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2009年2月 9日 (月)

人のお金【松井】

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 先日、NPO建築問題研究会の相談担当でした。
 相談会、終了後、他のベテランの弁護士や建築士の方々と雑談。この雑談が本当に勉強になります。
 先日は、建築問題では特によくありがちなことですが、無駄に、建築士さんや企業に鑑定、調査を依頼してしまう人の話になりました。50万円、100万円とお金を払って、訴訟になったら価値のないような、無内容のペーパーを集めてしまったり。
 また、不貞行為の問題で、探偵の費用として50万円、100万円と払って、空振りだったり。
 本人が納得して払っているお金なら問題がないのですが、ときには、当の建築士や、相談担当者が、不必要に不安を煽り、無駄なお金を使わせていることもないわけではなく。まさに二次被害です。
  「人のお金」だと思って、ということです。


 以前、経験20年以上のベテランの穏和な弁護士の方がぼそっと口にされていました。仕事で一番気をつけていること。
 依頼者にお金を使わせないようにすることだ、と。

 そんなことに細心の注意を払っているのかと、当時はまだ若かったこともあり、意外に思いました。
 でも、その意味が数年後、よくわかるようになりました。
 「人のお金」と思っていると、結局、それは物事を他人事と捉えていることを意味し、信頼を得られません。

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 別の話で、ある弁護士さんが事務所を独立することになり、新たに借りる部屋を、新たに雇うことになった事務所スタッフと一緒に下見に行ったときのこと。
 そのスタッフは、ビルの案内の人に、「この箇所だけ電気を消すこともできるんですか?」と質問をしていたという。
 その姿をみた弁護士は、「ああ、この子なら信頼できる。」と思ったということです。 事務所の経費としてかかる電気代を心配してくれての質問だったからです。

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 信頼関係って、そういうこと。
 人のお金の心配をすること。
 人のお金を人のお金と思ってしまったら、所詮、他人事です。なにかと雑になります。人のお金のことだけど、自分のことのように心を配ってくれる人こそ、信頼に値します。
 そういう話しです。

 お店に行っても、やたらお金を使わそうとするころ、買わせようという魂胆が見え見えの態度のところでは、気分よく買い物や食事もできないというのもそういうことかと。


 ベテラン弁護士の方の言葉はやはり含蓄に富みます。
 これも、ちょっとした雑談の中でのお話でした。だから、余計に印象に残っていました。
 雑談って奥深い。その人の本質が垣間見えるから。
 
 この話しの裏側は。
 やたらお金のかかることを提案してくる人には気をつけろ、ということです。
 
 工事業者、弁護士、建築士、自称「よきアドバイザー」、店員さん、リース会社の営業マン等々。
 まわりにいるでしょ!
 信頼できる人、そうでない人を見極める一つの基準。
 「人のお金」と思って金のかかることを提案してくるか、「人のお金」を使わせないようなことを提案してくるか。
 
 こうしてブログを書きながら、我ながら、これは真実だと悦に入っています(笑)。
 こうした目で、周りをもう一度、よく見回してみましょう。
 
 あ、そうそう。今、日経新聞では、ドトールコーヒーの名誉会長が「私の履歴書」で語っています。最初、故郷を出るとき、親類が洋服屋に連れて行ってくれて、どれでも好きな服を選べ、買ってやるから、と言われたとき、こう答えたそうです。
 「店で一番安い服を下さい。」
 この言葉を聞いて、この親類は、こいつはモノになると思ったということを後から聞かされたとのことでした。このとき、この少年は、服を買ってやるという親類の言葉に甘えず、その親類の「人のお金」のことを心配する気遣いができたということだと思います。

 とにかく。相談先での二次被害には気をつけてください。
(おわり)

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