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2008年3月21日 (金)

何を売るのか~「無償」のアドバイス~【松井】

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 大阪弁護士会主催の「事業承継」に関する研修を受けてきました。
 弁護士3名に公認会計士の方1名の豪華な顔ぶれの講師陣でした。
 2時間ほどだったので、それほど詳しい話もなかったのですが、公認会計士の方の試算表がレジュメに掲載されており、それを見て話を聞いて考えたことを。



 「単純な持株会社設立について」とし、金融機関から3億円借りてなす、スキームについて。

 取引実施後、何年後にオーナーが死亡したか、またその後、株価がどれほど上昇したのかという点で何パターンが分け、それらと「対策せずに、死亡」した場合とを比較表としていました。

 結論としては、「相対的に『何もしなかった方が良かった』という場合もあります。」としています。試算表上、確かにそのとおりです。
 「要は、健全な『事業』の承継を最大目的に、個別具体的に検討し、長期間の費用対効果を見極めた対策、つまりオーダーメイドの対策を策定する必要があります。」としています。


 思い出したのは、平成前後ころ流行ったらしい、金融機関おすすめの「相続税対策」です。
 不動産を担保にした莫大な借入をし、バブル崩壊後、予定が狂って借入金の返済に困窮し、結局、不動産を失ったという話が多くありました。いくつか訴訟となり争われたことから、結果論かもしれませんが、ひどい話だと印象に残った記憶があります。



 今回の公認会計士の試算に基づく結論付けを見て、考えたのは、よかれと思ってアドバイスしてくれる人が、何を売っている人なのかということをよく見極める必要があるだろうということです。
 自身の商品(貸付け等)を売らんがためのアドバイスを見極める必要があるということです。
 無償のアドバイスほど気を付ける必要があるでしょう。「無償」はありえない。ということは、アドバイス以外の事柄にお金を払っているのです。そのアドバイスは本当に貴方の利益を考えてのものといえるのか。
 利害関係を見極める冷徹な判断が必要でしょう。

 洋服を買おうとお店に入り、試着したところ、どう考えても肩のところがピチピチあるいは、貴方には似合わない服を「よくお似合いですよ。このシャツを中に来たら更に栄えますよ。」とアドバイスしてきも、その言葉を誰が信じるだろうか。
 あなたがそこのその服を買うことと何の利害も有しない昔からの親しい友人の言葉であるなら、信用するだろうけど。
 友人と店員の言葉の違いは何だろうか。
 店員は、アドバイスを売っているのではない、服を売っている人だということ、ただそれだけだろう。

(おわり)
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