会社の経営~タリーズコーヒージャパンに何があったのか~【松井】
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新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
昨年年末は、年末の挨拶をブログでアップできませんでした。
が、無事に年も明け、気持ちも新たにいこうと思います。
よろしくお願いします。
前にも書いたかもしれませんが、今年はもっと気軽に気づいたことなどを考え途中であってもとりあえず文章化してアップしていこうと思います。
2
この年末年始は、平成17年に買ってずっと読んでいなかった、松田公太さんの「すべては一杯のコーヒーから」(新潮文庫)を読みました。で、その後、何かずっとひっかかるものが残っています。この点、まだうまくまとめられていませんが、メモがてら記しておきます。
新年なので、今年の心意気とかもっと新年らしいことを書けないのかと自分でも思うのですが。。。
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以下は、もっぱら「すべては一杯のコーヒーから」の抜き書きです。
松田公太さん
昭和42年生まれ
筑波大学国際関係学類入学
平成2年 三和銀行入行
平成8年 同銀行退行
平成9年8月 タリーズコーヒー1号店 銀座オープン
平成10年5月 タリーズコーヒージャパン株式会社設立
資本金2700万円
ジョイントコーポレーション方式
松田氏780万円(29%)、
アメリカのタリーズ(29%)、
内装担当した会社515万円(19%)、
ダン215万円(8%)、
MVC410万円(15%)。
平成11年4月 ベンチャーキャピタル数社を中心に1億2000万円
平成12年4月 会社、大企業の経営者から5億2500万円を調達。
平成13年3月期 売上高約10億8000万円、経常利益9500万円、店舗数23。
平成13年7月 ナスダック・ジャパン(現ヘラクレス)上場。
平成16年1月 フードエックス・グローブ 上場廃止。
「ACキャピタル」というファンド運用会社と共同で新会社を設立。
平成16年8月 200店舗。
平成17年2月 233店舗。(直営店86、FC店147)
平成17年4月 「すべては一杯のコーヒーから」新潮文庫版、出版。
平成18年10月 伊藤園、株式取得、伊藤園グループ下に。
平成19年 松田公太氏、タリーズコーヒージャパン株式会社代表取締役退任。
■
平成21年8月 「松田公太オフィシャル ウェブサイト」オープン
http://koutamatsuda.com/?page=column
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E7%94%B0%E5%85%AC%E5%A4%AA
■
タリーズコーヒージャパン株式会社
http://www.tullys.co.jp/company/outline.html
■
フードエックス・グローブ株式会社
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%96
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興味深いのは、平成13年7月、現ヘラクレスに上場前に、第三者からの出資をガンガン受け入れていることです。
上場前の2年間で約6億円もの出資を「第三者割当増資」で受け入れています。
この点、「すべては一杯のコーヒーから」では次のように述べられています。
上場とは、ということで。
「会社の成長を期待する投資家に株を買ってもらい、経営者は期待に応えられるように事業を大きくする。そうすれば、株価も上昇して投資家にも喜んでもらえることになる。」(249頁)。
タリーズコーヒージャパン、その後のフードエックス・グローブ社に一体何があったのか本当のところはよく知りません。知っている人はよく知っているのだろうとは思いますが。ウィキペディアや、ネット上の個人の方のブログでうかがい知るのみです。
会社を立ち上げ、売上げ、経常利益を大きくしていき、さらに事業拡大を狙えば、上場というのは一つの選択肢になります。
松田さんも著書では次のように述べています。
「株式公開の具体的なメリットとしては、知名度、信用力、資金、人材、という四つがあった。」(252頁)。
ただ、公開のデメリットもあるわけですし、公開ではなくても増資の際、誰に株式を割り当てるのかというのも大きな問題になりうるところです。
伊藤園への株式の売却の意思決定は、やむを得ずにそうしたのか、それとも何か別にやりたいことがあって株と自身の地位を手放したのか。
実際のところがどうなのか興味があります。
こういった話は決して珍しいことではないと思います。お金を生み出すシステムを血がにじむような思いで作り出し、無事に離陸して、なんとか水平飛行に移ったと思った途端、その飛行機には操縦桿を奪いとろうとする人が実は乗り込んでいたり、あるいは、給油量が足りなくなってしまっていったん飛行を止めざるを得なかったり、そこで操縦席を第三者に明け渡さざるを得なかったり。
会社経営というのは、離陸時、水平飛行時、そして着陸時と各時点時点でのいろいろな難しさがありそうです。
タリーズコーヒージャパン、フードエックス・グローブ社、松田公太氏がどういう意思決定をしたのか、興味津々です。
(おわり)
*今年は、自分も含めて、人を撮ってアップしていきたいと思います。
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