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2008年10月18日 (土)

相続放棄と遺産分割調停の申立て【松井】

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 相続放棄という制度があります。
 民法938条。

 一方、法定単純承認というものがあります
 民法921条。

 この点、「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」とあります。民法915条1項。
 そして、「相続の承認及び放棄は、第九百十五条第一項の期間内でも、撤回することができない。」とされています。民法919条1項。もっとも、「前項の規定は、第一編(総則)及び前編(親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。」(同条2項)とあります。

2 
 判例時報20年10月11日号は、「平成19年度 許可抗告事件の実情」が掲載されていました。
 最高裁破棄事件の実情なども、これは毎年必ずチェックするようにと修習中、裁判官に言われたことを思い出します。
 で、パラパラと眺めいていると、この相続放棄の事案が掲載されていました。

 最高裁1小平成19年2月8日決定

 事案 
 H18.1.30 A死亡
 
 相続人B、X
 X、Bに対し、Aの財産状況を明らかにするよう求めるが、応じてもらえず。
 X、生前、Aからは大体の預金等の金額を聞いており、負債がたくさんあることも聞いていた。  

 同 4.8 

 Cから、Aに対して2300万円の求償債権を有している旨の通知をX、受け取る。
 
 同4.12 

 X、遺産分割調停の申立て
        
 同7.6  

 X、相続放棄の申述受理の申立て


 争点 
 ①遺産分割の調停の申立てをもって、単純承認の意思表示と解されるか否か。
 ②3か月の熟慮期間の起算点は、負債の通知を受け取った4月8日か否か。

 結論 
 原々審、原審、本決定共に、Xの遺産分割調停の申立てを単純承認にあたるとし、相続放棄の申述は不適法であり、却下すべきものとしました。
 
 理由は、原審で次のように述べられているようです。
 ① 調停申立て時において、Aの遺産につき、預金及び有価証券がある程度存在すること及び債務も少なくともある程度存在する可能性があることを知った上で、申立てをした
 ② 民法915条1項所定の3か月の熟慮期間お起算点は債権者から弁済を求められた日と解すべきとする主張するが「独自の解釈に基づくものであって採用できない」。


 遺産分割の調停申立てをいつするのか、その時点で分かっていることは何で分かっていないことは何なのか、相続放棄との関係でよくよく注意して確認しておかないと、後でとんでもないことになりそうです。
 場合によっては相続放棄もありうると考えている場合は注意してください。

(おわり)
*期間の定めのある事柄は、ビクビクします。一度、経過してしまえばもう取り返しがつかない。
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