成功談よりも、失敗談【松井】
1
人のことを思って話をするとき、成功談よりも失敗談の方が役に立つ。自分はこんな失敗をした、あんな失敗をした。・・・だから、あなたは同じ轍を踏むことがないように、という話。
2
これに対して、成功談はどうか。成功にはいくつも道筋があって、それだけが成功に至る一つの道とは限らない。
その人がそれで成功したからといって、同じ事をすれば成功するというものでもない。
一方、失敗談は、その人がそれをして、あるいはある点が不十分であったばかりに失敗したという話については、その人の真似をしたらおそらく必ず、同じ道をいき、失敗する。
失敗談の方が人の役に立つと思う。
3
自分の成功談ではなく自分の失敗談を語れる人は、えらいなと思う。恥ずかしくて、普通だったらなかなか失敗談を話せない。
司法修習中は多くの方々の講演、研修、話を聞くことがあった。だいたいが成功談であった。それも修習中の身、聞くこと見ること新しくもちろん勉強になった。
ただ、そんな中でたった一人、大勢の修習生を前に、ご自身の大失敗の話をされた方がいた。
話をされながら、当時の悔しさを思い出されたようで涙声になっていた。
アメリカの裁判所での担当裁判官との衝突、和解決裂、そして敗訴。
この話が一番記憶に残り、実益に繋がっているように思う。
(おわり)
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