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2007年9月22日 (土)

信託、そして大阪【松井】

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 先日、伊丹の裁判所へ行ったところ、壁に貼ってあったポスターに目がとまりました。新しい信託法の施行日のお知らせでした。
 新しい信託法。信託が人々の身近な存在になるのでしょうか。


2 
 この夏、中央大学の教授の「信託法」講義を受ける機会がありました。関西方面では信託法を講義出来る者が多くはなく、声をかけられ、毎週末、わざわざ大阪まで出てこられての講義を受け持たれることになったとのことでした。
 実は、信託そのものは身近なところで企業が利用しています。
 その例としてあげられたのが、阪急電車の車両。阪急電車の車両は実は阪急電鉄の所有物ではないとのこと。信託制度を利用しており、所有者はケイマン諸島にある会社になっているということでした。これは有名な話のようで、クラスでも何人かの方はご存じでした(私は知りませんでした)。



 新しい信託法が施行されますが、また第2弾の改正作業が進んでいるようです。次のポイントは福祉信託。
 ちなみに、道垣内弘人教授の「信託法入門」(日経文庫)によれば、信託のポイントは次の4つです。
 1 一定の財産をめぐる法律関係であること
 2 受託者は財産の管理・処分などの義務を負うこと
 3 信託財産は受託者の財産のうちで特別な位置づけを有すること
 4 受託者がさまざまな特徴的な義務を負うこと

 つまり、自分の財産を信託契約に基づき、義務づけたうえで、特定の人に委ねる、所有権を移転させてしまうということです。
 自分で、所有して、使用・収益すればいいものを、処分して、他人にその使用・収益、あるいは処分まで委ねてしまいます。
 どういったメリットがあるのでしょうか。登場人物、役割は3つ。

    委託者      受託者

        
        受益者

 これら3つの役割をうまく利用すれば、一人で財産を抱え込むことでは得られないメリットがあるということです。
 新しい信託法では、信託する財産として従前と異なり、いろいろなものが考えられます。
 委託者と受益者が同じでも構いません。
 さらには、施行は延期されていますが、委託者と受託者が同じということも可能とされています。



 信託で何が出来るか。
 講義の最後のテストでは、信託を利用したビジネス・プランを考えよというものでした。
 私が考えたプランはというと・・・。
 相続や事業承継の際にトラブルになりがちな深刻な問題をクリアしようというプランです。会社法106条(共有者による権利の行使)のために起こりがちな問題をクリアできないかとの発想から。
 問題なのは、誰が受託者になりうるのかということ。
 弁護士は弁護士に過ぎないのであって、弁護士だから経営、運用の才覚があるとは限らないのはもちろん。
 この点が私が考えたプランの辛いところでした。
 ただ、教授の採点は面白いか否かを基準とするということで、A+はいただきましたが、実現可能性はまた別の問題。


 ところで、個人の財産の信託については、教授曰く、関東よりも関西の方が需要があるのではないかということでした。信託は、自分の所有財産を信頼して、第三者に完全に譲渡してしまいます。お互いを規律するのは信託契約に基づく権利義務だけです。
 相当な信頼関係が前提となります。
 このとき、関東よりも関西の人の方が人間関係が濃厚で、信託に対する心理的抵抗が少ないのではないかといった趣旨のことを述べられていました。
 私は関東方面で暮らしたことがないのでよく分かりません。
 ただ、三重県から大阪に来た当初、驚いたのが距離感のなさでした。スーパーで買い物をしていたとき、山積みにされていた果物を買おうかどうしようか棚の前で逡巡していると、おばちゃんがさっと近づいてきて突然、私の耳元でささやきました。
 「やめとき。それ、マズイでぇ。」
 ありがとう、おばちゃん。

 先日、大阪のシンボル、通天閣の付近を通ったのですが、やっぱり「濃厚」でした。

I love OSAKA.

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(おわり)

追記 「信託大好きおばちゃん」のブログで「大阪のおばちゃん」という記事を発見。
そういえば、去年の冬、電車の座席で咳き込んでいると、隣の上品そうなおばちゃんがカバンの中から飴を取りだし、「これ、食べ」と差し出してくれたことがあった。「ありがとうございます。」と素直になめる。知らないおばさんから飴をもらったことが2回ほどある。ありがとう、大阪。

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