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2014年8月

2014年8月27日 (水)

税理士監理官

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 弁護士業に復帰してから、「週刊税務通信」を定期購読しました。
 特定任期付公務員として国税審判官をつとめる前は、同じ週刊の「国税速報」を購入していたことがあったのですが消化不足のままで、だんだん読まないまま積み上がっていく状態となっていました。
 
 だけど、国税審判官の間は、こういった専門の週刊誌や月刊誌には、職場で購読されていたこともあり、基本的には毎号、全て目を通していました。
 まだまだ消化不足ですが、量をこなせば質がおいつくではありませんが、なんとなく以前よりは中身を見ることが出来るようになりました。
 そこで、国税審判官を退官した後においても、この感覚を維持し、向上し続けようと、「週刊税務通信」の方の定期購読を開始しました。
 先日、25年度のものですが、大阪国税局管内の「税務職員録」が出版社から定期購読の特典として送られてきました。
 パラパラとページを繰ってみて、思い出しました。
 初めて、国税職員の職員録をじっくりみてみて、「こんな役職があるのか!」と文字を発見したときの驚きを。
 
 「税理士監理官」
 そこに配属されてその役職の間は、ただただ「税理士」の「管理」をする仕事なのでしょうか。
 「管理」って、いったい何をするの?
 それだけのために、これだけの人が要るの?
 実態は未だによく分かりません。ただ、人件費を計算しても、大阪国税局管内の税理士の管理のために、年間3000万円は使われていると思われます。
 
 何と比較して驚いているかというと、弁護士、弁護士会とです。
 弁護士の場合、「弁護士自治」ということで監督官庁は存在しません。ただ、弁護士業をするには弁護士会への登録が必須とされていて、弁護士会が、この登録を判断する権限を持つことにより、除名処分などの権限をもち、弁護士による不祥事に対しては、ある意味、弁護士を「管理」しているといえます。
 
 これを税理士の場合は国税庁が有するということを国税職員録の役職で「税理士監理官」という役職名をみて、実感しました。
 国税職員の判断に対して異議を唱える時、この「管理」権限の所在が心理的影響を与えることはあるのでしょうか。
 与える場合もあれば、与えない場合もあるのでしょうし、影響したとしても、それは制度の責任ではなく、個人差のある問題なのかもしれません。
 弁護士ではなく、税理士として税務署長等に相対したこともないので分かりません。
 ただ、思ったのは、日本の弁護士らの環境、「弁護士自治」というものは、弁護士としての職務を果たすにあたり、かなりの力をもっているのではないかということです。
 相対する者が、自分の懲戒権限をもつということの心理的影響。
 それがないことの意味。
 会社における社外通報制度の存在を思い浮かべたら、人ってそんなものかも、また実際もそうなのかもと思います。
 
 まあ、もちろん、誰が上に立とうが、自分に理不尽なことをされたら戦うぜ!という人もいるでしょうし。
 つらつらと書きながら考えると、手続保障的な制度設計の問題なのかな。
 税務署長等による処分の件数、それに対する異議申立て、審査請求の件数は、実際の実地の「税務調査」の件数からしたら、本当にごくわずかといえる数字のようです(確認すればいいのだけど、してません。感覚的な話しです。)。
 だいだいは、税務調査を受けて指摘を受けると修正申告をしているので、処分に至らないということが多いようです。
 
 国税職員が優秀なのか、納税者や代理人税理士さんが国税職員に譲っているのか。。。何が真実かは分かりません。
 「税理士監理官」。どういうお仕事なのでしょうか。
                                 (おわり)
 
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2014年8月25日 (月)

Facebookページを始めました!

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Facebookベージを始めてみました。

このブログとFacebookページとどのように使い分けるのか
なやましところですが、
Facebookは気楽に写真入りで投稿できるのがブログとは違う強みかと思います。
税務・相続・不動産・マンションに関する気づいた情報、考えをアップしていこうと思います。
(おわり)

2014年8月14日 (木)

「消費者」としての「納税者」

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*指原莉乃さんの著書。土俵を変える、しっかりと目を見て挨拶をする、プレゼンは2回する等など、21歳の言葉とは思えない人生指南書です。

1 

 私の、まだたった4年のマラソン人生における師匠である川村哲二弁護士が、拙著をブログで紹介してくださっています。ありがとうございます。

 http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-460e.html

 川村弁護士の一文で、我が意を得たりの文章がありました。

 この本は、税務調査から税務訴訟に至るまでの、不服申立手続(異議申立、審査請求)を中心に記載されており、弁護士、税理士が手続的には苦手なところに注目して平易に解説されています。

 実際に、税務当局と争うかどうかは別として、このような基本的な手続は、我々としては理解しておかないといけないのは当然ですので、大変有益な書籍だと思います。

 納税者というのはタックスペイヤーですので、国や自治体を介した消費者でもあります。住民訴訟もそうですが、税金の払い方、使われ方は広い意味で消費者問題ですね。

 大阪弁護士会に登録した弁護士1年目の1999年、よく分からないままに「消費者保護委員会」なる委員会に入り、その年、モニター商法事件と後に呼ばれる、1組40万円以上もの値段のついた布団の販売店「ダンシング」と数社のクレジット会社の絡んだ消費者被害事件「ダンシング事件」というものが発生し、訳も分からないままに弁護団に入ることとなりました。

 その後、本当にほそぼそとですか、大阪市の消費者センターでの弁護士会派遣弁護士を勤めたりと、何かといわゆる消費者問題系のところに居ました。

 ただ、一方で、弁護士1年目のときから、審判が出てる遺産分割事件の即時抗告をいきなり担当し、理由書を起案、高等裁判所からは相手にされないのではないかと思っていたところ、「審尋」なる尋問手続のようなものが開催されたりして、その即時抗告の理由書を手探りで作成していく過程で、相続法、相続事件の面白さに目覚め、ひいては、不動産、税法、同族会社経営にも目覚めていったという過程を経て、2007年には、関西学院大学専門職大学院経営戦略研究課会計専門職専攻に入学、翌年かろうじて単位取得し卒業という経過を経て、国税審判官として4年間、税法にどっぷりと思う存分浸かるという弁護士人生を歩んできました。

 消費者問題とこれらはかぶることはないのではないかと自分でも思っていました。

 消費者問題と税務。相容れるところは全くないと思われる二つの分野。

 しかし、いざ、税務の実状を垣間みると、消費者被害事件を見た時と同じ思いを抱くことが多々ありました。

 それは。

 情報の非対称性、格差故の、消費者側の無知故の、消費者の思いがけない損害です。この損害の他方で、消費者に対する業者だけが利益を手にしている構造。

 業者から稚拙なタックスプランニングを売られ、思わぬ課税を受ける納税者、あるいは、現場の国税職員の言葉を信じたところ結局は、申告納税制度という税法の大原則から、それは単にあなたが間違った責任であるとされる納税者などなど。

 一般の納税者は、業者や国税職員、税理士など、情報と経験のある者に比べたら、当たり前ですがなんて弱いのだろうかと思うことが少なくもなく。

 そういう意味では、「消費者問題に関心のある弁護士」としても、もっと税務分野に出て行ってもいいのではないかという思いもありました。

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 しかし、納税者側の立場の弁護士というと国と、国税組織と戦う弁護士というイメージがほとんどだったのではないかと思います。

 が、自分が国税審判官として国の行政の中で働いていたからか、その弁護士像にもまた正直なところ違和感を覚えていました。

 国と、政府・行政と戦っていれば、それが正義なのか?

 国のサービスは、確かに、まだまだのところもあるけど、賄賂収賄がまかりとおっているわけでもなく、おおむね法治主義が機能しているのではないか。それを国・行政=悪のようにとらえるスタンスは違うのではないか。

 自分の違和感はなんだろうかと思っていたところ、中里実教授の著作の一文に出会いました。

 「タックス・シェルター」

10年以上前の2002年の本です。

302頁(強調;松井)。

「日本においても、最近の課税逃れ商品は,精緻さを追求する余り、複雑でわかりにくいものが多い。また、外国組織・契約を取り込んだストラクチャーが増加している。したがって、一般の人間が、それを理解することはほぼ不可能であるといっても過言ではない。」

 

「今後は、アメリカにおいてもそうであるように、プロモーター(商品の開発者や販売者)に対する損害賠償請求が増加するものと思われる。特に、タックスシェルターの開発・販売に熱心な一部の企業が、そのような損害賠償請求のターゲットとされるようになるかもしれない。従来、日本においては、通常人の理解力をはるかにこえた複雑な商品が一般納税者に対してきわめて安易に販売される傾向があったといえよう。このような場合に、商品の開発者や販売者が慎重に行動することにより、消費者保護が図られることは重要なことであり、その意味で、本章で紹介したような訴訟の意味は大きいといわなければならない。のみならず、このような訴訟が増加することにより、日本の租税に関与する専門家の水準も飛躍的に向上するのではないかと思われる。」

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 中里実教授の視点の言語化に救われたような思いがしました。これだ!と。

 そして、川村哲二弁護士の先の一文。納税者という言葉と消費者という言葉の親和性。

 きっと皆、同じ視点を指摘しているのではないかと思います。

 税務に法律家の視点をというのはこういうことではないかと思います。

 つまり。登場人物らのそれぞれの利益等のバランスを実質的に図ろうとするということではないかと。

 そういったバランス感覚を現状に反映させていくことが法律家の役割の一つではないかと考えています。

 税務というと、「国」対「納税者」という対立構造だけという印象がほとんどだったのではないかと思いますが、納税者の後ろには、実際には、「節税商品」を考案し、これを売った「業者」がいるはずです。

 「業者」対「消費者」としての「納税者」という構造にはあまり注目されていなかったように思います。

 納税者側の弁護士、法律家としては、消費者保護の視点が加われば、この納税者は、「カモ」に過ぎないこともあるのではないかと思われます。対「国」以前に、プロのくせしてプライドなく稚拙な商品を納税者に売りつけたのは誰なのか。

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 来年平成27年1月1日から、改正された相続税法が施行されます。

 これにあわせて、相続税の「節税商品」「節税スキーム」もいろいろと開発、販売されている事とと思います。

 最後には、業者が笑って消費者である納税者だけが国の前で泣く、といったことのないよう、どのような商品が出回っているか注意してみていきたいと思います。

                             (おわり)

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*360度、今の位置とは違う場所に立って物事を眺めると、見えなかったものが見えることもあり、単純に面白いです。

2014年8月12日 (火)

「税理士業務開始通知受領書」

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 「税理士業務開始通知受領書」なるものが、先日、大阪国税局と名古屋国税局から送られてきました。

 弁護士の資格があれば、法律上、税理士登録の資格も有することとなっています。私でしたら、近畿税理士会に税理士登録の手続をすることになるのですが、これが結構、いろいろな書類を提出する必要があり、また、登録した以上、税理士として、毎年2月、3月の個人の所得税の確定申告の時期などは、申告のための税務相談を担当する義務が生じてくるようで、でも、所詮、弁護士であって税理士ではなく、つまり、申告業務はノータッチなので、そのような申告のための税務相談に個々にのれるわけもなく。

 ということで、税理士登録はためらっていたのですが、税理士法第2条に規定される「税理士業務」にあたる行為を依頼者の代理人弁護士として行おうとすると、例えば、税務調査の立会や納付協議を行おうとすると、国税職員からは、権限がないものとして、その立会いを拒まれるのが実状です(参考:大阪高裁平成24年3月8日確定判決)。

 弁護士が行う税理士業務については、各国税局長宛に、弁護士が税理士業務を行う旨の届出を必要とするという規定が出来ています。

 税理士法51条1項

 (税理士業務を行う弁護士等)

第51条  弁護士は、所属弁護士会を経て、国税局長に通知することにより、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができる。

 

 この通知を行っていない弁護士については、国税職員は、その弁護士の立会いを認めないのが実状です。

 ですので、税務調査や納付協議等に関して、依頼者の代理人として対応できるようにするために、取り敢えずですが、大阪国税局と名古屋国税局の各長に対して、税理士法51条に規定する「通知」を出しました。

 ただ、税務調査の立会いといっても、弁護士だけでは無理なのがこれもまた実態だと思います。

 ですので、私の場合、当該企業・個人の方の顧問をされている税理士さんとの恊働を旨としています。

 だったら、弁護士なんていらないのではないかとも思われますが、弁護士の場合、より法的な観点からの課税要件事実の解釈、あるいは証拠から事実を評価する際の裁判の場での思考法、実務に通じています。また、このように裁判になったらどのように判断されるかという視点から、現場の国税職員とのやりとりが可能です。国税職員の方も、法的な観点から、証拠評価の訓練を受けていたり、法曹として訴訟代理人をしたことがあったりするわけではありません。異なる観点から、出るところに出たら、どういうリスクがどちらにあるのかという協議、指摘をすることとなります。

 そのため、「税理士業務」についても、弁護士として代理人活動が出来るよう、税理士法51条に規定する「通知」をまずは行った次第です。

 シビアな税務調査の際に、納税者が気をつけたらいいのではないかということについては、拙著「税理士・弁護士のための税務調査の後の不服申立手続ガイド」にも記していますので、ご参考までに。

 ただ、実際の税務調査においては、費用対効果を考えて、納得いかないけど言われたとおり修正申告して追加で税金を納付した方が納税者の益になることの方が多いのでしょうね。

 何を「益」と考えるかは人それぞれということで。

 人それぞれといえば、先日受講した大阪弁護士会主催の研修「税務訴訟入門」の講師の弁護士は、通知弁護士でもなく、税理士登録もされていないということで、少し驚きました。税務調査の立会業務はされていないということなのか。その心としては、通知弁護士となると、弁護士なのに「税理士業務」に関することについては国税局長の監督を受けることとなり、それは承服しかねるということのようです。気持ちとしてはすごくよく理解できます。

 ただ、必要とする人に弁護士としての法的サービスを届けるということとの思いの兼ね合いなのかと思います。

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*弁護士1年目の時に担当させて頂いた依頼者の方々から頂きました。いろいろと思い出される、弁護士15年目の8月です。

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