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2007年10月29日 (月)

NOVAの仕訳~クレジット利用の罠~【松井】

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10/30追記
「NOVAの監査 調査へ」と日経朝刊。「会計士協『リスク情報』開示焦点」」と。
中身には、「受講生が前払いしたレッスン料の45%を契約時点で売り上げとしており、収益計上の方法が適切だったのかも調査の対象となりそうだ。」とありました。
外から見ている分には、正直なところ、何を今更・・・という感が否めません。
また、「4-6月期の業績開示で本来計上すべき解約返戻金を一部しか計上しなかった。」ようです。本当は6月時点で債務超過だったかも!?ということ。


 10月24日の日経で、こんな見出しがあった。
 「支払能力を超す契約禁止 経産省審議会 割賦販売で義務づけへ」
  
  経済産業省の産業構造審議会の小委員会は23日、信販会社など割賦購入あっせん業者に対し、消費者の支払い能力を超える契約を結ばないよう義務づけることで一致した。」という。


2 
 NOVAが10月26日、大阪地方裁判所に対し、会社更生手続開始の申立てを行った。
 丁度、10月1日付けの判例タイムズには、「特報」として「外国語会話教室の受講契約の解除に伴う受講料の清算規定が特定商取引法に関する法律49条2項1号の定めに違反し無効とされた事例」として平成19年4月3日最高裁第三小判決の解説が掲載されている。
 法49条1項の趣旨について、最高裁はこう述べた。
 「特定継続的役務提供契約は、契約期間が長期にわたることが少なくない上、契約に基づいて提供される役務の内容が客観的明確性を有するものではなく、役務の受領による効果も確実とはいえないことなどにかんがみ、役務受領者が不測の不利益を被ることがないように、役務受領者は、自由に契約を将来に向かって解除することができることとし」
 
 そう。NOVAのビジネス・モデルは、講座受講料をポイント制とし、このポイントを大量に一括して買わせる、その際の支払方法としてはもちろん現金一括払いというものは少なく、70万円の総額であっても、1か月2万円を支払うというカタチで割賦販売を行うというものだった。収入月3万円の学生など。ただ、もちろんNOVAが分割払いを受け入れるのではなく、立替払いをしてくれる第三の会社、信販会社が登場する。

 このとき、NOVAの仕訳はどんなものか、公認会計士の方が示してくれた。

 現金   100  /  前受授業料  100
 
 そして、
 前受授業料 20  /  売上      20


 P/L 売上 20、 C/F 100 が計上される。

 営業C/Fは黒字であるが、先払いでもらっているものなので、黒字でもあやうい会社になるという。



 NOVAはいったいどこで過ったのだろうか。
 中途解約の場合の清算方法等に対する消費者からの苦情に対し、もっと早期に、もっと謙虚に耳を傾けていれば、ビジネス・モデルの転換も可能だったのではないか。

 電車の定期券を買って、解約した場合、清算金は割高になって当たり前だ。
 バナナを1本買ったら100円のところ、3本買うからというので270円にした。しかし1本返すというのなら、それは受け入れるけど、バナナ2本で200円だから70円しか返さない。270円÷3本=90円じゃないよ。
 という話し。
 NOVAはこの理屈で戦い続け、最高裁判所までいって負け判決を持ち帰った。
 絶対に自分の主張が正しい。
 思うに、商売なんだから、理屈を押し通すのではなく、相手の声に耳を傾けようよ、といったところか。
 
 最高裁の指摘は、法の趣旨、この契約の特性をよく見ていると思う。バナナの3本売りとどこが、どう違うのか。電車の定期券とどこがどう違うのか。
 クレジット利用での長期にわたる分割支払い方法。対価として提供される、モノの特殊性。

 経営上のワンマンという問題もあったようだ。
 いろいろな問題が合わさって、負のスパイラルを描き、今回の破綻に至ったのだろう。大ざっぱだけど。

 この失敗から学び、ビジネス・モデルを変更すべき業界、企業は、山ほどあるだろう。負債が大きくなる前に手を打たないと。
 営業C/Fが黒字だからといって、大丈夫とは限らない。

(おわり)

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