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2008年10月 2日 (木)

映画と本と【松井】

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↑ 知っている人は知っている、NHK放送のアニメ「ぜんまいざむらい」です。


 娯楽について書いてみたいと思います。

 今のところに引っ越ししてから開けていなかった段ボール箱を開ける機会がありました。
 中からザックザックと買った記憶すらなかったDVDがたくさん出てきました。
 買ったことを忘れていて、つい最近、新しく買いそうになっていたものもあります。

  ケン・ラッセル監督の「白蛇伝説」
  この前亡くなったアンソニー・ミンゲラ監督の「イングリッシュ・ペイシェント」
  フランス人の女優ジュリエット・ビノシュの「ダメージ」
  同じくビノシュとダニエル・デイ・ルイスが共演した「存在の耐えられない軽さ」
  ドイツの映画「バンディッツ」
  同じくドイツ語の映画で超有名「ベルリン 天使の詩」
  さらには、「プライベート・ベンジャミン」に
  デイビッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」、
  そして日本では「アリー・マイ・ラブ」というタイトルで放映され一世を風靡し、
  最近その出演者の1人がカリフォルニアで同性婚を果たしたという「アリー・マクヴィール2」の6巻セット。
  そして、アイルランド出身の歌手シンニード・オコナーのライブのビデオカセットも1本。
 
 わかる人はこれで私の趣向が分かるかと。


 三重県四日市市で暮らしていた時は、映画館の数も限られていたことから2本立てが当たり前でした。
 覚えているのは、ケビン・ベーコンの「フット・ルース」とマット・ディロンの「ランブル・フィッシュ」が2本立てだったこと。

 1989年、大阪に出てきて驚いたのは、映画の2本立てなんてほとんどないこと。1本上映が当たり前。
 それでも映画館が多かったので、大阪、京都といろいろ見に行きました。

 1999年、働き出して以降は、なかなか映画館に足を運ぶ時間もなく、DVDを買ってみることの方が多いです。
 それでも見る映画の本数は少ないです。月1本、見るか見ないか。
 ツタヤ・ディスカスの会員になりました。モトをとれてません。
 ちなみに最近見たのは、中谷美紀主演の「嫌われ松子の一生」です。自分も皆紙一重という緊張感を感じながら見たので息が詰まりそうでした。
 大橋から借りた「非情城市」も興味深く見ました。歴史というか、過去の事実を知らないのはやはり罪だなと思いました、自分自身。
 それと段ボール箱から出てきた「マルホランド・ドライブ」。デビッド・リンチ監督といえば私にとっては「ツイン・ピークス」なのですが、「ツイン・ピークス」を彷彿とさせる作りでした。で、どうなの?という粗筋はさっぱりわからず、ついついネットで語られているHPを探し、そういう話だったのかと納得しました。


 一方、本はというと、働き出してからは気が狂ったように買っています。そうです。「買っている」のであって、「読んでいる」とは限りません。
 アマゾンを利用し始めて以降はクリック一発で、月5万円以上は投じています。
 もちろん仕事の本も買っています。この仕事用の本が1冊3000円から5000円と高いというのもあるのですが、それ以外でも、文庫本に専門外の単行本も買っています。
 なぜか。
 おそらく買うことでストレス発散になっているのだと思います。
 
 週に一度くらいのペースで、町中の本屋にも足を運んでいます。
 至福の一時です。

 最近読んだ本はというと、西加奈子さんの小説「通天閣」。同じ関西大学法学部出身というので、どんな小説だろうかと読んでみました。中盤からようやくドライブが効いて、最後のシーンではちょっと泣きそうになりました。ええ話です。

 米原万里さんのエッセイ「言葉を育てる 米原万里対談集」は今、通勤電車の中で読んでいます。頭が賢くなりそうな気になります。2006年、50代でお亡くなりになってしまった米原さん。もっと多くの本を遺して欲しかったと悔やまれます。

 そして最近、心躍る感じを覚えた本は、「ブランジュリタケウチのどこにもないパンの考え方」という本です。
 「パンの考え方」とあるように、「パンの作り方」の本ではありません。
 タケウチさんのつくる「どこにもないパン」のタケウチさんの「考え方」の本です。
 これがもう面白い。
 遊び心満載です。
 真四角の石けんを見て、真四角のパンが作れないだろうかと考えたり、和菓子に負けないパンを作れないか、苦いパンはどうやったら作れるのかと考え続け、飲んだビールが苦かったことからビールでパンを作ってみようとか。
 読んでいて楽しいです。

 こういう遊び心が大好きです。
 気持ちが踊り出し、自分でも自分の目が輝き出すのが分かります。

 昔、友人に誘われて行ったフランス料理店、そこの料理が非常に遊び心に溢れていて感動したことがあります。ホテルの中の店でありながら、シェフが見つけてきたというアヒルの器に盛りつけられた料理、スパゲッティの中でフォークが踊っている盛りつけ。
 シェフはまだまだ若い方で、若さを感じる「おちゃめ」さがありました。リッツ・カールトン大阪の「ラ・ベ」。
 
 ブランジュリタケウチの本を読み、そのときの料理を思い出しました。
 なれるなら今からでも料理人になりたい、と一瞬、妄想が走りました。


 「遊び心」溢れる弁護士に代理人活動。
 あり得へん!?
 真剣勝負だから?!
 じゃあ、タケウチさんやデビッド・セニアさんは真剣勝負ではないのか?!
 そんなことはない。
 仕事は、全て、結果が全て。
 その結果に至る過程で、知恵をひねって新しいものを作り出す、よりよい結果をもたらすための闘争心、それが「遊び心」の定義だとしたら、
 「遊び心」溢れる弁護士に代理人活動もあり得ないものではない。
 ただ、結果が全て。
 それを忘れないように。

 そういう意味では、結果さえ出せば、その過程はつまらないことでもいいのか。
 それではきっと、目が死んだ弁護士になってしまう。修習中、法廷で見かけた目が死んでいる代理人。仕事は面白くないのだろうかという疑問がわきおこるほどの覇気のなさ。
 生気のない、目が死んだ弁護士と言われるようになったら、別の仕事を探します。もちろん何が出来るのかは分からないけど、それでも生きていかねばならないので。

 アンパンマンの歌〜 
  何のために生まれて 何をして生きるのか
  答えられないなんて そんなのはイヤだ

 何をして生きようか。
 客観的には転落人生で、それでも最後、希望の名刺を手に握ったまま殺されてしまう松子を描いた「嫌われ松子の一生」と、簡単に人が殺され、死んでいった現実を描いた「非情城市」を見た影響が大きい今回の文。「マルホランド・ドライブ」も、希望と失望の現実、そして愛と憎しみと妄想を描いた映画。
 考えてみれば、最近見た3つとも、ある意味、悲しい映画です。みんな死んでいきます。
 にも関わらず本では、夢と希望に溢れた「ブランジュリタケウチ」の本に「通天閣」。


 がんばって仕事します。
 先日、大先輩のお二人の弁護士から、そのお仕事ぶりをお聞きする機会がありました。
 もう10年になりますが、わたくし、まだまだです。なまっちょろいです。
 この10年、いったい何をやっていたんだと豆腐の角に頭をぶつけて死にたくなります。

 映画も本も大事だけど、やっぱり何よりも、人に会って話をすること、話を聞くことが大事です。
 閉じこもらないように気をつけます。
 顔を見て、言葉を交わそう。

 精進。

(おわり)
↓ 誰も知らないであろう、四日市市の諏訪神社の鳥居。
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