過去のブログです。相続等について、ぶつぶつ言ってます。
過去のブログです。相続等について、ぶつぶつ言ってます。
1995年くらいからのニフティユーザーです。
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税理士による税務調査対応、税務調査。
全国で行われているもののうち、1000件あれば993件は全く問題のないものではないかと思います。何が問題がないかというと、納税者の納得です。
しかしながら、1000件のうち、7件は問題のあるケースではないかというのが感覚です。
この7件が、納税者の方から、あるいは税務調査対応される税理士さんから、弁護士が相談を受けることになります。
納税者の方から、というのは、つまり既に対応してくれている税理士はいるけど、その対応に不満、あるいは信頼しきてれていないという方になります。
また、税務調査対応について税理士ではなく、弁護士に相談と言っても、まず普通の弁護士では対応は困難です。
なぜか。
税務署とはどういう組織かを知ることがないからです。
また、過去に何件か事件を実際に担当していない限り、税法の問題点の整理の仕方もわからない弁護士が残念ながらほとんどです。
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そうした中、国税庁関連の組織の一つである国税不服審判所に3年の任期のところを4年、しかも、所長が国税庁キャリアである名古屋国税不服審判所と、裁判官が所長をし、さらには相続案件が多いと言われる大阪国税不服審判所神戸支所に勤務した私のところに、この7件に当たる事件が相談に来ることが増えています。
ご相談、ご依頼を受けて。国税機関で勤務させてもらった弁護士として、非常にお役に立てる分野であることを実感しています。
税務訴訟で著名な弁護士木山泰嗣先生の著書で「税務調査を法的に視る」という名著があります。
なぜこのような本が出版されているのか。税理士向けの雑誌での連載の書籍化です。
木山先生も、端的には書かれてはいませんが。
これまでの日本の税務調査、税務行政。
法的視点をもって検討されることがなかった、ということに尽きると言えます。
税務調査対応をさせて頂くにつれ、その思いを実感していす。
逆に言えば、法的視点がなくても上手く回っていたのが、税務調査であり、税理士による税務調査対応だったのではないかと思います。
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法的視点。つまり。
一番、至近な点で言えば。事実認定のための証拠法です。
木山先生も書かれています。税務調査職員は、事実認定の証拠法を知らない。これに対応する多くの税理士も同じです。
また、何を事実認定する必要があるのかという点でいうと、その法律効果が発生するためには、どのような事実が証拠で認められる必要があるのか。何が証拠となるのか、です。
証拠、証拠と言っても、裁判の世界では、幅広く目配りをされます。
有利な証拠、不利な証拠。双方を見る必要があります。
また、あるべきなのにないもの、も。
さらに、事実認定といっても、スキル、技術があります。
司法研修所編として「民事訴訟における事実認定」(法曹会)として約400頁に及ぶ書籍が出版されているくらいです。
弁護士は、司法修習時代から、このスキルを習得するための研修を受け、実務、民事訴訟で実践を経てきています。
裁判という勝ち負けの世界での洗礼を受けています。
しかしながら、税理士や国税職員、税務調査担当職員は、そのような訓練、洗礼は受けていません。
これは、弁護士が、税理士試験の洗礼や記帳申告実務の洗礼を受けていないのと同じです。職種が違うだけにすぎません。
この狭間に落ち込んでいるのが、日本の税務調査対応だと思います。
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残念なことに、未だに聞く言葉。
「その税務署の署長とつながる国税OBを通じて、署長に口ききして、税務調査に手心を加えてもらう。」。
そうしたことがまかりとおっていた業界なのでしょうか。
今ではむしろ、そうした言葉を税理士が口にする場合、自身の能力の限界を口にするのに等しい話と言わざるをえません。眉に唾をつけてスルーすべきでしょう。そうしたことを口にする税理士に遭遇した場合。
税務署内の組織のノウハウに精通した者の知恵を借りるという意味では、私も、国税OBの税理士の方々にご相談することはあります。
しかし、それとは別に、何か裏技的な影響力を及ぼせるといったことを口にする場合、むしろ何らの力もないことの自白と言わざるをえません。
本当に力がある人なら、無駄に期待をさせることを口にすることなく、結果を出してから、あの結果は口ききをしたことによるというものです。
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法的視点で、税務調査を視る。
そうすると、残念ながら、現場の担当者の調査の不備、事実認定の甘さなど、いろいろな不備が目に付きます。
しかしながら、そうしたやり方で、1000件のうち993件は何ら問題とされることなく通ってきたやり方です。
こちらが不備な点を指摘したとしても、以前あった回答は、「これは局の方で決まった方針です。争うなら審判所で争ってください。」。
一度決めたこと、途中から出てきた弁護士に事実認定の不備、つまり裁判所ではその認定は認められないでしょう、なぜなら・・・という指摘を素直に受け入れられないつ軌道修正できないのが組織です。
ある相続税の調査事件では、こうした調査担当者と私とのやりとりに同席し、調査官自身が、分が悪いとう苦渋の表情を示したことに満足し、自身が本当は争えば勝てることも理解しながら、指摘どおりの修正申告に応じた納税者の方のケースがありました。
納税者の満足というのは、本当の法的サービスを受けた上での満足であって初めて意味があるものだと思います。
よくわからないけど、争えば勝てる見込みがあるのかどうかもわからないけど、税理士の先生が言うから、修正申告をしたというものとは違います。
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1000分の993のケースはどうなのか。
納税者は、税務調査を法的に視た上で、自身の強みと弱みを理解して、本当に納得して修正申告を提出しているのか。
税務調査対応の行政については、本当は弁護士が登場していくべき分野だと年々、実感しています。
しかし、対応に当たられる税理士の方では、弁護士と税理士の違いを知らない方がほとんどかと思います。よく聞くセリフが、「弁護士が出ててくると大事になる。」「弁護士が出てくるのはまだ早い。」と言ったものです。
国税不服審判所に着任した時に税理士の方から言われた言葉で、ひっくり返りそうにになったことがあります。同業の弁護士には笑い話としてネタにしています。
審判所に着任した税理士から、私が弁護士と知りつつ何気なく言われた言葉。
「要件事実の本は、伊藤先生の本がいいですよ。」
弁護士が、司法試験に合格し、司法研修での私の当時は2年間、ひたすら要件事実を実践で学び、論じ、書いてきた業種であるということを全く知らない、想像だにしていないというのが税理士の現実なのだなとこの一言でよくわかった一言でした。
納税者の方々が自ら、もっと弁護士のところに相談に行くしかこの分野、税務行政のあり方、法的を視点が入ることはない、変わらないかと思います。
多くの税理士は、事実認定、法律論等の税務調査対応が弁護士の分野ということを知りません。
ここでも、弁護士が、税理士の業務をとっていくというのではなく、適材適所というにすぎません。
修正申告をするとして、弁護士が作成するのはほぼ不可能です。
税理士が訴状を書けない、準備書面を書けないのと同じです。
税務調査の対応としては、事実認定も含めた法的主張を書面で出すべきことが木山先生の本でも提言されています。
この点からも、一般に、税理士の方は法的書面を作成することができないことがほとんどではないかと思います。
それは、国税不服審判所で4年間勤務して、代理人として、税理士が書面作成しているか、弁護士が作成しているかは、文章を読めばすぐに分かることでもありました。
税理士の方は法的書面を書くのが普段の仕事ではなく、またそうした訓練も弁護士ほどには受けいないからにすぎません。
そうしたバックグラウンドの違いを理解する税理士が増えれば、税務調査に関わる弁護士も増え、税務調査がさらにもっとよく変わる余地が多いにあるところだと考えています。
木山先生の本、ご意見も同じかと思います。しかしながら、ここの分野は税理士ではなく弁護士にと税理士には面と向かっていえないため、税理士に、もっと法律に、弁護士に近づいて下さいと提言しているご著書になるかと思います。
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しかしながら。
審判所で、税理士ではありませんが、多くの国税職員の方々と接してみて。
税務実務一筋でやってきた方に、今から法的なものの見方を身につけろ、というのは無理があるようにも思います。
それまでの仕事が違うからです。
20代の若い、これからの人なら別ですが、40代、50代のキャリアを積んできたか方々に、一から法律的思考を身につけろと言っても、そうした日々の訓練、また一人一人の向き不向きもある中、無理というものだと思います。
税理士、弁護士。バックグラウンドの違いを理解して、協働、役割分担、能力の違いを意識する、資格業者であっても自身の無知の知をもって、獲得目標を得るための手段として業務にあたりるのが一番、納税者の利益につながるかと思います。
わたしの周りでは、そうした理解のもとで協働させていただいている税理士の先生方が多くいます。そうした方々とは本当にうまく役割分担ができて、納税者の方も納得の活動ができているかと思います。
逆に、そうした役割分担、違い、差を理解しないままの税理士と一緒に仕事をすることはできません。そうした方の場合、異なる視点についていけず思い込みで動かれ、事態が悪化することになるだけです。無駄をとおりこして邪魔なものとなってしまいます、紛争解決にとって。
弁護士との協働ができる税理士が増えることを望んでいます。
法的サービスを受ける納税者の権利のために。
また、そうするためにいろいろな場面で発言し、法的サービスの狭間に落ち込んでいる税務行政の世界にもっと多くの弁護士の知見が活かされるようにしていきたいと思います。
9月から某所で、税理士を目指される学生の方々に対して授業をする機会を持ちます。付け焼刃的な法律用語を操るだけでなくて、本当の法的思考、法的にものを視る力を養える授業にしていきたいと思います。
法律の面白さを知ってもらうために。
それは、対権力となった時に本当の力となります。
以上
1 三菱電気元従業員を逮捕ー架空発注10年続ける
見出しの新聞記事が目にとまりました。平成28年6月9日日経新聞の朝刊です。
58歳の元従業員が警視庁に詐欺容疑で逮捕されたようです。
記事によると、手口はこう。
JR東海から新幹線のインターネット予約システムの保守業務を三菱電気が受けたところ、一部を知人が経営する会社に架空発注し、三菱電気がこの会社に支払った代金約2000万円を自分の口座などに環流させていたとのこと。被害者は三菱電気で、詐欺容疑ということです。
こうした事実は2013年の東京国税局の税務調査で発覚、その後、三菱電機の内部調査で被害額が約4億6000万円に上ることが判明したとのこと。
2 自社では発見できずに、税務調査で発覚
税務調査によって企業内での従業員による横領や詐欺が発覚というのはよくある話です。今回は、三菱電機という大企業であるということと、10年間も不正がわからなっかたということ、被害額が4億円を超えていることで報道されいるのだと思います。
実際は仕事をしてもらっていない、にもかかわらず取引に基づくものとして費用を支払った、あるいは経費として計上した、そして法人税法上の損金の額に算入して申告した、これがいわゆる「架空外注費」です。
今回の架空取引の内容は、「インターネット予約システムの保守業務」です。第会社ですので、知人会社との契約書等はしっかりと交わされ、見積書、請求書、領収書などの書類関係は整っていたものと思われます。
また、取引先の会社そのものは、知人の会社とのことなので、実在して稼働している法人、しかも業務内容は、保守業務を請け負えるだけの会社だったのではないかと推測されます。
目に見える物、目に見える作業をめぐる取引であれば、請負業務等の有無は確認しやすいです。仕事がなされたか否か確認しやすいものです。
しかして、インターネット予約システムに関することである、つまり、ネットのプログラム等の世界です。目に見えにくい。さらには、そのソフトの開発ならともかく、保守業務です。何を持って作業をしたと言えるのかが目に見えにくい作業となります。
なので、三菱電気そのものも10年間も騙されていたとこに気づかなかったのでしょう。
それがなぜ、東京国税局の税務調査で発覚したのか。
3 国税の調査
国税の調査については、国税通則法の74条の2以下に規定されています。
「調査について必要があるときは」「質問し」「検査し」「提示若しくは提出を求めることができる。」とあります。
なぜ、この架空発注に気づいたのか。
誤魔化しやすいインターネット関係に的を絞り、外注先とその業務内容を調べていったのか。詳細は分かりません。
いずれにしても、法人税の税務調査としては、申告納税制度のもと、正しい申告納税がなされているか否かです。
架空の取引に係る外注費ということであれば、法人税法22条1項、3項「損金の額」への算入を否認されたということでしょう。
2000万円の対価に見合うサービスの提供等はなかったということでしょう。ということは、この外注先がなくても、JR東海に対するサービスは十分に提供できていたということなのか。分かりません。
JR東海が三菱電気に発注したサービスそのものも、実は、三菱電気からJR東海に提供されていなかったとしたら。
JR東海が支払った外注費の扱いは架空外注費でしょうか。この場合は、単なる三菱電気の債務不履行の問題になります。
4 架空外注費と債務不履行と「仮装」
仮定として。
① JR東海 ー 三菱電機
経費 ⇒ 金
← *役務提供無し
② 三菱電気 ー 知人会社
経費 ⇒ 金 ⇒金…三菱電気の担当者
← *役務提供無し
何が違うのか。
お金の行方?
企業の取引先から、企業の担当者個人に対して、こっそりキックバック、接待などは珍しくはないでしょう。
ただ、今回は、金額が2000万円と大きい事実、しかも担当者が担当を離れたのちも、という事実を掴んだのが大きかったのではないかと推測されます。
当然、税務調査の一環として、この元従業員の、さらには家族の預金口座も調べられているでしょうか。また、資産状況も調べられています。元従業員は、手に入れたお金を「投資信託に使った」と供述しているようですので、この辺りからボロが出ていると思われます。
流出したお金がどこに行き着いているのかを押さえていれば、その税務調査はしっかりとした調査になのでしょう。
しかし。逆に言えば、そのいわゆる「たまり」を押さえられていないと、査察事件などはまず起訴は見送られるようです。
裁判に耐えられないからです。
関連する用語として、国税通則法68条に重加算税として「仮装」という用語が税法にあります。
ここでの仮装とは。金子宏先生の著書によれば。
「架空仕入・架空契約書の作成・他人名義の利用等、存在しない課税要件事実が存在するように見せかけることをいう」とされています。
また「仮装行為」としては。「意図的に真の事実や法律関係を隠蔽ないし秘匿して、見せかけの事実や法律関係を仮装すること」とあります。
仮装があったという事実を立証する間接的な事実が、たまりの事実となります。では、それ以外にはどのような事実の立証が必要なのか。
まずは、真の事実として、外注費であれば、外注の契約がなかったという真の事実を立証する必要があります。
なかったことの立証はただでさえ難しいです。
では。契約の必要性がなかったといった事実を立証しいくことになるのでしょう。
では。確かに、外注の契約をして、実在の人物に役務の提供をしてもらっていたが、相手先が虚偽の名前や連絡先を使っていたような場合、それだけで、架空外注費、あるいは、仮装の事実を立証したことになるのか。
要件事実の立証としては残念ながら、不十分でしょう。
そこで、検討されるべきは、発注者側に、取引先の身許まで確認する義務があるような作業だったのか、契約だったかのか否かです。
例えば。法律事務所でも。私が以前、経営していた事務所では、単純作業については学生バイトを雇っていたことがありました。人づてでの紹介です。
単純に、事務所に来てくれて、配達、コピー、整理作業、お茶だしなどを実在して、やってくれたらそれで十分なわけです。
そして、賃金を支払います。締め払いの振込みなら確実ですが、単発ですと、終了時に現金で支払うこともあります。
学生さんは自分で領収書を用意して発行してくれることはありません。そこで。
事務所で先に領収書を用意します。名前や住所は、学生さんを紹介してくれた人から教えられています。その氏名、住所、電話番号をこちらで記載したものを用意します。
そして、賃金の支払いとともに、用意した領収書に押印だけしてもらいます。
が。事務所に税務調査が入り、この領収書をチェックしたところ、学生の氏名、住所、電話番号がつながらず、虚偽だったという場合。
それだけで、架空取引、仮装になるのでしょうか。
税務署が疑わしく思うのはわかります。
しかし、実際に支払っており、そのお金は外に出ていて、こちらには戻ってきていません。
その学生さんには、何度か単発で働いてもらっていますが、その子に連絡する時はは実は、紹介者を介してです。
この時、税務調査職員が反面調査として、その紹介者の元に出向き、紹介者が、「そのような学生を松井弁護士に紹介したことはありません」、と答えた時。
即、架空になるのでしょうか。否。立証できていません。
この場合、この紹介者の供述と、学生にこのような経過で仕事をしてもらっていたという私の供述とどちらが信用できるかという供述の証拠評価の問題になります。紹介者の、学生を紹介した事実はない、との供述の信用性をどのように押さえるか。裏付け証拠が必須となります。
税務調査で、私が知る限り、失敗しがちなのが、この反面調査による利害関係人の供述の裏付け調査です。
つまり。この紹介者には、逆に、虚偽の供述をする動機があるかもしれない、私と利害が相反する立場にあるものだという点が、見過ごされ、確かな証拠での裏付け証拠なく、この、学生を紹介した事実はありませんとの関係者の供述にだけに乗っかり、処分してしまうパターンです。
このようなパターンで思い込みで税務調査をして、国税不副審判所まで来て、結局、立証できていない、真偽不明ということで、重加算税の賦課決定処分が取り消された事案がいくつかありました。
紹介者の方にも隠したいとこ、虚偽の虚実をする動機があることが珍しくはないのです。
紹介者の方で、学生の実在しない住所、連絡先を私に告げていたとしたら尚更です。
ここで確かな事実は、領収書の連絡先の住所と電話番号が虚偽だったということです。しかし、そこから即、取引が架空で、仮装だというのは、飛躍しすぎです。
5 ツラツラと
と。
改めて、自分の場合ならと考えてみたところ、主張立証関係が少し整理できたように思います。
審判所時代を思いだしました。
国税不服審判所で、処分の取り消しとして多いのが、架空外注費や仮装行為と言われる事案です。
課税要件事実に照らしあわせて、まず、確かな事実は何なのか、課税処分をするためには、そこから何をどう立証できて、証拠収集をするのか、あるいはその収集、調査ができるのか、効率的な税務調査が期待されるところかと思います。
税務調査が成功すれば。それは、やはり金額に見あった「たまり」が押さえられている場合になのでしょうが、うまくいけば、今回の三菱電気の事案のような結果になり、「課税の公平」が保たれるのでしょうね。
調査の必要性に基づき、適正かつ合理的な税務調査は、法も認めるところであり、必須だと思います。税務調査がなければ、脱税等やりたい放題の世の中になります。
しかし。不必要かつ、不適切な税務調査、さらには実は法的観点からしたら証拠が揃っていない中での課税処分は、抑制されるべきかと思います。
納税者に対する暴言、反面調査をチラつかせた威嚇的な言動に対しては、法的にも抑止効果ある対応が今後、なされるべきかと思います。
弁護士でも。最後は提訴ですが、交渉段階で提訴や、刑事告訴といった言葉を口にしたり文字にする代理人ってどうよ?という経験則です。
原典は確認していませんが。
エリック=ホッファーというアメリカの哲学者の言葉。
「無礼とは、強者を真似した弱者の態度である。」
うむ。なるほど。
ここまで、書いてみて、書きながら考えてみて。改めて、文章をまとめてもいいのだけど、なんとなく今回はこのままアップしておきます。
自分の思考の過程。Twitterのようにだだ漏れ。
以上
1 子会社の横領事件
昨年27年、NHKの子会社「NHKアイテック」社で、従業員2名が、工事の架空発注といった古典的な手法で、約2億円を横領していたという事件が報道されました。
なぜ発覚したのか?
国税局による税務調査で、だったようです。
2 お金の使い方
その後。昨日平成28年2月、次のような報道を見かけました。毎日新聞です。good job です。
衆院予算委員会での会長の話。
平成26年実施した関連団体の2種類の不正調査に、計約1億0550万円を支出していたとのこと。
「約5600万円を支払った外部の弁護士による調査委員会の報告書が、約4950万円をかけて監査法人に委託した調査結果を参考にまとめられたことを明らかにした。奥野総一郎委員(民主党)の質問に答えた。」
弁護士などによる調査、監査法人による調査では、子会社であったアイテック2億円にものぼる工事の架空発注は見抜けていないということです。
「不正調査」。
3 不正調査
もちろん、「不正」についてもいろいろな種類があります。調査の依頼を受ける方も、最初に、どこまでのことをするのかについて枠を決めます。
たまたま、弁護士も、監査法人の場合も、その対象からアイテックの経費は外れていただけなのかもしれません。
にしても。
やはり、国税による税務調査は優秀なんだと思います。
民間との決定的な違いは、情報量と権限です。国家権力として、税務調査を行います。金融機関や、仕入先等でも、問い合わせをすれば、回答、協力を拒まれるとはまずないかと思います。
とはいえ。
弁護士はともかく、「アドバイザリー業務」の名目で、約5000万円を受け取っていた監査法人。その監査法人による監査の「質」が問われるかと思います。
また。
弁護士については。そもそも、仕事が「監査」や「調査」といった仕事ではない業種かと思います。にもかかわらず、「監査」や「調査」の仕事を受任する時点で、本当にその能力があるのか、立ち止まって考えた方がいいのではないかと思います。万能ではありえないのだから。
4 そして,マンション
何よりも。依頼する方のお金の使い方。
所詮人のお金といった感覚と、どんどん現金を使っても潰れることはないといった他人ごと感覚がないと、このNHKのようなお金の使い方はできないと思います。
こうしたことが起こりがちな身近な団体。
そうです。マンション管理組合です。そして、理事会をそそのかす管理会社。
国税局による税務調査のような、適切なお金の使われ方がしているかについてのチェック機関が必要です。
現在、同じ思いを共有する他の弁護士らとともに、動き出しています。管理組合の「味方」、として、受け皿団体を作っています。
ある程度、形が整ったら発表したいと思います。
管理組合のお金の使い方、大丈夫でしょうか。
(以上)
マンション管理組合への「アドバイザリー業務」の夜明け前。経験と情報量が違います。
消費税法。昭和63年にその法律の基本が制定された日本の消費税法。
法律として、非常に興味深いです。
勉強すればするほど、面白いです。
何が面白いのか。
法律、特に税法としての法律としては、やはり穴だらけ、というか、基本思想が政策のためになし崩しになっている印象をうけ、とても興味深く、技巧があちこちで悲鳴をあげている印象で、興味深いです。
頑張れ、日本の消費税法!
2 付け足しの消費税?
平成22年に、任期付公務員として国税審判官になり、初めの2年数ヶ月は名古屋支部で働きました。
その際、名古屋にいた間に、所得税法はもとより、国税徴収法、法人税法、そしてこの消費税法に関する事件を何件か担当することとなり、その時初めて、法律としての消費税法と向き合いました。
ちまたで聞いた話では、消費税法に関して税務調査をする国税職員として、消費税専門となする人はいない、通常は、法人税の調査をし、法人専門の人が、調査の付け足し的に消費税を調査するといった話でした。
3 孤高の消費税法
しかし。
法律としては。消費税法と法人税法、さらには所得税法とでは、その基本思想がまったく異なります。
現場の税務調査官の中では、この点が意識されておらず、また、そうしたことを知らないことも知らないまま、シビアなケースについても、法人税法の調査と同じような調査を消費税法の調査でも行い、法律の課税要件となる事実の立証のための税務調査としては的外れな調査をしていることが少なくはないといった話も耳にしたことがあります。
4 法律としての消費税法は、発展途上、かも
名古屋支部時代においては。当時の所長から消費税法に関するレクチャーを受ける機会がありました。それで、初めて目から鱗が落ちた思いで、消費税法の条文を見ることができました。
それでも、所詮はやはり弁護士です。
消費税法の申告書を作成して、提出しろ、と言われたら、絶対にできません。記帳、申告に関する税務実務はやはり餅は餅屋で、その道のプロの税理士の方しか無理だと思います。
しかし。
法律としての日本の消費税法。
昭和63年の法律の制定前、当時の大蔵省において、導入のための海外の法制度の調査等が行われており、その際、その業務に従事していたという人が語っていたという言葉を聞いたことがあります。
ドタバタの中で作られた法案。
昨年の施行された番号法の制定ではありませんが、まさに小さく産んで、大きく育てる、といった発想で、まずは法律として制定する。
法律として制定するためには、反対派をおさえる必要がある。
そこで取り入れられたのが、様々な非課税措置、簡易課税制度、その他もろもろだったのだと思います。
中小企業には影響はありませんよ、消費者の暮らしには大きな影響はありませんよ。
5 今の消費税法の限界?
誰がこんな姿にしたのか。誰がリスクを負うのか。 そして、誰がただすのか。
消費税基本通達はもちろんあります。
しかし。
法律としての基本思想の理念と妥協の産物となる様々な特例措置、技巧的な種々の制度。そうした点の理解なくして、法律を法律として理解し、用いることはできないかと思います。
消費税に関する節税策が利用されるのは、こうした制度の歪み、間隙を利用しているだけにすぎません。
2月9日、日経夕刊では、輸出免税制度を利用した、消費税の不正還付請求で、大阪地検特捜部によって逮捕された高級腕時計販売店等の記事が掲載されていました。
架空の輸出だったようなので、これはまさに消費税法違反であって、論外です。
しかし。
そもそもが法律として、ガタガタのまま、そして軽減税率導入によってさらにガタガタになろうとしている日本の消費税。
その仕組みをよく研究し、用いただけの消費税還付請求について、国税職員が、これは許せないといった思いを持つのはすごく理解できるのですが、そもそもの法律の思想と歪み、限界を意識した、法の適用、執行がなされないことには、消費税法の本当の意味での改善はますます遠のくばかりという気がします。
いわゆる、裁判で敗訴したのを契機として、法律改正を促そうという深遠な意図のもと行われる「チャレンジングな課税」ならまだしも。
とはいえ、チャレンジングな課税も、まずは最初の一人の生贄、見せしめが必要なわけで。これは、最終的に裁判で勝てばいいとう問題でもなく。
あまりにひどいときは、提訴でも不当提訴という類型があるように、不当課税として国家賠償請求をしてもいいのではないかと思っています。
国家権力の役割と行きすぎとのバランスの問題として。
警察権力による、逮捕、勾留、裁判、無罪の場合に補償されるのと同じようなシステムが国税分野でも必要かも。あまりに「お粗末」と言わざるをえないような処分の場合。
警察分野は、警察ー検察ー裁判官ー弁護人のシステムの中で切磋琢磨、批判される機会、システムがあります。
国税に関しても、もっとこのようなシステムがあれば、日本の国税庁は賄賂等の問題、不祥事の問題も少なく、世界的には最高レベルだとは思いますが、納税者の視点からみると、まだまだよくなる余地があるのではないかと思います。
日本の消費税法も含めて。
(おわり)
* 関西大学法学部の先輩弁護士。伊藤たかえ弁護士。夏の参院選に立候補予定。NPO建築問題研究会でも理事長を務められて、素晴らしいリーダーシップを発揮していただきました。
すみません、消費税の軽減税率には反対ですが。
国会で活躍され、素晴らしい法律を作っていって欲しいです。
1
先日の1月、大阪は梅田の蔦屋書店でのトークイベントといった
ものに初めて行ってみました。2003年、木村伊兵衛写真賞を受賞
したことでその存在を知り、なんとなく気になり続けていた
写真家・澤田知子さんのトークイベントでした。
そのFacebookの存在は見つけていてフォローしていたところ、
告知があり、チケットを手に入れるために、即、最新写真集
「Facial Signature」も購入しました。
2
行ってみて。
非常に刺激的な1時間でした。トークの相手であった
椿昇さんは、残念ながら何者かも全く知らなかったのですが、
澤田さんの高校時代の美術教師で、恩師でもあるとのこと
だったのですが、それだけの人ではなく、美術業界に
、今は大学の教授をされていて、業界に対しても突き放し
た考えをお持ちの方で、椿さんの話がまた面白く、行って
よかったと思えるトークイベントでした。
何が面白かったのか。
「食べていけないと、作品は作れない。」その言葉
を聞けたこと。
そして。日本のアート市場と、ニューヨーク、ロン
ドンの市場や、購入者、愛好家との違い。
「ハーブ&ドロシー」という映画の存在は知って
いました。見ていませんが。
海外(といっても、もっばらそのニューヨーク
とロンドン)での購入者は、大金持ちであろうが、
作者や作品のことを本当に根ほり葉ほり聞いてくる、
私よりも私のことを知っているのではないかと思う
くらいだと。
本当に好きで気に入って作品を買ってくれると。
3
作品であっても、発表して終わりではない。
売る行為と買う行為があって、そこにきちんとしたや
りとり、納得、評価が加わる。そこで、また新しい作品
が生み出されていく。
この素敵な過程、市場がきちんと機能しているのが、
成熟したニューヨークや、ロンドンの市場であると
いった話でした。
結局、他方で、日本のマーケット、美術界は未成熟
である、お金持ちが美術品を買う際、まだまだ百貨店
の外商任せが多い、日本から新人を見つけ出し、
日本以外の国に発信しようという業界人が少ないと
いった話でした。
澤田さん自身も、今は、力、コネクションのある
海外のギャラリーがついていて、経済的には困窮は
していないといった状況のよう。
単に、いい仕事、いい作品を生み出せば、あとから
お金はついてくるといった話ではなく、やはり
自己プロデュース能力、経済感覚かないと、生き残り
続けるのは厳しいようです。
そうした話は、もう10年近くまえ、村上隆さんの
「芸術起業論」で読んではいました。
4
澤田さん自身、5年ほどスランプの時期があったと。
このまま、作品を生み出せないなら、カツラを床に
置いて、業界を去ろうかと思ったと。
その時、共同プロジェクトの話があり、ハインツ
トマトケチャップの写真をもとに作品を作ったところ、
「これは知子の作品だね。」と言われて、自身の
タイポグラフィが自分自身であることに気づいたと。
木村伊兵衛写真賞を受賞した「コスチューム」は、
危ないところであった、逸れるところであったと。
このことを、椿さんは、10年はそのスタイルを続けろ
と、10年経てば、それが澤田知子だと認識される、と考え、
見守っていたと。
5
生み出し続けることは、しんどいかと思います。
フランスの三つ星レストランの有名シェフが自殺
したとの報がながれていました。
最近のところでは、カート=コバーンを思い出して
しまいました。
食べて、生きて、世の中に、一つでも多く作品を
残していってほしいです。
作品。
もしかして、amazonで買えないのかとチェックして
みたら、篠山紀信さんの作品は買えるようでしたが、
さすがに澤田知子さんの作品は売られていませんでした。
どこで売るのか。
美術業界。この辺りに革新の要素があるのではないか
と思います。
(おわり)
*堀川戎に行ってきました。1円、1秒にこだわろうと、お賽銭は1円にしました。
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28年1月9日土曜日の夕刊に小さく掲載されていた記事。
「大阪の医療法人 賃金不払い容疑」「理事長を書類送検」。
たった13行の記事です。
医療法人が歯科医院を経営していたところ、勤務する歯科医師に賃金をし払わなかったとして、大阪中央労働基準監督署がその医療法人と70歳になる理事長を最低賃金法と労働基準法違反の容疑で書類送検したというものでした。
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最低賃金法という法律があり、地域別の最低賃金が決められ、これ以下の賃金は合意しても無効とされています。
また、最低賃金額以下の賃金を支払う使用者には罰則規定があります。
さらに、この法律を執行する労働基準監督官などには、司法警察職員の職務を行う権限が認められています(法33条)。
ちなみに大阪府内の事業場で働くすべての労働者の最低賃金は、平成27年10月1日以降は、時間あたり858円とされています。
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この歯科医院での歯科医の賃金は一体いくらだったのか。しかも、それすらも払われていなかったのでしょう。
新聞報道では、「理事長は『資金繰りがつかなかったと』と容疑を認めている。」と書かれています。
歯科医の経営がうまくいっていなかった、つまり、患者が来なかっただけなのでしょう。法人の場所は、天王寺区のようです。
歯科医院の経営難の話は昔からよく耳にします。ただ、もちろん近隣から多くの患者を集め、経営としてはうまくいっているところもあるかと思います。
土日営業、夜は10時まで診療を受け付けいてる、当たり前ですが、技術は確か、さらに、親切に親身に説明してくれる、スタッフや医院内は明るく、清潔などなど。
つまり。差別化、選ばれるための努力をしている、それが功を奏しているということです。
そのような中、こうしたことを全く考えず、実行することなく、漫然と開店しているだけでは、患者は他の医院へと離れていき、「資金繰り」に窮することになるのはある意味、目に見えています。
70歳の医療法人の理事長。おそらく医師かとは思いますが、医師の資格はあっても、残念ながら、経営の才覚がなかっただけだと思います。
昔でしたら、それでも十分に経営して行けたのでしょうけど。
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どこかで聞いた話です。
そう。弁護士業界も同じだと思います。
司法試験に合格すれば、なりたい弁護士になれて、就職し、数年の経験を経れば、独立し、普通に従前どおりに働いていれば、「事務所経営」ができました。
しかし。司法試験の合格者数が、私の頃の1997年、700人から、2015年、約2000人と倍増しています。
そのような状況で、弁護士を利用する人には、選択肢が多く用意されることになりました。
会社として顧問契約をしていても、さらにより親切で、サービスが良いと思え、しかもより安い弁護士が登場すれば、当然、乗り換えます。
弁護士の品質をどのようにして測るのかという問題はありますが、それはさておき。
医師が経営に失敗することが珍しくないように、弁護士、法律事務所の経営の失敗ケースが普通に出てくる日も近いと思います。あるいはもう出ているのか。
変われる者だけが、生き残れる。
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とある雑誌を買って読みたい思い、どこで買おうかと考えた時、選択肢は、Amazon、あるいは梅田でポイントのつくジュンク堂が思い浮かびます。近所の本屋さんは、思い浮かんでも、他社と比較した時、わざわざその店に買いに行く理由が思い当たらず。
もっと自店舗に来てもらう理由が思いつく努力をしたらいいのになと、残念とつくづく思いました。
街の本屋を応援したいけど、そこで何も変わらずぼーっと佇んでいるだけの人を応援する気力は湧きません。
頑張っている人を応援したいというのが人の気持ちです。
弁護士としても。
頑張っている人、成長しよう、自分が変わろうとしている企業、人を応援しています。
周りの環境が悪い、相手が悪いと人のせいにしているだけの人には共感しません。嘆いて、悪態をついているだけの人からは運も離れていきます。
ただ、そういう人にはそういう人が集まってきます。
弁護士と依頼者の関係も。類は友を呼ぶの法則が当てはまると思うこの頃。
弁護士を17年近くしてきて。依頼者の方々にはつくづく恵まれてきたと、自分のこれまでの幸運に感謝しています。
これから。今までの依頼者の方、未来の依頼者の方にどのような貢献ができるのか。
2016年、今年。
仕組みを作り出していきたい、さらに変わり続けたいと思います。もがきながら。
(以上)
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正月明け、日経の朝刊。
上場企業の2015年4月~12月期の決算発表が4日から始まった、と。
そして、「一番乗り」は、午前7時30分に決算短信を開示した焼肉チェーンのあみみき亭との報。
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「あみやき亭」。
国税不服審判所の名古屋支部で働くこととなったとき、大阪から名古屋に引っ越しをしました。
その時、結局2年数ヶ月にわたり暮らしたのは、新大阪駅から名古屋駅に向かう際、名古屋駅の手前を流れる川、庄内川の近くの名古屋市中村区というところでした。「アイコ16歳」を書いた作家の出身高校、中村高校の近くです。
そして、近くには、でかでかと赤く、名古屋にしては派手な看板が目立つ、1階は駐車場で2階が店舗という郊外型の飲食店、「あみやき亭」がありました。
名古屋で暮らす間に、何回か行きました。
しかし、大阪に戻ると、あたりで「あみやき亭」を見かけることはありません。
大阪で焼肉といえば、リーズナブルに美味しい肉を食べれる、京橋の「松井」、あるいは道頓堀の「岡本」、あるいは南森町の「万両」が真っ先に思い浮かびます。
あみやき亭。
すっかり忘れていました。
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それが、年明け、正月明け早々、「一番乗り」で午前7時30分に決算を開示する会社。
あみやき亭、の文字。
上場企業ということも知りませんでした。
しかも。名古屋市の春日井市が発祥の地で本社がある会社。
それが。なんと。
日次決算、とは!
飲食店でそのような財務管理をしているのはすごいことではないでしょうか。
社長の方針があってのことだと想像します。
経営管理。
「原価率などを毎日計算し、日々のデータを集計しているという」
第3四半期決算短信は8頁ものです。
すごいです。
サイトをみると、愛知・岐阜・三重のほか、東京、神奈川、埼玉、千葉と店舗があるようで、229店舗を有するようです。
いったいどのようなシステムを導入しているのか見てみたいです。
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2016年。
20代の頃は、「結果がすべて」という言葉に対して違和感を覚え、いやいや経過が大事だし、経過が楽しいのではないかと思っていました。
40代も半ばとなると。
やはり、結果がすべてだし、数字が大事と実感として思えるようになりました。
1分1秒、1円にこだわっていこうと新年、気持ちも新たにしていたところ、「あみやき亭」の日次決算の報。
経営の姿勢が行動に出ていて清々しい思いとなりました。
1分1秒、1円にこだわる、執着するという思いをどこでどう行動に表すか。
「丸い数字で」というのを禁句にするか。
1秒、1日にこだわろうとする中、相手の動きが遅いとイライラしますが、相手のいることなので急かして首根っこを掴み動かすこともできず。
そうした経緯は、すべて事件のカルテに記録して、工程管理ではありませんが、何が原因で進捗が遅いのか後で分かるように管理しています。基本的にはメモ魔の方です。
(おわり)
*
1分、1秒にこだわろう!というのは、あまりこだわりきれていなかったから。ちなみにこれは心拍。健康にもこだわります。
40歳過ぎて。いつ、ある日突然、死んでしまったり、あるいは病気になって健康を失うか明日をもしれないという思いを実感できるようになったから。
睡眠第一で、毎日100mダッシュの思いで時間を過ごしいる気がします。
でも、緩めるのも大事。ハード、イージー、イージー、ハード。
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2016年、明けましておめでとうございます。本年7月、4年に及ぶ 国税審判官の生活から弁護士業に復帰していよいよ3年目に突入、 さらにアクセルを踏み込んでスピード重視で飛ばしていきたいと 思います。カーブを曲がりきれないといったことだけないように 注意して。
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新年早々、2016年、最初に読了した本は、新書「創価学会と平和 主義」(朝日新聞出版)でした。年末、大阪市内の市立中央図書館に 初めて行く機会があり、その際、館内をウロウロしていた時に目に ついて借りた本でした。
佐藤優本。5年ほど前に「獄中記」を読んで以来、結構好きな作家 で、最初の頃のものは出るもの出るもの読んでいましたが、今や、 多作になりすぎておさえきれていませんでした。
創価学会と公明党。
正直なところ、判例タイムズや判例時報といった判例紹介雑誌 で一時期、よくその名を見かけ、その判決文から伺いしれる イメージ、さらには本の広告でのイメージ程度の知識しかありま せんでした。
近づきがたいような違和感。この感情について、佐藤さんは 次のように表現しています。
187頁「創価学会がともすると世間から違和感を持って見ら れるのは、『である』圧力が強い、換言すれば、『同調圧力』 が強い日本社会において、”宗教団体なのに”政界へ進出し、 SGIという国際組織を作り、学会員を官界、特に法曹界へと 送り出す、常に『する』、つまり生成(英語のbecoming, ドイツ後のWerden)という原理で動き続けてきたからでは ないだろうか。」
なるほど、と思いました。
2015年の消費税の軽減税率の導入。今の日本の消費税法 を考えたら、法律上の仕組みとしても、あり得ないかと 思います。
また消費税として徴収した税の使い道、財源としての 消費税を考えても、軽減税率の対象となった取引によって 得られなかった分をどこで埋め合わせするのか。
すべてがますます歪んでいくだけてはないかと思われ ます。これは、おそらくわかっていて、目先のわかり やすさを優先しただけだと思います。やってはいけない ところで妥協した結果かかと。
そこで、公明党と自民党。今の日本で、法律を作る力 を持った集団の論理、文化を理解しておく必要がなると、 改めて実感することができました。
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2016年夏、参議院選挙があります。
もう少し、今の自民党と公明党について勉強して みようと思います。
丁度昨年、立花隆の「田中角栄研究 全記録」 (講談社文庫)の上巻を読み終わり、今、下巻を読んで いるところでした。昭和40年代、1970年代の日本の 政治。 小佐野賢治や児玉誉士夫、さらにはM資金まで!当時、 国税庁も絶対に裏で手を握っていたわ!といった怪しげ な世界。これがほんの30年前程度の日本の政治。
さて、今はいかに、といったところです。
1月4日、6月1日までの会期で通常国会が始まり
ました。
(日経1月4日夕刊から)
衆議院
自民党 291
民主/維新/無所属クラブ 93
公明党 35
共産党 21
おおさか維新の会 13
改革結集の会 5
生活の党と山本太郎となかまたち 2
社民党/市民連合 2
無所属 12
欠員 1
参議院
自民党 111
民主党/新緑風会 51
公明党 20
共産党 11
おおさか維新の会 7
日本を元気にする会/無所属会 6
維新の党 5
日本の心を大切にする党 4
無所属クラブ 3
社民党/護憲連合 3
生活の党と山本太郎となかまたち 3
新党改革/無所属の会 2
無所属 5
選挙制度って今のところ、人類の叡智の結晶と思われます。
* 年末は、AKB48の総監督、高橋みなみさんの「リーダー論」
を読みました。
4年前、たまたま見たYouTubeで大勢の女の子の中、一人 眼差し強い人がいて、この子はなんだと思い注目したのが、
その後の私のYouTube、AKB地獄の始まりでした。
高橋みなみと大島裕子の見分けもつかなかったのに。
高橋みなみ、周りをよく見て、自分を相手に合わせる24歳。
すごすぎる。
1
東京は六本木の森美術館で開催されている、村上隆の五百羅漢展に行ってきました。
森美術館は初めてです。
村上隆さんの作品を初めて見たのは、確か2002年頃、大阪のサントリーミュージアムで開催されていた「ドラえもん展」です。その中で、村上隆さんのトレードマークのようなものの一つとなったお花の絵がありました。
その後、美術特集の雑誌で、フィギアの作品もしり、その後、「芸術起業論」を読み、また、「芸術闘争論」も読んでいました。
また、Ustreamだったか何かで語る現代美術の学び方のようなトークも聞きました。
なぜか、目が離せません。
そんなところに、この五百羅漢展の開催です。
2
中は写真撮り放題でした。
コンビニ書店の雑誌の紐とじは絶対に売上を落としていると考えているのですが、それと同じで、美術館なども写真を自由に撮らせないことによってかえって、集客のチャンスを逃していると思っていたところ、さすが村上隆展、撮影自由でした。
現代アートが好きなんだという自覚が生まれたのは、30代の頃です。
新聞評や広告などで、これはと思う美術展には足を運ぶようにしています。
行くと楽しいから。ちょっとした小旅行をしたような感覚を得られます。
なぜかと考えるに。
既存の、日常の視点を外せるからだと思います。
自分の日常、考え方、行動パターンに揺さぶりをかけ、異なる視点を得る刺激。
こうした刺激は、好きな人と嫌いな人に分かれるかと思います。
今いる場所の延長線から離れられない人。
モノの見方、考え方。自分以外の人のモノの見方を試みられない人、「自分」から離れられず、視点移動ができずに、視点の自由がない人。
こうした人は、現代アートや、村上隆さんのような作品は生理的に受け付けないのではないかと思います。
しかし、「離れる」こと、「不安定」さを楽しめる人には、きっとじんわりとバワーをもつ村上隆さんの作品の数々。
脳内トリップができる現代美術が好きです。
一枚欲しい。。。家か事務所に飾りたい。
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お仕事と結びつけて考えるに。
弁護士業。
訴訟、調停、手続外の交渉といろいろとあります。
依頼者の方にはっきりとお伝えしているのは、訴訟は博打ですよ、ということです。
訴訟になっても、和解ができるなら和解を勧めます。なぜなら。ある程度、結果をコントロールできるからです。当事者が譲り合って、紛争に解決をつける。
誰にとってももっとも得な、ベストな選択になります。
交渉、調停もある意味、裁判上の和解と同じで。
決裂した時にどうなるのか。それぞれのコントロールが及ばない領域に踏み込んでいくこととなります。
こうしたことの怖さを理解できる人は、第三者である裁判官の手に事態を委ねることなく、自ら解決する力を持ちます。
自分で解決する力。
そのためには、自分のものの見方、自分の考え、執着から一旦離れることが必要です。
これができる人とできない人がいるのは世の中、やむをえません。
だから、裁判所かあるわけですし。また、弁護士という他者の専門家もいるわけですし。
裁判になったらどうなるのかという知識と想像力、恐怖心、そして視点移動、視点の自由さがものごとを解決し、その人を窮地から救うことになると思います。
裁判所の廊下には、ぜひ村上隆さんのような、現実を吹っ飛ばすようなパワーのある美術作品を展示すべきだと思います。
ちっぽけな世界で争っているにすぎないことに気づけるかも。
(おわり)
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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