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2007年6月22日 (金)

日本は誰が舵取りをしているの?大丈夫か?【松井】


 6月21日付け日経の一面を見て、あらビックリ。
 
 「米SEC 欧州基準会計認める 来年1月、上場負担を軽減」

 ついに米証券取引委員会(SEC)は、欧州会計基準たるIFASsを上場の際の基準として認めるのか!!ついに国際会計基準Cnvergence(収斂)の動きが具体化し早まったのかと驚く。来年1月からとは!



 国際会計の話なんてほんの半年前までは全く知らなかったけど、大学院で国際会計が必須となっていたため受講していた。
 会計の世界といっても、どうしてもついつい法律の世界と比べてしまうんだけど、法律と違って、すごい速さで変化していて、しかもその変化の方向性は世界基準であって、日本も「自分たちは独自の路線で行くんですよ」と世界にそっぽを向いた姿勢ではどん詰まりの世界なんだということを実感し、驚いた。

 日本も、民間組織としてASBJなんて組織を作って、米SECや欧州の国際会計基準委員会(IASB)と連携して、遅れを取ることないように必死に動いているというのは聞いていた。
 ただ、ASBJの理事などは常勤じゃないと聞いて驚いた。日本弁護士連合会の会長職でも常勤で、一応、会から報酬もらってやってるのに。
 常勤じゃなくても勤まる仕事なんだろうかと疑問に思っていた。



 一面の記事の解説でさらに驚く。

 「日本は現在、欧州側から国際会計基準との差異として指摘を受けた点について急ピッチで共通化作業を進めている。ただ作業終了後の町的な会計基準づくりの戦略はほとんど描けていない。」

 えぇ!?まだ「戦略」が立てられていなかったの!?!?独自路線でいくかどうかまだ迷ってるの?何のため?そんなに取得原価基準が大事なのか。

 ASBJの人たちって一体何をやっているの?と素朴な疑問が。それに日本の公認会計士の人たちは?


4 
 弁護士の世界は、確かに、そこにある法律について考えるときでも、他の世界がどのような法規制をしているかを調べ、確認し、知識として持っていることは十分に意味があることだけど、実際には全く外国法制を知らなくても出来ることが多くある。
 でも会計士の世界は、日本の基準を知っているだけでは、これから先、たぶん本当の意味で役立たずになってしまうんだと思う。
 大学院では、「会計倫理」と共に「国際会計」が必須科目とされている。そういうことなんだろう。
 法律の世界でも本当は世界視野の方がいいに決まってる。法制度という視点をもつためには。
 なにごとも知性と教養か。

 法律を勉強しはじめて初めて分かってきたとき、まわりで見えていなかったものが見えるような喜びと興味深さを感じた。騙し絵のなかで、単にジャングルの風景にしかみえなかったものの中に、ライオンやヒョウや象を見つけられる物の見方を覚えたような感覚。会計の世界も同じような喜びを与えてくれるのか、ちょっとわくわくする。久しぶりのこの感覚。
 


 【ワシントン支局】米証券取引委員会(SEC)は20日、米国内で上場する外国企業に対し、欧州で採用されている国際会計基準に基づいた決算報告などの提出を認める方針を決めた。企業は欧州に比べて厳しい米会計基準に内容を合わせる必要がなくなり、上場に伴う負担を減らせる。SECは2008年1月に始まる会計年度から新制度をスタート、米資本市場の競争力強化を狙う。

 SECは今後75日間にわたって一般の企業などから意見を聞く。その後、SEC委員による投票を実施、今秋にも会計制度の共通化を最終決定する。米市場に上場する日本企業はすでに米基準に対応済みだが、欧州で上場している企業が米国に上場する場合には、新たに会計報告書を作成する際の事務負担や人件費などを軽減できる。

 SECは米企業についても国際基準を使った決算報告を認めるかどうかを検討する方針。会計基準については、国際会計基準理事会(IASB)が米基準とのすりあわせに向けて話し合いを続けている。(12:12)


(おわり)

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