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2007年12月25日 (火)

不正を防止する仕組み~内部統制制度の有用性~【松井】

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1 
 内部統制が監査の対象になるということで、監査報酬バブルが起こっているといういわれかたをしたりしますが、仕事量に応じた報酬を請求するのは当たり前のことでは?!と思ったりします。何も監査法人が無理からに仕事量を増やしたわけでもないし。
 ただ、八田先生曰く、「コンサルティング会社やIT業界など外部の専門機関に内部統制の構築を丸投げするといった『経営者不在の内部統制』の動きもある。これらはいずれも、本来の趣旨を理解しておらず、第三者評価には耐えられないものだ。」(07年12月7日日経)ということですが。コンサルに金を払っても、無駄じゃないの?!といことを暗に言いたいのか・・・。



 内部統制。小さくみれば、例えばうちの事務所のようなところでも、小口現金の出し入れにつき、管理者と現金の利用者を分けるといった仕組みを作ることを指すでしょう。これが同じ人物だと、現金なだけに横領しようと思えば簡単に出来てしまう、そこで仕組みを作って、管理者のチェックが入るようにするといった簡単なことです。
 この仕組みを作る責任は、もちろん経営者である弁護士の責任です。
 この仕組みを大きくしたものが、内部統制かと。

 といことで、「はて?どうなっていたんだろう?」と思ったのが、「全国小売酒販組合中央会」の年金共済制度です。


3 
 日本弁護士連合会では、「日弁連 消費者問題ニュース」というA4、10枚程度のニュースが発刊されています。
 そこで、2007年3月号を何気なく見たところ、「事件情報」ということで、「全国小売酒販組合年金被害対策東京・大阪弁護団」のニュースが目にとまりました。
 
 中身はというと。
 「全国小売酒販組合中央会が、私的年金制度として運用していた年金共済制度が破綻して、年金加入者が、年金の受給はもちろんのこと、掛金相当額の大半の返還も受けられなくなったという事案」です。
 弁護団は、2007年1月15日、東京地裁・大阪地裁に、損害賠償請求訴訟として提訴しているということです。
 
 「元事務局長の独断にょって、クレディ・スイスとの間で信託契約が締結され、チャンセリー債への一括投資が行われました。」ということです。
 ここに掛け金のほとんどの総額約145億円が注ぎ込まれたところ、投資に失敗し、資金の大半が失われたとういことです。
 年金を老後の収入と考え、掛け金を支払っていた方々の苦悩を思うと何ともやるせない気持ちになります。

 「本件の問題点は」「安定した運用でいどむべき年金事業において、リスクの高い仕組み債であるチャンセリー債への勧誘・誘導が行われた結果、リスク分析も行わないままに、年金資産のほとんどを一括投資した点です。」とあります。
 「年金資金の運用方法等について具体的な決定権限を持っていた中央会の理事会等では、本件投資について必要な検討を行っておらず、事実上、事務局長の独断によって」投資が決定されたということです。
 「その際、クレディ・スイスは、中央会に対して、本件投資について行うべき適切な説明・助言を行いませんでした。」とあります。



 専門業者として、顧客に説明すべき事柄を説明すべきは当然としても、一体、中央会の仕組み、まさに内部統制はどうなっていたのかという疑問です。
 おそらく、145億円もの資金の使途を決定する権限について、何らの抑制の仕組みもなかったものと思われます。あっても、まったく機能していなかった。
 その責任を全て、クレディ・スイスが負うべきなのか。正直なところ、この点は疑問ですし、裁判所もそれなりの考慮をするかとは思います。
 不正を抑止する仕組みとしての内部統制制度は、何も上場企業だけに有用なものではありません。
 その発想それ自体は、ネーミングはどうあれ、うちの事務所のような小さな個人事務所から、年金共済といった組合でももちろん有用です。
 「仕組み」に対して、疎かであったことのリスクは誰が負担することになるのか。その共同体の構成員に結果が降りかかってくるのです。
 自分が属する組織、お金を託している組織に対し、今一度、「仕組み」が出来ているのかどうか、考えてみてはどうでしょうか。
 ことが起こってからでは、遅すぎます。

 ところで。何の本で読んだかすっかり忘れていますが、アメリカなどでは年金資産の運用についてはそもそも組合などにおいて投資のプロをスタッフとして擁しているとか。勧誘しても、甘い話しにはちょっとやそっとでは乗ってこない慎重な姿勢が徹底していたという業者側からの体験談を読んだことがあります。日本の年金は結構、団体任せで各団体によって違うんでしょうね。
 あ。弁護士会の年金はどうなっているんだろう。
(おわり)

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