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2007年2月26日 (月)

弁護士との顧問契約ってどうよ~何の対価?~【松井】

Bengosikaikan

 ときどき思うことには、弁護士にも顧問契約というものがありますが、「顧問契約」、「顧問」って消費者、つまりお金を出す方からしたらどうなのかなぁということです。


 うちの事務所などでは、税理士さんには毎月、一定額を顧問料としてお支払いし、事務所のややこしい会計管理をしてもらってはいます。これは毎月毎月、それなりの質、量の仕事があることが当然わかっていて、事務所内では処理できないので、専門家に外注しているようなかたちになります。もちろん分からないことがあったときには相談し、対応してもらっています。対価として相当だともちろん思っています。

 また、パソコン関係のメンテナンスについては、知り合いの法律事務所では特定の業者の方と顧問契約をし、毎月、仕事があってもなくても一定額を払う、その代わりトラブルがあったときでも、その一定額以上は基本的には必要ないというかたちで依頼しているところがありました。例えば1か月1万円だとすると、年間12万円です。修理を都度、外注したときに年間12万円以上がかかるといった見込みがあって初めて、意味がある~もとが取れる~方式です。
 この点、うちはパソコントラブルについては、都度、お願いして、費用をお支払いさせてもらう方法にしています。トラブルが起こっても、年間12万円はかからないと過去のパターンから割り出しているからです。
 
 こういった発想がいわば素朴な経済的合理性に基づく判断になるかと思います。



 
 では弁護士との顧問契約は?
 私などでも顧問契約を締結させていただいている企業、個人はいらっしゃいます。

 ただ最初に申し上げるのは、別に顧問契約を結んでいただかなくても、何かトラブルがあったときや相談したいとき、気軽に電話で連絡をもらったらいいですよ、ということです。
 しかしそうであっても、顧問契約をと仰る方はいらっしゃいます。

 私の考えとしては、まさに自分が依頼する側に立ったときの考えからすれば、上記のパソコンのメンテナンスと同様、弁護士と顧問契約をしても相談することがそれほど多くなければ、都度の相談の方がお値打ちじゃないかという発想です。
 
 要は、何かあったときに、「あ、あの弁護士さんに訊いてみよう」という関係が出来ていればいいだけなのです。
 その対価として、たいした相談量があるわけでもないのに毎月、一定額を支払うというのはどうなんかなぁという素朴な思いです。
 弁護士の経営的に考えると「顧問先が何社」というのは安定収入の一つにはなるし、顧問先から個別の案件の依頼があれば着手金、報酬と結びつきます。しかし、依頼される方にそれ以上のメリット、いかなるメリットがあるのかな、見合わないんじゃないのかなという疑問です。
 
 にも関わらず敢えて顧問契約をという方々は、
 ■ 都度の相談よりも顧問契約料を毎月払った方が割安と判断出来る事情、つまり日々の相談件数が多い場合、あるいは、
 ■ 相談ごとはそれほど多くはなく都度の支払いの方が割安だけども、安心感、対外的に「うちの顧問弁護士は云々」といえる安心料のようなものの対価として顧問料を支払われているのだと思います。

 また従前、まったくつきあいもなく突然、相談をしてもその会社や個人の成り立ちなどの把握にまず時間をとられる、このことを避けたいということで、継続的関係をもつようにしたいということで、毎月の顧問料の支払いという形で継続的関係を保っておくといことなんだろうと思います。

 

 
 ただ、顧問契約のデメリットは、一人の弁護士との顧問契約だと、実際の大きなトラブルがあったときに、その顧問弁護士の得意分野ではなく、出来れば違う弁護士に依頼したいというときに、しがらみがあって違う弁護士には頼みにくいということではないかと思います(顧問先企業が案件によって他の弁護士に依頼していることが分かったら、多くの弁護士は素朴に、へそをまげちゃうんではないだろうか・・・)。
 最近では規模の大きな企業だと、弁護士の使い分け、顧問契約も敢えて複数と行っていたりするところも増えているようです。

 もっとも、思うに、今後、市場原理がますます強く働き、法律サービスの提供市場においては、これまでのような「顧問弁護士」制度は廃れていくと私は考えています。
 
 つまり何かあったとき、「気軽に相談できる弁護士」が増え、弁護士を利用する側が弁護士を事案ごとに選んでいくという時代に遅かれ早かれなると思います。
 その一端が、「顧問制度」の消滅ではないかと。
 その企業の業務、個人の状況などの把握については、弁護士側の理解力、把握力の問題に過ぎないと思います。
 さらにいえば、一度、相談を受ければ、顧問契約がなくっても各企業、個人の個性は十分に把握できていますので、次回からの相談は確実にスピーディになります。
 
 リスクの分散ということが言われますが、「相談できる弁護士の分散」の時代が間違いなく訪れると思います。
 ホームドクターならぬ、ホームローヤーをという言われ方をしたりしますが、これも結局、要は、気軽に相談できる、しかも従前のその人、企業の状況を理解してくれている弁護士をということを意味するのだと思います。
 このこと自体は、確かにそうだと思います。
 ただ、この為の手段として顧問契約が唯一だとは思いません。
 ホームドクターに毎月、顧問料を払いますか?! 

 弁護士に対する支払をいろいろと考えていくと、依頼者・相談者にとっても、弁護士にとっても一番公正なのが、「時間制」というシステムではないのかなと考えています、今のところ。
 ただ、実際、時間制を導入すると、法律事務所の原価計算、利益を加味すれば、たぶん今以上にごく普通の個人の方だとびっくりする金額になってしまうので、事件ごとの着手金、報酬制が一般化しているのだと思います。
 
 どこへ行く、司法試験合格者3000人時代の弁護士は。

*猿のうしろにうつる大きなビルは、去年新築された大阪弁護士会館。使い勝手が悪く、結構、不評の建物。使う人のことを考えることが大切ということを弁護士に思い出させるためにわざと不便な設計をしたという深読みもありうる建物。

(おわり)

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