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2009年11月 9日 (月)

立ち読み考〜物色という行為と店の心配り〜【松井】

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1 
 近所の大阪証券取引所ビルには、そのビルが出来たときから地下にセブンイレブンが入っていました。
 そこには当然、週刊誌の棚があり、出先から事務所に戻る際など、時折、飲み物やお菓子を買い、そのついでに週刊誌をぱらぱらと立ち読みして、面白そうな特集のときはよく買っていました。
 しかし、いつのころからか、そこの棚においてある週刊誌などがすべてヒモで縛られて立ち読みできないようにされてしまいました。
 以後、そのセブンイレブンで週刊誌を買うことは全くなくなりました。


 その後、どうしたかというと、たまたま近くの地下道のところに京阪関連の小さな店舗が出来て、そこに週刊誌の棚もおかれ、そこではまったくヒモなどでは縛られていない対応になっていました。
 以来、その店舗の方で、たまに棚にある週刊誌をパラパラと立ち読みをし、面白そうな特集のときは買い込んでいました。また、ちょっとした飲み物などもそっちの店で買うようになっていました。

 が、しかし。先日、いつものようにパラパラと立ち読みをし、つまり「物色」をしていたところ、私は顔に覚えのあるその店の店員のおばちゃんが、「立ち読みはお断りしていますので」と声をかけてきました。
 びっくりして、一応、「すみません」といって手にしていた雑誌を閉じて、棚に戻し、その場を去りました。

 非常にがっかりしました。
 もう二度とあの店では雑誌も飲み物も買わない、という思いにかられました。


 近所のセブンイレブンの雑誌のひも縛りは、雑誌を買う人の行動パターンが分かっていない、ばかな売り方だなといつも思っていました。で、一方の地下道の店舗は、まだ賢いなと関心していました。
 しかし、地下道のお店も同じでした。
 本当に、がっかりしました。
 
 本好き、雑誌好きの人の行動パターンをまったく理解していない。
 立ち読みは、「ただ読み」、「読み逃げ」ではなくて、「物色」行為なのです。
 つまり、面白そうな雑誌を物色し、面白そうと思えば、その雑誌を買って行くのです。
 もちろん、ただ読みの人もいるとは思います。ただ、それを防ぐために、「物色」行為をする潜在的なお客さんを締め出すというのはまったくバカな売り方だと思います。


 12年ほど前、初めてアメリカに行き、オハイオ州の田舎の友人宅に1週間ほど滞在しました。その時、アメリカ国内では大手有名巨大書店であった「バーンズ&ノーブル」という書店に連れていってもらった際、非常に感動したことを覚えています。
 なんと、広い店内のあちこちに、手にした本をゆっくりと座って読み、物色できるように、座り心地のよいイスが置いてあったのです。
 手にした本をゆっくりと眺め、読んでいってくださいという心配りを感じました。そうです、心配りです。お客さんに対する信頼、善意を感じました。もちろん私も、いろいろな本を物色したうえで、相当、買い込んでいきました。
 日本も、その後、今でこそ、ジュンク堂などではイスが店内のあちこちに置かれています。
 
 その一方で、雑誌をひも縛りしてしまうコンビニや、「立ち読みはお断りしています」と店員が声をかけてくる小さな地下道の店員、店舗が存在するのです。
 場所柄、北浜界隈でもあるので、会社勤めの人が多く、それほど雑誌を手荒に扱うような不作法な人が多いところとも思えません。

 本当に朝から、がっかりする出来事でした。


 その延長で考えるに。
 弁護士も「物色」される時代なのではないかとふと思ったことです。
 医者もセカンド・オピニオンが普通に求められる時代です。
 弁護士も、知りあいの人に紹介されたからといって、相談に行き、今一つしっくりとこない、信用しきれない、合わないと思うようであれば、他の違う弁護士を探して当然なのではないかと思います。
 探すのに時間を要しますが、一度手にしたらその雑誌を絶対に買わないといけないわけではない、パラパラと見て、面白くなさそうなら買わない。
 その「手にしてパラパラと見る」という行為が、弁護士への時間制の相談ではないでしょうか。
 それが出来て当然。そうあるべきだと思います。
 ヒモで縛ってしまってはいけない、「立ち読みお断りです」と言ってはいけない。
 人に向ける言葉はすべて自分に返ってきます。

(おわり)

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