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2007年11月 7日 (水)

「アンチリアル」~声の力~【松井】

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1 
 先日、東京方面に行く用事があり、ついでに下北沢によって小劇場で「アンチリアル」という芝居を観てきました。
 1970Projectという、70年代生まれの人々のグループの主催?です。ちなみに私は71年生まれです。
 小劇場での芝居を観るのは1年ぶりくらいでした。1年前は、本業司法書士さんという方が主催している劇団の芝居を大阪で観ました。とても盛りだくさん、にぎやかな芝居でした。
 今回の芝居は、登場人物がたった5人、しかも暗い、重い芝居でした。くすりとも笑う場面もなく2時間、じっと舞台を凝視していました。

 で、久々に小劇場の芝居を観てまず思ったことは、「声が違う」ということでした。演技過剰というのではなく、ささやくような台詞でも役者さんは腹から声が出ている、だから聴き取り易いということでした。
 よく依頼者の方が苦情?を言われるのは、裁判所で裁判官が喋っているのを聞いても、ぼそぼそと喋っていて何を言っているのか分からない、ということです。言葉が難しいということもあるのでしょうが、やはり伝えるためにしゃべるということを考えると、聞き取りやすい声を出すということにも、私も含めてもっと神経を使うべきだと芝居を観ながら考えていました。

2 
 そしてこの前、淀屋橋の「ぷち蛸」でたこ焼きを食べていたところ、冷蔵庫の上に置かれたCDラジカセからはずっと工藤静香の音楽が流れていました。工藤静香の声を懐かしい思いで聞きながら考えたこと、前から思っていたことだけど、「声」にも流行すたりがあるに違いないということでした。
 思うに、渡辺美里、吉田美和の声はたぶん「古い声」になってしまっていると思います。工藤静香の声もしかり。
 それに対して、流行の声もあれば、また一方で「古くならない声」というものもあると思います。
 宇多田ヒカルの声について、作家の多田容子さんが解説していたものを読んだとき、なるほど、彼女の声は一見普通っぽいけど、実は非常に特殊な声なんだなというのを納得したことがあります。真似できそうで、真似出来ない、難しい声だといったことが書かれていました。宇多田ヒカルの声はいつ聞いても新鮮で、古びた感じがしない謎が解けたように思いました。

3 
 人はメッセージをどのように受け取るのかということに関して、声そのものの情報が大半を占める、その内容については10%程度だ、あとは身振りや見た目だといった話しを聞いたことがあります。
 視覚、聴覚を使いメッセージを受け入れる、そのうち聴覚については、内容よりも声の性質だという話しです。
 
 芝居を見に行き、普段聞くことのない「声」を聞いてみて、いろいろと考えました。やはり、美術館に行ったり、芝居を観たり、コンサートに行ったりして、非日常的な情報を受け取る、刺激を受けるということは大事だなと改めて思いました。さらにそれをどう消化、昇華して、アウトプットに繋がるのか。変化が楽しみです。無意識レベルできっといろいろな刺激を受け、影響を受けているはずです。やはり刺激がないと面白くない。

 ただ、仕事上、声については、大声で、頭ごなしで喋る押しの強いタイプより、実は、常にゆったりと穏やかに話す声の方が説得的だったりすると思います。
 怒りを伝えるときも、法廷では、押し殺した声で怒りを抑えるように、こらえるようにして訥々と話す方が怖いみたいです・・・。
 昔、刑事事件の法廷で、検察官の主張に弁護人の私が思わず「激高し」(弁護活動に対しての非難だったけど、事実と全く違ったから。捜査検事の責任を弁護人の責任にされ、被告人の不利益になるように主張されたので怒り爆発!)、激しい怒りが瞬時に沸き上がりながらも、堪えて、訥々とその主張に対する異議を述べたことがありました。たぶんきっとワナワナと震えていたのだと思いますが、法廷の雰囲気が変わり、気のせいか検察官は怯えた様子になり、書記官さんや裁判官までもが、私を取りなすような調子でその後の訴訟が進みました(その成果というわけでもないですが、結果も妥当なものでした)。
 この経験があって、大声で怒鳴るよりも、ささやくように呟く方が怖いんだと後から振り返って思った次第です。
 いつも大声で怒鳴り、文句、苦情を言い続けるよりも、耐えて、耐えて、耐えて、ここぞというときに一言述べる方が効果的です。
 
 その後もいろいろと考えることはありますが、声については、自由自在に操るというレベルにはもちろん達していません。そんな中、久しぶりに間近で芝居をみて、役者さんはやはり凄いなと思った次第です。異能の人たち。
 そういえば弁護士を辞めて、役者になった人がいました。活躍されているのでしょうか。
 (おわり)

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