
« 企業文化 ー腐るときも、変わるときも、トップからー | トップページ | 質問力 ー人と言葉とー »
「仕事術」カテゴリの記事
- 視点移動、視点自由(2015.12.10)
- 専門家が世の中に価値を生み出す (2015.07.24)
- 遺産隠しに対する武器 ー依頼者の利益を守る武器ー(2015.07.22)
- 仕事のスピード感ー4倍速ー(2015.04.27)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント