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2009年7月

2009年7月29日 (水)

民事再生手続の現状と課題【松井】

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 ひさびさのブログです。やはりtwitterを始めてしまうと、そっちで気づきなどをそのまま吐露して、溜めが減るような気がします。
 この間、「遺言と遺留分」について一度、自分でもまとめておきたいなあということを考えつつも、今日は、近畿弁護士連合会の夏期研修として「民事再生手続の現状と課題〜大阪地方裁判所における実務運用を踏まえて〜」というお題で、今の大阪地方裁判所の破産部、民事6部の部総括判事小久保孝雄さんが講師の研修を受講したので、学んだことをメモっておこうと思います。
 ちなみにこの小久保裁判官は、最高裁判所司法研修所の元民事裁判教官をされていました。ということで、基本、教え好き、話し好き、研究熱心という推定が働きます。以前は、大阪地裁では第10民事部、建築専門部にいらっしゃいました。


 時間は2時間だったのですが、みっちりと中身の濃い研修でした。立って話し始められたのですが「私は喋って話が出来ないのです。教官時代も、修習生の座席の間をうろうろ歩いて話していたくらいなので。」と言って、結局2時間、立ちっぱなしで講師を務められました。
  
 民事再生手続きの現状ですが、大阪では昨年度は90件の申立てだったようです。ちなみに、東京は322件。そういった統計資料も豊富につけてくれています。

 以下、気になったことを自分用にメモしておきます。
 いずれにしても、破産申立もそうですが、民事再生も、債権者がいるなかでの力仕事、まさに申立代理人弁護士の力量が問われるものになると思います。
 
 □ 1条をよく依頼者に理解してもらうこと。
 □ 申立て段階から、出来るなら公認会計士と協同すること。
 □ 監督委員は、法の趣旨としては消極的なものかもしれないが、実務では、事案によっては監督委員の積極的な姿勢が求められる、再生手続きの成功をもたらすことになることも多々ある。
 □ 再生債務者の第三者性の議論については、まだ最高裁判決は出ていない。
 □ 事案によっては、監督委員が、事業譲渡、入札に立ち会うことが効果的なこともある。
 □ とにかく、再生債務者代理人、もっとガンバレ。
 □ 申立て段階では、手続きとして、6か月先まで資金繰りを詰めておくこと。
 □ 法85条後段は、明文上、「少額」というのがやはり大前提だろう。
 □ ファイナンス・リースについては、最判三小平20.12.16判決。しかも、肝は、田原睦夫裁判官の補足意見の2以下のところ。「しかし」以下のところだろう。
 □ 担保権消滅請求はあまり使われていない。数件。
 □ 事業譲渡の場合は。
   透明性に注意。
   スポンサーについては、必要性、選定手続き、適格性、契約内容の相当性。
 □ 計画案提出の伸長については、具体的な説明を。別除権協定に時間を要するなど。
 □ 64条、管理型の運用状況。
   東京地裁はほとんどないが、大阪地裁は必要と判断するなら躊躇なく発令する。
   100件中6件くらいの割合。
   抜かない伝家の宝刀は、伝家の宝刀ではない。
 □ 決議は、集会型が9割。続行期日の指定が可能であり、柔軟性あり。
 □ 書記官とコミュニケーションを。書記官から申立代理人弁護士に対する不満。
   勉強不足。指摘に不対応。


 裁判官が講師の研修は、結局は、裁判所として弁護士に苦言を呈するということになります。
 それはそれで、ああ、裁判所はそのように見ているのかということが分かり、非常に勉強になります。弁護士が皆、裁判官を「お上」的に崇め奉っているわけではなく、「司法制度」という一つの制度の役割を担う各当事者からのそれぞれの視点を知るといった感じではないかと思います。
 協議会というのが行われたりして、弁護士の方から、裁判所に対し、運営をもっとこのようにして欲しい、こうするべきだといった苦言が呈されることもあります。
 
 弁護士、検察庁、裁判所と三者三様ながらも、一つの司法制度というものに携わる者として、それぞれがよりよい仕事をしよう、したいと、協同し、そうであっても馴れ合いにならずに適度な緊張感をもって、刺激し合っているというイメージで理解しています。
 裁判所側から弁護士がどう見えているのか。勉強になります。

 とはいえ、たぶんきっと、「バカっ」、「あほっ」と見えているのだと思うし、弁護士も裁判所を「バカっ」、「あほっ」と見ていることもあります。

 適度な緊張感、といったところでしょうか。

(おわり)
 
*坂東英二さん、69歳。天神橋筋商店街、120歳。
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2009年7月17日 (金)

住宅瑕疵担保履行法【松井】

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 住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)によって、「資力確保措置の義務づけ」に関する規定がこの平成21年10月1日から施行されます。
 分かりやすいパンフレットなど
  ↓
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/2-pamphlet.htm


 住宅を建てた、買った、住み始めた、雨漏りが止まらない、地盤が緩くて処置がされておらず家が傾いたなどなど、3000万円以上のお金を長期ローンを組んで借り、一生に一度の買い物の家が実はキズものだった、瑕疵があったという問題が実は珍しくはありません。
 買う側の人は、こんなに高い買い物をするのであり、業者も親切にいろいろとすすめてくれる、手抜き工事といった悪いことをすることはないだろう、大手有名業者だしとか、ものごとをいいように、いいように考え、疑うことなく高っかい買い物をします。しかも建売りであっても、たった2、3回しか現物を見えるところだけ確認してという買い方を意外としたりします。
 建築士の方の言葉で印象深いのは、次のような言葉です。「みな、車や靴を買うとき、何度も迷い、調べ、試したりして、確認してから買うのに、何千万の買い物になったとたんになぜ、同じような買い方をしないんだろうか。」。

 買って住み始めたはいいが、キズものだったとき、売主はそれ相応の責任を取らされるのが法律です。でも、それもこれも売主に力あってこそのものです。
 責任を問おうと思ったら、売主の会社がなくなっていた、倒産していたということも、実は、建築業界、珍しくはありません。
 会社を潰して、新たな会社を起こして、同じ仕事をしていたりすることもないわけではなく。
 売主の会社が倒産していたら、そこはもう自分でなんとかするしかありません。
 破産制度って結局は、債権者に泣いてもらう制度ですから仕方ありません。

 こういう問題は以前からよく指摘されていました。
 めちゃくちゃな家を建てて、売りまくって、売り逃げするというパターンです。


 そこで立法の必要性が叫ばれ、出来たのがこの住宅瑕疵担保履行法です。
 業者が、瑕疵担保責任を果たせるよう、保険に加入したり、保証金の供託をさせておくものです。宅地建物主任業者の場合などは、既に同じような制度がありました。
 倒産し得を許さない制度です。
 
 この制度は、業者にとっては金銭面での負担が大きいものだとは思いますが、業界全体の信用を逆にアップさせる制度ともなるのではないかと思います。
 ついていける業者と、ついていけずに落ちこぼれる業者が出てくるかとは思いますが。
 どの業界も、淘汰の時代です。
 
 消費者の立場からしたら、これから家を買おうとする人は要チェックです。
 すでに家を買ってしまった、その家に問題があったという人は、適用場面に注意が必要です。
 パンフレットにあります。
 「施行日と引渡し時期に注意しましょう。」と。
 法律は、基本、遡って適用されることはないので、泣かないといけない人はいるかと思います。
(おわり)


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2009年7月 7日 (火)

消費者支援機構関西 【松井】

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 適格消費者団体というものがあります。
 消費者保護法で定められた団体です。
 団体として、業者に対し、差止請求することが認められています。
 この法律の条項がなければ、通常、被告を定めて訴え提起が認められるのは、当事者のみです。

 当事者って?
 当事者じゃないと「訴えの利益」がないとして、請求が認められないという以前の訴えが認められないとして、棄却じゃなくって、却下されてしまいます。

 なぜか?
 判決が出て確定すると、既判力というものが生じて、その紛争はもうそれで争えなくなります。だから、その紛争はなあなあのやらせではできません。一生懸命、その紛争を戦う可能性があるのは、第三者じゃなくって、その紛争の「当事者」です。
 だから、訴え提起は、当事者じゃないと認めてもらえないというのが民事訴訟法です。
 
 あの人が被害に遭っている、可哀想だ、あの人自身は当事者として訴え提起するほどの気力もない、じゃあ、私が代わりにあの人の代わりに原告となって訴えてやろう、といったことは出来ないということです。


 しかし、消費者保護法では例外が認められました。
 なぜか?まさに、消費者となる個人の人は、悪徳業者からの被害を受けていても自ら当事者、原告となってまで争うということが少ないという立法事実が考慮されました。
 でもじゃあ、誰が消費者個人に代わるのか?
 それが、「適格消費者団体」です。
 悪用されることがないよう、内閣府からの認定となっています。また認定後もいろいろと規制を受けます。
 そんな適格消費者団体の一つが、大阪にある、消費者支援機構関西、愛称? KC’Sです。


 KC’S、司法書士さんや、相談員の方々、弁護士などに活動をささえられ、がんばって活躍しているようです。
 http://www.kc-s.or.jp/report/report1/2009/0706.html

 動きがあると、こうしてHPで公表されています。
 
 正義づらして一方的にやりこめるようなのは好きではありませんが、適度な問題提起といったところでしょうか。
 こういった疑問を呈されることによって企業はどのように応えるのか。
 まさに企業の誠実性が問われるいい機会なんだと思います。

(おわり)

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