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2009年12月

2009年12月23日 (水)

国会議員【松井】

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 先日、属する委員会の先輩弁護士の主催で、衆議院議員を囲む会というのがありました。消費者契約法の立法の際に関わられた国会議員だということで、勉強会のような趣旨でした。
 実際に生の国会議員と3時間もみっちり少人数で席を共にするというのは初めてでした。
 そこで感じたことは、国会議員はタフでなければやはり務まらないということでした。ポスターでよく見かけていた方であり、爽やかイメージを持っていたのですが、会ってみると、泥臭い、良い意味でも人間臭い方でした。
 そして、これでないと国会議員としては活躍できないなというものでした。


 公職選挙法4条1項、2項により次のように国会議員の定数について定められています。
 衆議院議員の定数は480人(うち小選挙区選出300人・比例代表選出180人)、参議院議員の定数は242人(うち選挙区選出146人・比例代表選出96人)。
 衆議院議員は、総勢480人です。そして任期は4年(憲法45条)。法律案についても、参議院で否決されても、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再度可決したときは法律となります(憲法59条2項)。衆議院の優越です。
 この議員たちが、法律を作り、法律を改正していきます。
 予算についても、内閣が作成した予算について、衆議院の先議と優越が定められています(憲法60条)。
 平成21年10月現在、欠員なしの480名。
 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kousei.htm
 この480名で日本の大きな物事、方針が決まっていくのです。
 その重要な1名/480名 がどんな人なのか。


 民主党から4戦しており、当選2回という40代のまさに働きざかりの議員でした。民主党はいまでこそ与党ですが、野党の立場での議員も経験されていました。
 どういった日々の活動なのか。
 今回のように、情報収集と広報活動といった意味もあるのでしょうが、懇親会・勉強会に出席し、自身の日々の東京での活動の話をされると共に、集まったメンバーからの意見に耳を傾けていく。
 こうした活動を積み重ねながら、それをどう国政、国会、そして議院制内閣のもと、内閣での行政活動に活かしていくのか。
 この過程での、各所での力が議員としての能力であり、議員に求められている世の中での役割なのだということを目の前の議員のパワフルな姿を見て、実感しました。
 
 まず驚いたのは。
 やはり最初、とにかく喋る喋る。30分の持ち時間で、立て板に水で情報内容満載の話しを話し、聞き手を笑わせるようなネタも交えながら、いかに活動・活躍しているのか、戦っているのかの話を聞かせるパワーでもって話されました。
 30分でしたが、まだまだ喋れると言っていました。

 そのパワフルさにまず驚きました。
 その後、各弁護士からの話に対しても、ときおりメモをとりながら、一つ一つさばくように聞いて、言葉を交わしていきます。
 馬鹿では出来ない仕事、相当な能力がないと務まらないと思いました。
 何年か経験するまでにここまでになられたのかどうか。
 
 そして東京での活動は、各所との「戦い」です。情報戦です。舐められたら終わりという世界のようです。
 舐められないために、手綱を御するために知識と情報で圧倒せねばならない。
 四方八方、戦いの世界のようでした。
 国民、役人、同じ議員、それぞれいかに人の心を掴んでいくのか。


 3時間の勉強・懇親会が終わってしみじみと思ったこと。
 
 「志」と「能力」がないと、ただの議員の一票として党の幹部に利用されるにすぎない立場なのが国会議員なのだろうなということです。
 「志」がなかったら、ただの風見鶏として終わります。
 「能力」がなかったら、その志が実現することはありません。
  
 議員に限らず、どの仕事も同じなんだろうけど。

 自分がいったい何のために国会議員になっているのか。480人の人々全員に「志」と「能力」があるのか。
 
 それを見極めるは選挙民であり、世論を形成するこの国で暮らす人々だと思います。
 選挙のときだけではなく、選挙のあとこそ、その議員らの「志」と「能力」を見極め、働きかける必要があるのだと思います。
 このための仕組みの重要な構成要素がマスコミ。
 このマスメディアの記者の能力のチェックは誰がどうするのか。
 ネットなんだろうと思います。ネットによって発信能力と情報収集能力を身につけた能力と志ある人が新たな情報発信をしていく。
 マスコミの報道に疑義を唱えていく。
 
 今、まさに民主主義がどんどん成熟しているのだろうと思います。
 
 片山右京さんらのパーティーの遭難事故事件。
 登山家の野口健さんのブログです。
 http://blog.livedoor.jp/fuji8776/archives/2009-12.html#20091222
 
 twitterで知りました。
 報道の姿勢についても考えさせられます。これが日本の現実なんだろうと思います。残念。


 国会議員と記者こそ、本当に志と能力にある人にその仕事を担ってもらいたいです。
 裁判官と検察官、そしてもちろん、弁護士も。

(おわり)
 
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2009年12月 8日 (火)

近頃の家庭裁判所〜遺産分割調停に期待されるもの〜【松井】

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1 
 家庭裁判所での遺産分割調停事件、審判事件で数多く代理人をさせていただいています。
 やはり大阪家庭裁判所でのということが多いのですが、ここ最近、たまたまかもしれませんが、違和感を感じることが続けてありました。

 調停委員や裁判所の立ち位置です。

 何に違和感を感じるのかというと、「これは調停ですよ!」とこちらが強く言いたくなるような場面によく出くわすようになったということです。

 すなわち、どういうことかとういと、裁判所は、「それは本来訴訟事項なので調停でその話を持ち出すな」という態度を今迄以上に強く押し出してきているような気がするということです。
 訴訟事項と調停事項の違いくらい、代理人弁護士が就いており、当事者も弁護士もわかっています。
 しかし、当事者としては、できることなら訴訟は避けたい、この調停で解決したいという動機があるのです。
 だから、調停の場に、本来訴訟事項であることもいったん話し合いのテーブルに載せて、相手との協議、交渉を試みたいのです。相手も、訴訟は嫌なはずです。
 そこで、協議を重ね、もみほぐすうちに双方、互いに妥協して、合意に達して全面解決ということがあり得るのです。
 訴訟事項であっても、当事者の合意があれば調停、審判事項となりえました。
 私の知る限り、これまで、審判であっても、審判であればなおさら、裁判官はまずは合意を取り付ける方向で動いていたように思います。
 調停においても、調停委員もそれは訴訟事項と分かっていながら、なんとか全面解決するのが望ましいということから意欲を見せるのが普通でした。

2 
 ところが、最近、たて続けに感じた違和感。
 裁判所の方針が変わってきたように思います。

 先日、遺産分割の調停申立てをしたところ、当然、主たる遺産の中身として、預貯金口座がありますが、これに対し、わざわざ「裁判官からの伝達事項です。」ということで書記官から弁護士にと電話がありました。
 預貯金は、法律上は厳密には、相続時点で分割債権として原則、分割されているというのが判例です。なので、遺産分割の対象とはなり得ないというのが理屈となります。

 第1回の調停期日前にわざわざ電話をしてきた書記官曰く。
 

「最近の方針として、裁判所では、無理に合意を取り付けることはしていません。かえって一方当事者の不利益になることがありますので。そのことはご了解ください。」

 ということでした。
 紛争解決機関の一つたる、家庭裁判所の役割放棄だと思います。預貯金を遺産分割の対象から外すのがデフォルトとなったら当事者の紛争解決ってどうなんねん!?という思いです。預貯金が一番、柔軟性のきく財産であるため、そこで調整されるのがほとんどだからです。

 訴訟事項は訴訟でやってくれというのが、実は、家庭裁判所では一番楽な仕事です。
 審判事項に問題を絞り、問題を簡単にしていって、簡単な問題だけを解決していけばいいだけだからです。
 
 以前は、困難な問題だけど、なんとか当事者の利益のために、全面解決のために、問題に取り組み、なんとか試みましょうという意気込みがあったように思います。
 
 しかし、裁判所からわざわざこんな第1回期日前から、逃げ口上のような電話を受けました。
 驚きました。

 こんな電話を、しかも居丈高な口調でかけてくる書記官さんも何も疑問に思わないのかと全く不思議に思いました。
 また、つい先日から感じていたことですが、調停委員も、「問題をなんとか解決しよう!」という意気込みもなく、上記のような裁判所の考えを調停室で面と向って口にするのです。
 「遺産の範囲の問題は訴訟条項ですから。」
 弁護士なら、当事者にとって、確かに争っているけど、じゃあ遺産の範囲確認訴訟を提起するのかというと、それほどの資産価値、費用対効果のない資産価値たることは明らかな財産に対して。
 それを分かって、分かっているからこそ、また話し合いの場たる「調停」だからこそ、「調停」の申立てを行い、なんとか話し合いで双方妥協しあって解決出来ないかと試みているのです。

 それを調停委員が、当初から問題をもみほぐす気のないこと、「裁判官がそう言っていますから。」というのを口にしていくるというのはこれはもう調停委員の役割放棄ではないかと思います。
 やる気がないなら、ここで紛争を解決してやるという熱意がないなら、調停委員から身を引くべきだと思います。


 そんな調停委員にあたって何だかなあと思っていたところで、今回の書記官さんからの直接の電話。裁判官からのお言葉の伝達です。
 家庭裁判所。

 そんなこと言っているなら、もう「仕分け」されてなくなったらいいのにとすら思います。
 以前もブログに書いたように、相続事件は、調停条項/訴訟条項の区分けのために、当事者が家庭裁判所と地方裁判所を行ったり来たりしなくてはならないことが結構あります。
 私は、離婚事件のように、家庭裁判所で一元化すればいいのにと思っていたのですが、当の家庭裁判所がこの状況というのがどうやら最近の現実のようです。
 だったら、相続に関する事柄は地方裁判所で審理できるようにして、家庭裁判所の人員を減らしちゃえ!と実は怒り心頭の気持ちです。
 
 いらないよ、仕事する気のない、紛争解決機関としての役割を果たそうとしない裁判所に裁判官、書記官さんに調停委員なんて。
 自分たちがこの社会で果たすべき役割、期待されている役割というものを第三者的に考えたことはないのであろうかと不思議で仕方ありません。
 全く驚きの書記官さんからの電話でした。
 私が知る限り、以前は、どの審判官裁判官、調停委員も皆、もっと「終局的な紛争解決」ということに意欲的だったのですが。
 ここで終わらせてみせる、という意気込みがあったのですが。
 まったくもって残念です。
 
 そうです。怒ってます。ブログを書くぞという原動力は怒りが大きいですかね(笑)。
 新聞記者の友人が、日常生活で怒り心頭なことがあると、「書いてやる!」と心の中で思っていたというのと同じかも。実際には、新聞にはそんな個人的な怒りは書かないんだろうけど。
 「怒り」って、問題意識からくるんでしょうかね。これでいいのか?という。

 家庭裁判所は、こんなのでいいのかな。自分で役割を放棄していっているようにしか私には見えない。以前の違う、意欲的な、格好いい姿を見ているから余計にそう感じるのかも。私の知っている裁判官審判官や調停委員は、皆、熱心に問題に取り組み、粘り強く調停や審判においても、合意の形を模索し続けていました。
 問題を地方裁判所に放り投げることなら、はっきり言って誰でもできます。ちょっと相続回りの法律と裁判例を勉強したら出来ます。それを大上段に振りかざそうとするような態度は、以前なら、「あら、この人は問題の本質が分かってないよ。」と調停室ではちょっと蔑みの対象だったはずなのですが。どうも最近は違ってきているようです。そう。私も、書記官さんからの電話を聞きながら、この人はいったい。。。と大きな疑問にとらわれました。

 がんばれ、家庭裁判所。

(おわり)
*ピカチューも応援してるよww
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2009年12月 7日 (月)

身の回りの嬉しい話し【松井】

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 ブログの更新を怠っていますが、この間、法律の業界でも、自分の身の回りでも、いろいろなことが起こっています。
 今回は、雑記的な身の回りの事柄について(いつもか。)。


 ここ1、2週間ほどで嬉しいことがいくつも起こっています。
 先日は、四国の地方新聞社で働く記者の友人から嬉しい電話がありました。
 応募していたフルブライト奨学生のジャーナリストプログラムに見事合格したというのです。
 フルブライト奨学金 http://www.fulbright.jp/grant/p-jour.html
 彼女は、大学の時以来の友人なので、18歳からかれこれもう20年以上のつき合いになります。
 関西大学法学部を卒業後、国際法を専攻して京都大学大学院に進学し、その後、ジャーナリストの道に入りました。
 最初は、今は亡き、元読売新聞大阪本社社会部の部長で、黒田軍団と周囲に言わしめた黒田清さん主催の「黒田ジャーナル」で働き始めました。
 そこには、今は、独立して活躍されているジャーナリストの大谷昭宏さんも黒田さんの部下としていて、二大巨頭の下で「記者」としての取材力と表現力に磨きをかけました。 その後は、場所を移して、九州方面で著名な新聞社、西日本新聞で取材記者として活躍します。
 そして、もともとの出身地であった四国に戻り、四国の地方新聞社で取材、報道をしています。
 東京ではなく、地方で何を発信できるか、何を発信すべきなのか。取材記者としていろいろと悩み模索があったようです。
 そこで40歳を前にして再度、トライしたのがジャーナリストプログラムだったようです。
 四国の新聞社からは初めての選出ということで、アメリカで研究した成果を四国に戻って、四国に対し、どのようにその得たものを発表し、還元するのか。楽しみです。
 彼女の挑戦をおそれない勇気とその彼女を応援する新聞社。広告費の削減等のために経営基盤が危うくなっていると言われる新聞社が多い中、収縮していくだけでなく、敢えて打って出る姿勢。
 四国徳島では、「葉っぱビジネス」が脚光を浴びました。発想を変えてみる、視点を変えてみる。そこから、地方からも大きなうねりが発生する。
 日本では四国の時代がやってくるかもしれません。


 もう一つ、嬉しかったこと。
 知り合いの神戸三宮の路上を主な舞台とする、ミュージシャン、信政誠さんが新たなCDを全国発売したということです。
 http://www.eonet.ne.jp/~nobumako/top1.htm

 最初、YouTUBEでその歌声を聞いて、これは本物だと思いました。単に歌が上手い、声がいいという人は周りでもいくらでもいますが、ミュージシャン、歌手として成功するには、その人ならではの魅力的な歌声というものが必須だと思います。
 その必須の要素を感じました。
 aikoや、矢井田瞳、平井堅、yuiなど、皆さん、その人にしかない魅力的な歌声の持ち主です。
 信政誠さんにもそれを感じました。
 だからずっと応援していたのですが、11月25日、ようやく全国CDデビューを果たしました。
 良いものは人に紹介したい、知って欲しい、喜びの感情を共有したい。
 そんな思いで、もっと多くの人に彼の歌声を耳にして欲しいと思います。
 Nobumako Standard
 
* thanks のところに名前をクレジットしてもらっています。ありがとう!


 最後に。最近嬉しかったこと。
 これも、その動向を見守り(笑)、ぜひまたお店を始めて欲しいと願っていた知人の方が、以前お世話になっていたというオーナーに声をかけてもらって、新たにオープンした店の責任者として頑張っているということです。
 一時は自営業的な仕事はもうやめて、毎月、定額の給料がもらえるような安定した仕事に就きたいといったことも口にされていた方ですが、やはり接客業が好き、自分が任されたお店でお客さんを楽しませていきたいという思いがあったようです。
 そして、声をかけてもらって、オープン準備から参加し、今回、無事に新規店舗オープンの運びとなったようです。
 「あそこに店を出すんですよ。」と言っていたとき、そのあそこをのぞいてもまだテーブル一つなく、本当にあそこに店がオープンできるのだろうかとだんだん心配にもなっていました。
 それがこの12月1日、無事に新規オープン。嬉しい限りです。


 フルブライト奨学金を得てアメリカに旅立つ友人も、全国デビューということで本当に、ようやく大海原にこぎ出していく信政誠さんも、そして心機一転、喜びに満ちて店舗オープンさせた知人も、みんな、頑張って成功して欲しいと思います。
 それぞれに何らかの形で関われて、お役に立てたことは、非常に光栄です。
 

 twitterを始めて、東京や名古屋、地方の弁護士さんや、あるいは家庭裁判所で調停委員をされている方などとやりとりをさせていただいています。
 その中で、調停委員をされている方がこのような趣旨のことを仰っていました。
 
 

幸せになりたくて家裁のドアを叩く方が、幸せを掴むお手伝いをするのが家庭裁判所の調停委員なんだ
、と。

 人として、やはり、人が幸せになる手伝いが出来るというのは、それがまた人としての自分の幸せなんだと思います。
 
 仕事も、弁護士業も同じです。
 一人では、自分だけではどうにもならない問題を抱え、何か前進があればとの思いで法律事務所のドアを叩く方々に対し、力添えをして、共に問題に取り組み、最後は晴れ晴れとした顔で別れるのが喜びです。
 ただ、長いおつき合いになることも多いその過程で、私自身の人間としての弁護士としての未熟さなどから、不満、不信をもたれることもあるかもしれません。
 時には、依頼者を見る目がなかったということで本当は弁護士としては非常に恥ずかしいことではあるのですが、やむを得ずに当職の方から辞任させていただくこともありました。
 ただ、相談を受け、依頼を受け、受任させていただくときの気持ちはいつも同じです。 何とか問題を解決して、最後、笑顔で帰ってもらえるようにお役に立ちたい、一緒に問題に取り組み、何が何でも解決する。
  
 私もまた、友人達のように、おそれずに前に一歩進んで行きたいと思います。

(おわり)

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