国会議員【松井】
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先日、属する委員会の先輩弁護士の主催で、衆議院議員を囲む会というのがありました。消費者契約法の立法の際に関わられた国会議員だということで、勉強会のような趣旨でした。
実際に生の国会議員と3時間もみっちり少人数で席を共にするというのは初めてでした。
そこで感じたことは、国会議員はタフでなければやはり務まらないということでした。ポスターでよく見かけていた方であり、爽やかイメージを持っていたのですが、会ってみると、泥臭い、良い意味でも人間臭い方でした。
そして、これでないと国会議員としては活躍できないなというものでした。
2
公職選挙法4条1項、2項により次のように国会議員の定数について定められています。
衆議院議員の定数は480人(うち小選挙区選出300人・比例代表選出180人)、参議院議員の定数は242人(うち選挙区選出146人・比例代表選出96人)。
衆議院議員は、総勢480人です。そして任期は4年(憲法45条)。法律案についても、参議院で否決されても、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再度可決したときは法律となります(憲法59条2項)。衆議院の優越です。
この議員たちが、法律を作り、法律を改正していきます。
予算についても、内閣が作成した予算について、衆議院の先議と優越が定められています(憲法60条)。
平成21年10月現在、欠員なしの480名。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kousei.htm
この480名で日本の大きな物事、方針が決まっていくのです。
その重要な1名/480名 がどんな人なのか。
3
民主党から4戦しており、当選2回という40代のまさに働きざかりの議員でした。民主党はいまでこそ与党ですが、野党の立場での議員も経験されていました。
どういった日々の活動なのか。
今回のように、情報収集と広報活動といった意味もあるのでしょうが、懇親会・勉強会に出席し、自身の日々の東京での活動の話をされると共に、集まったメンバーからの意見に耳を傾けていく。
こうした活動を積み重ねながら、それをどう国政、国会、そして議院制内閣のもと、内閣での行政活動に活かしていくのか。
この過程での、各所での力が議員としての能力であり、議員に求められている世の中での役割なのだということを目の前の議員のパワフルな姿を見て、実感しました。
まず驚いたのは。
やはり最初、とにかく喋る喋る。30分の持ち時間で、立て板に水で情報内容満載の話しを話し、聞き手を笑わせるようなネタも交えながら、いかに活動・活躍しているのか、戦っているのかの話を聞かせるパワーでもって話されました。
30分でしたが、まだまだ喋れると言っていました。
そのパワフルさにまず驚きました。
その後、各弁護士からの話に対しても、ときおりメモをとりながら、一つ一つさばくように聞いて、言葉を交わしていきます。
馬鹿では出来ない仕事、相当な能力がないと務まらないと思いました。
何年か経験するまでにここまでになられたのかどうか。
そして東京での活動は、各所との「戦い」です。情報戦です。舐められたら終わりという世界のようです。
舐められないために、手綱を御するために知識と情報で圧倒せねばならない。
四方八方、戦いの世界のようでした。
国民、役人、同じ議員、それぞれいかに人の心を掴んでいくのか。
4
3時間の勉強・懇親会が終わってしみじみと思ったこと。
「志」と「能力」がないと、ただの議員の一票として党の幹部に利用されるにすぎない立場なのが国会議員なのだろうなということです。
「志」がなかったら、ただの風見鶏として終わります。
「能力」がなかったら、その志が実現することはありません。
議員に限らず、どの仕事も同じなんだろうけど。
自分がいったい何のために国会議員になっているのか。480人の人々全員に「志」と「能力」があるのか。
それを見極めるは選挙民であり、世論を形成するこの国で暮らす人々だと思います。
選挙のときだけではなく、選挙のあとこそ、その議員らの「志」と「能力」を見極め、働きかける必要があるのだと思います。
このための仕組みの重要な構成要素がマスコミ。
このマスメディアの記者の能力のチェックは誰がどうするのか。
ネットなんだろうと思います。ネットによって発信能力と情報収集能力を身につけた能力と志ある人が新たな情報発信をしていく。
マスコミの報道に疑義を唱えていく。
今、まさに民主主義がどんどん成熟しているのだろうと思います。
片山右京さんらのパーティーの遭難事故事件。
登山家の野口健さんのブログです。
http://blog.livedoor.jp/fuji8776/archives/2009-12.html#20091222
twitterで知りました。
報道の姿勢についても考えさせられます。これが日本の現実なんだろうと思います。残念。
5
国会議員と記者こそ、本当に志と能力にある人にその仕事を担ってもらいたいです。
裁判官と検察官、そしてもちろん、弁護士も。
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