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2009年4月 9日 (木)

判断ミス 【松井】

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 今年のある医学部の卒業式、演台に立った方が卒業生となる若い医師の方々に仰ったそうです。
 「大事なのは、逃げないこと。」
 医療ミスをしたかもしれないというとき、患者やその家族から、逃げないこと、これが一番大事だという話をされたそうです。逃げるから、なんでもなかったことでも医療過誤訴訟にまで発展したりしてしまう。


 弁護士も、同じだと思います。
 なぜあんな判断をしてしまったんだろう、なぜ間違ったことを言ってしまったんだろう、なぜこの間違いに気づかなかったんだろうということが、あります。
 そういうとき、主張すべきことは主張しつつも、間違っていたということは間違っていたとして謝るしかありません。逃げても事態がよくなることはない。
 怖いけど、直面して、もしそれがミスであるならばミスと認めるしかない。

 そんなとき思うのは。人生、生きている限り、取り返しのつかないことはないということです。
 この点、医師は弁護士などよりも数倍も百倍も過酷だと思います。医療過誤での死亡事故を思うと。
 
 以前、ある検査結果を見落としたため、患者の方が亡くなられてしまった事件を担当したことがありました。主治医はとっても若い医師でした。和解の席に同席し、ずっと俯いたままでした。ご遺族に対し、最後に謝罪の言葉を述べました。
 でも亡くなられた方はもどってはきません。
 遺族の方々が辛いのはもちろんですが、医師も一生、背負っていかねばなりません。
 

 専門家としての判断ミスで多くの人々に迷惑をかけてしまいます。余計な紛争が一つ、増えてしまいます。
 「弁護士」という肩書きの社会的な信用性の重みを今一度、よく確かめ、弁護士の不注意、判断ミスによって、依頼者はもちろん、関わる人々に余計な迷惑をかけることのないよう精進したいと思います。
 相談案件の一つ一つの重みをよく噛み締め、最後の最後まで気を緩めずに。

 本当に、交渉ごと、訴訟、和解は、最後の最後までに何があるか分かりません。依頼者に対する責任はもちろんですが、そうでない相手方や関係者に対しても、法的な責任はなかったとしても社会的な責任は、あります。
 弁護士として11年目、慎重に慎重に慎重に、行動したいと思います。
 
 「命を削って 命をつなぐ」の医師ではありませんが、6時間寝てますが、我が身が細る思いです。この10年で最大5キロ増、今で2キロ増程度ですがストレス太りで、まったく細くなっていません。今年、本当に激痩せするかも。
 判断ミスって、怖いです。今まで、文字通り怖いもの知らずだったかも。
 そうです。あっちも悪いんじゃないの?!という思いはありながらも、でもやはり私のミスだろうという事柄があり、即、報告し、頭を下げ、関係先に走り回り、何よりも他の関係者の方々のご協力もあり、なんとか事なきを得るケースがありました。
 でも。安堵もつかの間。一難去ってまた一難。泣きたくなりますが、最後までちゃんと責任を負って、逃げずに向き合います。胃をギュウウうっと鷲掴みにされたようで、吐き気がしますが。
 お祓いに行こうかな・・・。

 昔、知り合いの年上の方に言われたこと。「ゴルフのスコアをごまかすような人間は、仕事のことでも他の些細なことでも何でもごまかすよ。」。その当時、まだ司法修習生で本当の社会人経験ゼロだった私は、そうか、そんなものかと思って右から左へと聞き流していたのですが、働き出してみると、これが社会の真実だろうということを実感するようになりました。
 1つ嘘をついてごまかすと、他のこともまたごまかして嘘をつく。そして、何が真実だか分からなくなる。
 怖いです。

(おわり)
 
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