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2009年5月19日 (火)

契約の相手方【松井】

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 契約書のチェックをしました。
 まだ契約締結交渉段階で、契約するかどうかも未定の契約について、相手方が既に用意して、他の契約で使っている契約書を見せてくれと言いました。用意されているものを見せてもらいました。
 自分の弁護士としての業務上のことではなく、まったくプライベートに関する事柄に関してのものでしたが。


 ゲっ!
 という条項がいっぱい見つかりました。
 他の契約当事者の方々は、この契約書でそのまんまハンコを押しているのだろうと思うと、やっぱり業者対消費者ってなんだかなあと思います。
 業者の権利保証や損害賠償の予約についてはしっかり書いてあるのに対し、消費者側のそれは何も記載されておらず、むしろ権利としてあるものが制限されているのではないかと読める文言もあります。
 たとえば、業者が「契約上の地位」を譲渡するときは、原則、承諾するとか。
 えっ!?という感じです。契約の相手方を選べられへんやん!この会社だからと信頼して契約したのだとしても。なんじゃ、こりゃ?!という感じです。
 
 それなりの規模の会社なので、一応、顧問弁護士さんがいて、契約書のチェックをしているのだろうとは思いますが、顧問弁護士がいる会社であっても、こまめに契約書のチェックまではしてもらっていない会社もあります。また、下手したら、名前だけの「法務部」が法的にはまったく意味不明の文言で契約書を作っていたりします。


 プライベートな事柄で、お仕事モードで弁護士スイッチがオンになるのはなんだか気が引けるけど、住まいに関する事柄であり、金額も大きいので、見過ごすわけにはいきません。
 全部突っ込みを入れて、文言の変更等に応じないようだったら、その時点で私はその会社との契約については反対せざるをえません。
 会社の営業も、何事もよくを出しすぎると、80%の得られたものも0%となり失います。
 このへんの事柄が分かっている事業者かどうか。
 そもそもこっちは何もこの新しい契約を締結しなくっても特に大損するわけでもなく、困りもしないという立場であるということを考慮してもらわないと、いい加減バカにしないでよね、消費者を、という気分になります。


 大きな取引、金額や影響が大きなこと、さらには事業上の事柄についてはなおさら、ちょっとしたことでもこまめに弁護士に相談できるなら相談するようにされた方がいいかと思います。
 用意された契約書を弁護士に見てもらって、リスクを教えてもらう、ということです。
 それが「顧問弁護士」契約。
 あ、宣伝っぽくてなんだかイヤらしいですね。

 でも、本当にそう思います。
 なんでこんな契約書を作成したの?という契約書をもってこられて、トラブルが起こってから相談されると後の祭りに近いこともあります。

 民法の基本姿勢は、契約上の当事者は対等、という大前提があります。それが空想であっても。私人と私人は対等。そんななか、ずる賢い私人のカモにならないよう気をつけてください。
 こういう、相手の無知などに乗じるやり方が好きじゃないので、消費者保護委員会に入っています。
 欲をかいてだませられる方が悪い、とは言い切れないという思いがあるので。

(おわり)
*選ぶ方にも責任がもちろんありますけどね。目の前のものに対し、どれを選ぶのか、選ばないのか。 
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