先を読む力と情報収集と教訓 【松井】
当たり前のことだけど、こう対応したら次にどうなるのか、で、次にどういうことがあり得るのか、A、B、Cとの展開が考えられる、じゃあ、Aの場合はどう、Bの場合はどう、Cならどうするのか、詰将棋のように考え抜いて、準備するのが弁護士の仕事。
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でも、こんなことは日常の作業、あるいは弁護士に限らない仕事で、皆、やっていること。
だけど不思議なことに、考えていないの!?という対応に出くわすことがよくある。理解できない。(って、まぁ、「感情」が原因なことは分かっているけど・・・。)
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例えば、交渉や調停や和解。
判決になったらどういう判決が予想されるのか、その判決が出たときに次に相手方は、これまでの行動パターンから考えてどのような行動に出ると予想されるのか。
だったら、ここで妥協して合意に達してまとめた方がいいことは、経済的利益に鑑みれば明らか。
しかし、戦う姿勢を崩さない・・・。
だれか相手方によい助言者がいれば、ここで話をまとめて、結果、相手方も得るものを得られるのに、こちらの目の前で自ら、断崖に向かって突っ走っていく。
こちらが止めることは出来ない。不運な人だと呟くのみ。
一つ言えることは、自分以外の周りの声に耳をよく傾けるようにということ。どこかで、「そっちは崖だよ」という合図があるもんだ。
最近読んだ本で面白いエピソードがある。
クリントン元大統領は、学生時代、ヒラリーと知り合ったとき、パーティーの席でも自分から話すことはなく、口数少なくしていたため、ヒラリーは最初、自分に気がないのかとがっかりしたということ。
あとからそのことをヒラリーが口にすると、クリントンは、
「君と君の友人のことをよく知りたかったから(自分は黙って、会話に耳を傾けていた)。」と答えたとのこと。
適切な判断のためには適切な情報収集、そして適切な情報収集は周りの声に耳を傾けること。
自分の主張を繰り返し大声で叫ぶだけでは、自分によい結果は得られない。
教訓。
(おわり)
*写真は、ランチを一緒に食べる大橋と松井。このとき、お互いが担当する事件の方針や考え、弁護士のあり方などについて意見交換をする。一人で考えられることってホント、たかがしれている!今日のキーワードは、「サプライズの提供」。
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