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2008年9月 3日 (水)

I'm your lawyer 〜利害相反だよ〜 【松井】

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タクシー乗る機会が多く、足腰を鍛えなきゃと先日、7階の法廷まで階段で上がりました。息は切れるは足はもたつくわで、傍聴席の一番前の列を横移動しようとしたら、足がもつれて、派手にこけました。

 8月、無期限の活動休止状態になったサザンオールスターズの桑田さんの言葉。
 「 I’m your singer」
 この言葉について触れられていた新聞のコラムを目にした。

 そして考えた。
 弁護士も同じ。

 私が時々悦に入りながら口にする言葉があります。
 「申し訳ありませんが、私は近藤さんの弁護士であって、田中さんの弁護士ではないということです。」
 


 どういうことか?
 弁護士の今のこの私はいったい誰の利益のために存在するのか、ということです。
 
 近藤さんの依頼を受けていたら、近藤さんの弁護士です。
 田中さんの利益になるようなこと、それが近藤さんの利益に反するようなことであればなおさら、そういったことが分かっていたとしても不用意に教えたり、伝えたり、アドバイスすることはできません。

 どういったときにこの言葉を口にするのか?
 田中さんが本人で交渉、訴訟等をしていて、弁護士に依頼していないときです。

 「近藤さんの弁護士」ではなく、一般的な「弁護士」に対するものとして、弁護士からアドバイスを求めるものとして、取るべき対応、問題点などについて訊かれることがあります。
 相手方のご本人から。

 そのとき、「申し訳ありませんが、私は近藤さんの弁護士であって、田中さんの弁護士ではありません。」
 「なので、あなたからの質問に対して、弁護士としてお答えすることは出来ません。」
 とこたえざるをえない。

 ここで私が「弁護士」として答え、アドバイスしてしまうと、それをもとに田中さんが行動をとったとき、田中さんの行動に対して全く責任が持てません。
 ここでアドバイスすることはかえって無責任なことになり、田中さんに余計な損害が生じる事になるやにしれません。
 また、そもそも相手方です。相手方を利することは場合によっては依頼者を害することにもなりかねません。そうであれば、なおさらアドバイスなんてできません。

 そこでお伝えするのは、
 「田中さんの利益だけを考えてアドバイスしてくれる、他の弁護士さんに相談してみてください。」
 「お知り合いに弁護士がいない、紹介してくれる人もいないということであれば、大阪弁護士会で、30分5250円で有料ですが、法律相談が開催されていますし、弁護士会の方で弁護士紹介業務も行っています。また市役所等にいけば、おそらく定期的に、弁護士の無料法律相談が開催されています。これは時間が30分や25分と限られてはいますが。」
 といったことです。


 桑田さんの言葉。
 「I ‘m your singer」
 含蓄のある言葉です。
 ファンのためのサザンオールスターズ。
 ちなみに、実は、サザンオールスターズ自体はそれほど好きな訳ではありません、もちろん嫌いでもありませんが。
 幼稚園のとき、「渚のシンドバット」*ピンクレディーでした。愛読者の方からご指摘が。訂正。「勝手にシンドバット」でデビューしたことは強烈に記憶しています。当時、「シンドバッドの冒険」というアニメが放映されており、私は勝手に「僕の名前はシンドバッド」という歌をつくり口ずさんでいたところ、そっくり!とそのとき子ども心に思ったメロディーがテレビから流れてきました。それが「渚のシンドバット」。
 「パクられた!」と被害妄想に陥っていました。


 弁護士の場合、ま、利害相反の問題なんですけどね。双方代理禁止の規定が民法にもあります。この規定がもしもなかったら!?
 誰も弁護士なんて信用しないし、依頼もしない!!
 記者の取材源秘匿と同じ。喋ったことをよそであいつが言ったとペラペラ取材した人にやられたら、誰も取材になんて応じなくなる、そうなるとどうなるか。情報が流通しなくなる。情報が流通しないとどうなるか。
 それは、歴史が証明してくれている。表現の自由、報道の自由。
 歴史に学ばないと。
 憲法に学ばないと。
 
 
 先日、古本屋で、イギリスのウィンストン=チャーチルの「第二次世界大戦」のセットが2000円で売られているのを発見しました。即買いです。前から読みたいと思っていた本です。チャーチルの本。
 「叶えられた祈り」ですね。トルーマン=カポーティ。
 祈っていれば、叶えられる??
 
(おわり)


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