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2008年9月25日 (木)

尋問手続き【松井】

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 先日、法廷での尋問がありました。
 尋問になると、「ああ、弁護士っぽいな」と我ながら思います。


 尋問準備の際、1年目から気をつけていることは。
 独りよがりにならないようにということです。

 「人生の大事なことは幼稚園の砂場で学んだ」とかなんとかいう本が昔、売れたことがありますが、
私の弁護士仕事の大事なことは、結構多く、修習中に学んだ、というところがあります。
 裁判官について裁判所に6ヵ月、検察官について検察庁に4ヵ月、弁護士について法律事務所に4ヵ月、そして合計8ヵ月間、埼玉県和光市にある司法研修所で毎日、60人のクラスメート、約700人の同期と共に、優秀な裁判官、検察官、弁護士からみっちり研修を受けました。
 この2年間、法曹の先輩方からは多くの率直な意見、教えを受け、制限なくいろいろな情報にアクセスでき、多くのことを見て、聞いて、吸収しました、と自分では思っています。
 裁判所や検察庁で自由に出入りできるなんて、弁護士になった今ではあり得ません。まさに司法修習生ならではのことです。
 当初から弁護士になるつもりだったので、裁判所修習、検察修習では、今だけだと意識的に修習に努めました。


 そんな司法修習中。
 民事裁判にしろ、刑事裁判にしろ、尋問を多く見る機会がありました。というか、毎週、必ず見ていたくらいだと思います。
 そこでは裁判官の立場で、検察官と弁護人、あるいは代理人弁護士同士の尋問を目にします。

 そこで感じたことは。
 独りよがりにならないように、裁判官の関心事は何かということを常に考えよう、
 聞きたいであろうことをなるべく早く訊こう、ということでした。
 また何よりも、準備を万端に、事件に関連する出来事の年月日、登場人物は徹底的に頭に叩き込もうということでした。

 また弁護士になってからも、相手方の弁護士の尋問から学ぶことも多々ありました。

 盗難手形を巡る事件。
 なるほど、そのように突っ込んで突っ込んで、詰めて具体的に訊くことによって証言の曖昧さを浮き彫りにする手法もあるのかと、相手の反対尋問を聞きながら関心したこともあります。
 
 また、反対尋問であっても、供述者の個性に合わせ、にこやかにストレートに質問すれば、意外とストレートに求める回答が返ってくることがあるといったことも経験しました。

 とはいえ、やはり明らかに書証に反する証言、供述であっても、そのように言わざるを得ず、強弁を言い続ける証人、当事者を目の当たりにしたこともあります。

 また、検察官の取調べのテクニックと同じで、秘密?のノウハウもあります。


 尋問になると、弁護士ならではのやりがいを感じます。
 ただ、尋問の一番の問題は、それが功を奏しているのか否か、その事件の担当裁判官に訊く機会が持てず、反省のフィードバックがなかなか出来ないということです。
 客観的にまったく検討はずれの質問を延々としながら、法廷を出た廊下で依頼者には大成功だと得意気に語る弁護士にその独りよがりをただす人はいないわけですから。

(おわり)
 
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