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2007年2月16日 (金)

「強い会社」を作る~「空振り」を怖れずに~【松井】

Chocolate
1 
 「強い会社」を作るという言い回しがあります。
 いったい「強い会社」って何をいうのでしょうか。
 ということについて、つらつらと考えてみたことを書き記してみます。それこそ、MBAを持っている人、あるいは現実の経営者であれば当たり前のことなんだろうと思いますが、このことについて弁護士として、法的サービスとしてどういったことを提供できるのだろうかという観点で考えてみたいと思います。
 本当に、つらつらです・・・。



 まずもって、会社、企業が、日々、月々、年々の利益を上げる体質をもっていなければなりません。利益をあげられない企業は、遅かれ早かれ市場から撤退せざるをえません。倒産といいます。
 強い会社、企業とは、利益を発生させることが出来て永続性を持ちうる企業といえます。

 会社であれ、個人であれ、その属する企業から報酬・給与をもらって日々の生活を営む以上は、その企業が、構成員に配分できるだけの「現金」をもたなければなりません。
 この現金支払いも一回限りのものではなく、当然、毎月毎月、永続性をもって支払える状態でなければなりません。そうでなくなった場合、「倒産」状態といいます。
 ということは、企業が企業であるためには、当たり前だけど「利益」を発生させる状況であることが必要です。



 では、「利益」を発生させるためにはどうでなければならないのか。
 
 単純に表現すれば、一つは、売上げ、「入り」を増やす、あるいは維持すること、もう一つは、費用、「出」を減らすことに尽きると思います。



 では、まず「入り」を増やす、あるいは維持するにはどうすればいいのか。

 今得ている「入り」を減らさないようにすることという視点と
 今得ている「入り」をいかに増やすかという視点に分けられると思います。

 ここではいろいろなことが具体的に考えられるところですが、例えば、創業何百年といった企業でも、創業時と何ら変わらないことによって現代においても売上げを維持しているところもあります。変わらないことによって、維持するパターン。変わると、企業として消滅してしまう。例えば、よく京都などにある有名和菓子屋さんとか。

 しかし同じ創業何百年という企業ではあるけど、商品の種類を増やしたり、あるいは販売経路を拡大することによって、莫大な売上げを上げるパターン。伊勢市の赤福とか?
 ここで当然、売上げを拡大するには、何らかの投資が必要となるでしょう。従前の経緯だけでは、維持はありえても、拡大はあり得ない。
 この投資の際、資金をどのように調達するのだろうか。

 自社の利益からか、あるいは出資を募るのか、あるいは借入を行うのか。借入といっても、社債を発行するのか、あるいは特定の金融機関あるいは支援企業などからの借入れになるのか。それぞれのメリット、デメリットを勘案して、資金調達方法を選択します。
 この際、いわゆるファイナンスとして、弁護士が法的サービスを提供できる余地があるのでしょう。しかし弁護士・法律事務所でなければならない必然性はありません。
 
 また、売上げを維持、増やすための戦略として、そもそもの大事な要素の一つに人事戦略があります。
 どのような人材を獲得するのか、また自社にとどめおくのか。労働法規に触れない範囲で、どのようにクリエイティブな契約内容、就業規則を定めるのか。
 この際、労働法規に詳しい弁護士が法的サービスを提供する余地があります。ただ、弁護士の役割、あるいは限界としては、法規に触れないという接点においてであって、クリエイティブな発想に基づく契約内容を提案するという点では難しいかもしれません。

 さらには、売上げ増を狙い、例えば、市場で3位の企業が、5位の企業と合併などして、市場占有率2位の企業に浮上するといったこともあります。
 このときのいわゆる「合併」「統廃合」においては、先の人事の問題などとともに資産や負債の処理を巡って種々の問題が起こります。
 最近の例でいえば、極端な例ですが、住友信託銀行とUFJの合併話の破綻とか。やり方をうまくやらないとこんなレベルで、事後処理のために何億、何千万円という余計な費用がかかります。

 また、新たな第三者と取引関係に入る際の契約書作成作業。これは、いかに自社に有利な条項を入れるかという点よりも、実は、次に触れる「『費用』をいかにコントロールするか」という点にかかってくるかと思います。
 契約締結交渉、契約書作成といった点で、弁護士が法的サービスを提供する余地は当然あります。ただ、世間をにぎわせるM&A交渉においては、大規模法律事務所、著名弁護士だけではなく、金融機関やコンサルティング会社が大きな役割(報酬?)を担っていることからも分かるように、サービス提供の登場人物は弁護士だけではありません。



 つらつらと考えていたら、また長くなってきました。
 今回はひとまずここでストップすることに。

 要するに、強い会社、企業とは、イメージ的にいえば、「イチロー」ではないかと思っています。

 その身体や思考に無駄がない。隙がない。絶え間ない練習に試行錯誤。常に、改善、改善、改善へと進んでいくこと。鋼のようなイメージ。
 法的な訴訟リスクを常に想定して、備え、失敗からは学び改善していく。
 契約書の作成といっても、あまりに一方的に自社に有利な条項は、裁判となった際には無効といわれるリスクが高まることを考慮して、バランスのとれた条項とする。
 つまりすぐれたバランス感覚。近江商人の三方良し(?)の感覚。お客よし、取引先よし、自分よし(?)。
 失敗はあって当たり前。要は、失敗をいかに次に結びつけていけるのか。
 以前みたイチローのインタビュー番組でイチローは言っていました。「空振りは凄い。あの空振りがあったから、その次に打てた。」空振りをすることによって、埋めるべき空白、次になすべきことがはっきりする、だから次に成功するといった趣旨です。

 空振りを怖れずに空振りをし、空振りを次に生かして、ヒットを生み出す。
 弁護士としてもこうありたいと思うし、こういう人を応援していけたらと思います。

 企業の永続性って、これの繰り返しであって、空振りを怖れてバットを振らなくなったら終わりなんだと思います。

 それと弁護士だからかもしれませんが、困難に遭遇したとき、そんなときこそとにかく真っ直ぐに対応する、まわり道なようで結局、ベストの選択につながるという信念があります。シンガポールの初代首相のリー・クアンユーは、首相になる前、弁護士でした。そして政治活動を行っていくのですが、様々な困難に対しては、弁護士だったからかもしれないけど、とにかく裁判でもって決着を付けていきました。どこかの政府みたいに暗殺なんてしません。
 そういえば確か弁護士として?テレビによく出ている橋下徹弁護士が出版した本のタイトルは、「真っ向勝負」だったかと。
 
 「真っ向勝負」できる企業が、最後に強い企業になるんだと思います。

*写真は、R.Savignac という人のCHOCOLATE という絵です。空振りを怖れずに、真っ向勝負。なんとなく、この絵のような気持ちです。好きな絵です。

(おわり)

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