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25 独禁法など

2009年3月 6日 (金)

独占禁止法と公正取引委員会【松井】

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 先日、大阪弁護士会の方で「公正取引委員会と大阪弁護士会との協議会」というものが開催され、出席する機会がありました。
 ここ数年、平成17年の独占禁止法の改正もあり、公正取引委員会の活躍が新聞の紙面を賑わすことが多いように思います。
 

 平成18年1月、「競争政策のグランド・デザイン」というものが発表されています。公取委の「今後の競争政策の運営方針」。
 その中では、「新規参入訴外行為への厳正な対処」というものが項目として上げられています。
 「IT・公益事業分野の競争制限行為及び知的財産権の濫用行為に迅速かつ厳正に対応し、市場機能の十全な発揮を図る」とあります。
 最近でいうと、あのJASRACに対する排除措置命令が頭に浮かびます。
 (JASRACといえば・・・⇒ブログ記事


 著作権の目的の話で、以前、当ブログでも触れた塩澤一洋教授の考えと、独占禁止法の考えって、どこかでリンクしているような、パラレルなような、頭の中がむず痒い(中島らも)思いがします。
 場の提供、ルールの提供。フェア。公正。そういったものの存在、価値を信頼するということ。
 うーむ。
 考え中です。
 にしても。独占禁止法が定める、優越的地位の濫用ってもっと使えそうです。
 何が嫌って、やっぱりフェアじゃないのが嫌な感じがする。


 弁護士業として個人的にやりにくいのは、相手に弁護士が就いていないときです。
 私は相手の弁護士ではないので相手の利益に注意する義務ってないんだけど、自分が赤子の手をひねっているような思い(弱いものイジメ)をするのは嫌なので、相手の人には弁護士に相談し、出来れば依頼するようにおすすめしています。
 仕事としても、多くの場合は弁護士同士の方がはなしが早いです。共通言語ではなしをすることができます(そうじゃないときもあるけど(怒))。

 こちらと対立しながら、でも敢えて弁護士に相談しない、依頼しない相手の方っています。費用の事情なんだとは思いますが、会社でも、個人でも。そんなときは、必要以上に注意します。やりすぎることがないようにと。あとで恨みをかっては紛争解決のもともこもありません。
 でも、そんな人に限って、うちは●●弁護士が顧問だとか、△△弁護士に相談しているなどと無意味に弁護士名を口にされたりします。でも、依頼していません。なんでなんだろ。
 そんなことで弁護士がビビると思っているんだろうか。かえって可哀想な気すらします。日本弁護士連合会の会長の名前を出されたとしても、「それが何か?」というのが「弁護士」です。相手方の代理人が元最高裁判事や大阪弁護士会の会長だったとしても、別にだからどうということはありません。刑事法廷に行ったら、相手方の検事や裁判官が修習時代の教官ということもあるし、民事事件でも相手方の代理人が修習時代お世話になった弁護士ということももちろんあります。でも、弁護士・検察官・裁判官は、たぶん皆、「それはそれ、これはこれ」として自分が果たすべき役割を果たそうとします。弁護士は依頼者の利益擁護のために活動します。
 じゃないとこんな仕事、そもそも出来ません。でも、世の中、そんな価値観がない人っているからこそ、上記のようなことを口にする人がいるんだろうと思います。へ?という感じです。

 弁護士が就いていなくっても、やるべきことをしない、法律上とおらない話をしてくるときは、やむを得ずですが徹底的にやらざるをえません。自分の適正な利益を守るために早く良い弁護士に依頼したらいいのにと思いながら。
 自分で崖から飛び降り濁流に流される人を助けてあげることは出来ません。一緒に飛び降りても、こっちは濁流下りを仕事にしているので平気です。
 あなたはプロじゃないんだから崖から飛び降りず、強がりはやめてそこから引き返したほうがいいですよと一応アドバイスしているのに、自分で走って飛び降りちゃう人は止められません。
 仕方ないなあと、紛争解決は相手があることなので一緒に崖から飛び降ります。
 で、濁流の中で助かるのはどっちか。それが、訴訟です。こっちは濁流下りを仕事にしているんです。
 濁流に飲み込まれたら、さすがに弁護士に依頼せざるをえない。

 もちろん、交渉段階で自分や担当者レベルできちんと交渉をされて、妥当な解決策をみつけ、合意し、紛争解決にいたることもあります。濁流に飛び込むことなく、自ら、崖の上から帰る道を見つけられる方です。こちらもほっと安堵のため息をつきます。お互いに良かった、と。濁流=訴訟って、弁護士は仕事だから平気だけど、依頼者の方もいっしょに濁流の波に巻き込まれるので余計な時間も労力も使うから。避けられるなら避けるに越したことはないと考えています。依頼者の方の利益のために。

(おわり)

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2009年2月21日 (土)

商売はやっぱり、共存共栄/三方よし【松井】

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 ここ数日、セブンイレブンに公正取引委員会が立ち入り調査したという報道が新聞紙面を賑わしています。
 
 以前にも二度ほど、セブンイレブンが被告となった訴訟について、興味があり触れていました。
 http://osaka-futaba.cocolog-nifty.com/futaba/2008/07/post_79e3.html

 ついに、「窮鼠猫を噛む」という状態が現実化したということでしょうか。
 訴訟で戦いを挑んでも相手は徹底抗戦。それならば、他に使える手段は!?と。
 今回使われたのは、独占禁止法違反です。


 ここにいたる前に、なぜセブンイレブンは不満に対する火消しをしなかったのか。

 日経新聞の「わたしの履歴書」では、今、フランチャイズ展開をしているドトールの会長さんの連載となっています。
 数日前の記事。
 コーヒーショップ経営の「コンサルタント」をしていた人が、相談者が経営に失敗しても知らん顔で高級車を乗り回している姿を見て、人を泣かすような商売をしては駄目だと思ったといったことが書かれていました。
 ドトールは、フランチャイズ展開をしており、そこで、フランチャイズでコーヒーショップを経営する経営者の人、その人も幸せになってもらいたいといった思いでやっているといったことが書かれていました。
 「会社」といっても、その中身は人です。「会社」が「会社」として頭をもって考え、動くわけではありません、もちろん。会社も人が動かします。
 結局、経営者トップ、経営者の資質の問題なのだろうと思います。


 誰かを泣かせて利益を得ても、いつかどこかでしっぺ返しをくらいます。
 そんな事業の形は、長くは続きません。
 ざまあみろと何人もの人が舌を出しているはず。
 でも、そんな事業が世の中、事欠かない。なぜなんだろう。
 たぶん。
 なぜ、人が人を殺すのか?
 なぜ、人が人のものを盗むのか?
 なぜ、人が人をだますのか?
 といった問いと同じなんだろう、なんて考えます。
 
 公正取引委員会ががんばっても、適確消費者団体ががんばっても、消費者庁が出来ても、なくなりはしない。
 でも、不合理な目に遭って泣く人がちょっとでも減ったら、それは素晴らしいことだと思います。

*こんな本を本屋さんで見つけ、買いました。これから読んでみます。

(おわり)

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