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2009年1月 6日 (火)

あけましておめでとうございます〜虚業と実業〜【松井】

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「スタート」です!

 今年、早6日ですが、あけましておめでとうございます。
 今年もどうぞよろしくお願い致します。

 事務所は昨日5日からでしたが、大橋とわたしは、新年3日には事務所で初顔合わせでした。
 もちろんたまたまで、二人とも仕事をしに事務所に出てきていました。
 そして夜、一緒にご飯を食べて終わりました。

 そういえば、年末も27日土曜日、事務所で大橋に会い、夜、一緒にご飯を食べて終わりでした。
 大橋に終わり、大橋に始まる2009年です。だからどうというものでもありませんが。
 まあ、弁護士数人の共同事務所といっても、実際は個人商店が寄り集まっているだけで、お互い、どんな事件をしているのかもまったく知らない、バラバラの事務所もあるといいます。
 「大阪ふたば法律事務所」はそのような法律事務所ではないということで。

 年末、年始、どのような話をしたかというと、個々具体的な仕事の内容、相談、事務所のあり方、運営改善方策、よりよくなるにはどうしたらいいのか、何が足りないのかといったことです。
 二人とも、怖いくらいにいたって前向きです。

 以下、自分の備忘録的な徒然です。


 年末年始は、次の3冊を読みました。
■ G.K.チェスタトン「木曜日だった男」。
  推理小説ブラウン神父もので有名な20世紀初めのイギリスの作家の小説です。
  どうもこのあたりの推理小説がやっぱり好きで仕方ありません。
  この当時のものを読むと、現代の小説がスカスカに思えます。
  単なるストーリーだけじゃない、気の利いた表現がいっぱい出てきます。
  気の利いた表現をするには、膨大な知識、教養がなければ出来ません。
  みっちりと描きこまれています。

 あとの2冊は、本郷尚「心をつかめ!コンサルタント」と勝間和代「起きていることはすべて正しい」でした。
 本郷さんは大手税理士事務所を経営されている方、勝間さんはご存知のように公認会計士です。
 しかしお二人とも、税務、会計のことについては一切語っていません。

 それとは違う事柄について、それぞれの経験、知識に裏打ちされたことがらが書かれています。
 何について書かれているか。
 生き方について書かれています。
 単なる税理士ではない、単なる公認会計士ではない。
 仕事を通じた哲学についてお二人とも語っています。

 大橋には、本郷さんの本を薦め、早速、ざくっとですが目を通したようです。

 大橋とは、本郷さんの本について書かれていたことについて語っています。

 結局は。
 常に、現状で満足せずに高見を目指せということだと理解しています。
 高見を目指すということは、下をみて現状で満足することなく、常に、自分がどこにいきたいのかを考え、努力し続けるということだと思います。

 そんな御託本はいっぱいあります。
 本郷さんに勝間さんが偉いなと思うのは、お二人とも実践者だからです。
 いったいこの人は何をしてきた人なのだろうか?と不思議に思う方が御託本の著者だったりします。

 昨年来、考えているのは、「虚業」と「実業」についてです。

 弁護士業、というか自分がやっている仕事は、「虚業」か、それとも「実業」か。
 つまり。
 何かを生み出し、人の役に立っているのだろうかということです。

 「虚業」 iPhoneの大辞林では、「大衆をだますうさんくさい事業」とあります。

 弁護士って社会の嫌われ者だと思います。
 何にでも噛み付く狂犬と表現される方もいます。

 もしかしたらなくてもいい職業ではないかと時々思ったり。
 弁護士じゃないほうが、ものごとを交渉でうまく解決しているのではないか、とか。
 弁護士だと、ついつい最後は法廷で戦えばいいといった割り切りがあるので、無意味に高圧的に相手に接することがあるのではないかと思います。
 だから、たぶん。弁護士は嫌われるのだと思います。
 ときどき、宇宙から友好目的で舞い降りたのに、敵扱いされて言われなき攻撃を受けるエイリアンのような気分になることがないでもなく。
 確かに、訴訟となったら、たぶん皆、意地でも勝ってやると全身を燃え上がらせるのが弁護士だとは思います。
 しかし、訴訟を避けられるなら避けた方が依頼者の利益になることがほとんどです。
 こちらは訴訟を避けようと思っても、相手方が必要以上に肩に力を入れて防御的に対応したり、過剰に攻撃的に反応したり。
 なかなか難しいです。

 相手方に弁護士がついて、弁護士同士の代理人交渉となると正直、ほっとします。
 なぜなら。
 訴訟になったらどうなるのかという点について、共通認識を持てる可能性が高まるから。
 すると自ずと、和解の方向に進むことが多いです。
 なかには、依頼者を焚き付ける弁護士もいないわけではないかとは思いますが。

 そういう意味ではやはり、法律/訴訟って、外国語なのだと思います。
 言葉が通じたときの安心感のようなものを感じます。弁護士同士だと。
 ただ、それもまあ、最近は通じないことがあるという悩みを聞いたりもしますが。

 そういう意味では、やはり弁護士って、言葉の仕事なのだと思います。

 そうなると。
 目に見える形のあるものを生み出してはいないという点、虚業なのかなあと。
でも。

 喜んでもらえて、ありがとうと言ってもらえて、成功報酬を支払ってもらって、それで生活できています。
 幸せと思い、ありがたいと思います。

 皆様に感謝して、またこの1年、大橋、松井、スタッフ川上、美濃、アルバイトの山本さんで、「ありがとう」と言ってもらえる結果を目指してがんばりたいと思います。
 そして。この「ありがとう」をもっともっともっともっと増やしていきたいと思います。
 よろしくお願いします。

 本郷さんや勝間さんのように、税法以外のことを語れる税理士、会計・監査以外のことを語れる公認会計士ということで、法律・訴訟以外のことを語れる弁護士を目指そうと思います。
 つまり。
 虫の目だけじゃなくて、鳥の目ももてるように。
 そして、より多くの人の役に立つように。
 それがたぶん。
 存在意義です。虚業だろうが、実業だろうが。
  
(おわり)
そして、マツイのヨコク。
 今年のブログは、がんばって次回からは、総論ではなく、各論も語っていきたいと思います。
 自分に約束するために、予告!昨年末、筆跡鑑定について新聞記者の方から取材をうけました。昨年11月の一澤帆布の大阪高裁判決にちなんでのものです。その際、改めて資料を見返したり、取材記者の方との会話の中で考えたことを書き記したいと思います。


 塩澤一洋さんこと、shioさんも、民法、著作権法を専門とする大学教授でありながら、プロのカメラマンという多彩な方です。たかだか年齢二つ違いとは思えない、人間としての奥深さ。尊敬です!
 撮影 塩澤一洋さん http://shiology.com/
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