パワハラ【松井】
*大橋。法律事務所経営者としての苦悩の表情。嘘。単に肉が焼けるのが遅かったこの日。大橋は、労働者側の弁護活動をガッツリとしています。
私は、経営者側にシンパシーが。。。それはやはり育った環境が大きいかとつくづく思う、このごろ。
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パワハラ、パワーハラスメントという言葉をよく目にする、耳にするようになりました。
ここは、大橋の得意分野かもしれませんが、ふと考えたのでメモがてら書いて載せておきます。
2
ときどきこのブログでも書いているように、実家は、両親共働きのハンコ屋さんでした。
おじいちゃんの代から始めた店で、父は二代目でした。
四日市駅前のアケード通りの商店街の中、店舗兼住居で店をしていました。1階が店舗兼作業所、2階が住居です。
しかし、よくある言い回しで、「一代目が築き、二代目が広げ」とあるように、父の代で、昭和50年代、あちこちの郊外で出来たジャスコなどのショッピングセンター内に店を出しました。
なので、自宅は、「本店」と呼ばれ、あとは「カヨー店」「生桑店」「サンリバー店」などと呼ばれ、両親だけでなく、何人かのパートさんや正社員の方を雇って経営していました。
で、見るともなく、聞くともなく、両親、特に実際に経営をしきっていたのは母の方なので、母の経営上の愚痴のようなものを見て、聞いて育ってしまいました。
「本店」と呼ばれる店にも、従業員の方が当時は、3、4人働いていて、ほとんどが女性でした。
そのような中、あるとき、新しい人を雇っても、数か月もせずに辞めていく、おかしい、おかしいと母がぶつぶつ言っていたことがありました。
で、調べて行くと、昔からいた一人の従業員の人と新しい人が「合わず」に辞めいっていたようだということが分かったようです。
要は、新人イビリ、イジメ、嫌がらせ行為があったようで、新しく働き出した人も見切りをつけて辞めていっていたようでした。「本店」といっても、店舗兼住宅の1階で、店舗と作業場だけなので、狭い空間です。そんなところで、嫌がらせを受けたら、逃げ場がなくって耐えられなかったと思います。
これではなかなか次の人材の補充ができません。従来からいる人も貴重な戦力ではあっったのでしょうが、その人一人のために、店そのものの作業の効率が落ちるということは許容できることではありませんでした。
なんとかしないといけない。
で、母がとった行動というのは。
その問題と思われる古株の人と直で話をして、事実関係を確認し、最後通牒を突きつけるというものでした。
貴方が変わってもらわないと困る、変わらないのなら辞めて欲しい。
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解雇するにはそれなりに理由がいるし、イヤだといっているのに退職を強要することは違法だけど、でも、町のせいぜい10人以下の会社って、切羽詰まっています。
その後、どうなったのかまでは私も記憶がないけど、経営者もいろいろと決断を迫られ大変だという記憶が残っています。
パワハラといわれるものも、経営者の力量が試されている一つの機会に過ぎないと思います。
その経営者がパワハラだと指弾されると、もうやりきれない思いがするけど。
ただ、今時、注意して改善を求めたら、パワハラだと言われたりしかねないかと。
そういうこと問題にエネルギーを吸い取られないようにするためには、やはり最良の人材を採用することに全力を注ぐことだと思います。
10人、100人規模の会社になるとそうは言ってられないとも思いますが、そうであるなら、ハラスメントを許さない、無駄なエネルギーを使わなくてすむ職場の雰囲気作りということに力を注ぐしかないかと思います。
どこで経営者としてのエネルギーを使うか。
そういう点、実家の母は、零細商店のおばちゃんであり、そんなこと考えることもなく、単刀直入に行動できてまだ幸せだったのかなと思います。
そんな実家の店舗でも、やる気がない、店を任せられないと辞めてもらったパートの人が労働基準監督局に駆け込んであたふたとしたりしたこともあるようです。
零細企業では、人材って本当に死活問題です。
売上にもろに反映するので。
やる気のない人を店頭で接客あたらせるだけで、店舗の売上げが上がらないだけでなく、むしろ悪評がたって損害を及ぼしたりします。
ほかにまわす場所がなかったら、もう仕方ない、即刻辞めて欲しいというのが本音であって当然だと思います。
金融機関でも、銀行、信金など、規模や種類に応じた監督基準があるように、使用者側に対する規制も大企業用、中小企業用、個人企業用の区分があるべきなのではないだろうかと考えたり。大橋に言ったら怒られそうですが。
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要するに、考えたことは、「パワハラ」の問題って、中小零細企業では死活問題と捉えた方がいいんだろうなということです。経営者の責任です。
ただ、経営者が自ら本当に、パワハラとして、理不尽な扱いをするようだったら・・・?
そんな職場で、経営者個人に変革を求めるなんて無駄でしょう。
それこそさっさと転職するのが現実的かつ最も前向きな問題状況解決策だと思います。法的に許されるかどうかなんて議論はおいておいて。
うーん。
いまいち、まとまりにかけるメモだけど、これはこれとして。備忘録的に。ぼんやりといろいろと考えたこととして。
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