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2009年3月 7日 (土)

選択と決断【松井】

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 人の人生、会社の運命。
 全て選択、決断の連続だと思います。
 今日のランチ。うどんにするか、スパゲッティーにするか。
 京都への行き道。阪急にするか、京阪にするか、JRにするか。
 自分で選んだことだから、迷ったすえに京阪にしたら途中、人身事故があって40分遅れで、相手方のところに遅刻し、いきなり頭を下げなければならなかったとしても、自分で納得がいきます。
 自分で選ぶしかありません。
 自分の身に降り掛かったことは自分で受け止めるしかない。電車の中にとじこめられて、誰かが代わりに時間どおりに相手方のところに行ってやるべき仕事をやってくれるわけではない。頭を下げるのは自分しかいない。


 交渉合意か、訴訟か。
 判決か、和解か。
 控訴か、確定か。
 
 今の選択と決断が、未来において絶対的にOKなんて保証はまったくありません。
 訴訟にしたらもっといい条件がでるのか、もっといい判決が出るのか。
 弁護士は、答えられません。
 弁護士が判決を出すなら答えられます。
 しかし。法廷で判決を出すのは裁判官です。

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 こいうことを考えていると、いつも、ビル=クリントン大統領時代の財務長官、ロバート=ルービンの本のタイトルの原題を思い出します。

 「In an Uncertain World 」 確実なものはなにもない

 

 確実なものは何もない。
 その中で常に選択と決断を迫られます。

 依頼者の方に伝えられることは。
 あとで後悔しない選択を、ということだけです。
 ただ、そのためには、ありとあらゆる場面を想定し予測することが不可欠です。その場合の一番のポイントは。常に最悪の事態を想定するということです。
 その時、自分が後悔しないかどうかということです。
 
 ルービンさんもメモをいじくって書いて考えていたそうです。
 頭の中でもやもや考えて悩みつづけるより、紙に書き出すことをいつもおすすめしています。そうすれば多少は見えなかったものが見えてきます。
 
 私も、自分の人生、右に進むか左に進むかの大きな分かれ道だったとき、右に行ったらそのあとどうか、左に行ったらそのあとどうかと紙に書き出したものを眺めて決断しました。企業内弁護士になるかどうか。断りました(ご迷惑をおかけした皆様、申し訳ありません。)。
 そして。今があります。
 ときどき、1年に1回ほど、企業内弁護士として東京に行っていたらどうなっていただろうかと想像することがないわけではないけど、大橋と一緒に自分らの事務所を開いている今で良かったと思っています。本当にやりたいことしかやっていないので。
 
(おわり)
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