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2006年8月10日 (木)

くまのぷーさんとナカタ~情報と権利のコントロール~【松井】


 ネットのニュース(CNN.COM)でさっき見ました。ポール=マッカートニーとその奥さんとの離婚協議で、チャールズ皇太子と当時のダイアナ妃の離婚協議の際に代理人となっていた弁護士が共に、それぞれの代理人になったと。「凄腕弁護士」らしいのですが、いつも思うのは、「凄腕」って何がどう凄いのかということです。
 単に、要求に対して、「ノー」としか答えないのが凄腕、タフネゴシエーターということでは決してないと思うので、「凄腕」というのは基本的には「問題解決能力」を意味するのだと私は理解しているのですが、どうなんでしょう。
 つまり相手の話をよく聞き、柔軟にアイデアを出し、紛争状態を終結させることができる能力だと考えています。相手方となった代理人弁護士でこちらが学ぼうと思う能力を示される代理人は、全てにおいて誠実さを感じさせてくれる交渉・訴訟態度のように思います。
 世間の「凄腕」の定義を知りたいものです。まさか下品に怒鳴りつけたり、単にノーとしか回答できない交渉態度を「凄腕」というわけではないと思っているのですが。

2 
 古い話ですが、2006年6月26日、アメリカの最高裁が、くまのぷーさんに関する商品化などのライセンスについて、くまのぷーさんの作家A・A・ミルンの孫娘の訴えを退ける判断を出したようです。
 孫娘は、権利を主張しているSlesingerを退けて、全てディズニーに権利を与えたかったようです。孫娘の訴訟は、ディズニーが費用面でバックアップしていたようです。
 しかし最高裁は、1983年にミルンの息子とSlesingerとの合意の存在を認め、Slesingerに権利はないとの孫娘の請求は理由がないとしたようです。(ロイター)
 
 ちなみにくまのぷーさん関連の商品は2004年、53億ドル!の売り上げがあったようです。
 そこから払われるロイヤルティーを考えたら、仮に1%でも5000万ドルです。1年で。
 
 この記事を読んで思ったのは、権利の管理がなっていなかったんだなということです。後から訴訟しないといけないというのは、結局、そういうことになるかと。80年代にはそれなりに有名だったはずのくまのぷーさんほどのものであってもと、意外な気がしました。

3 
 一方で、8月9日付けの日経新聞朝刊記事で、「NAKATAルネッサンス」として、サッカー選手だった中田の自己の権利意識と対応策について触れられていました。
 「ある時、自身のサッカー観を素直に吐露した高校時代の映像を使おうとしたら著作権は取材したテレビ局にあり、思うに任せなかった。逆に、若き日にバラエティー番組に出演したときの姿を封印しようとしても本人の意志とは関係なく『お宝映像』としてテレビの中で何度も使い回される。
 映像の中にいるのは紛れもなく自分。しかし自分にはコントロールできない。なぜ?」
 そこで中田サイドが考え出した手法が次のようなものだったようです。
 「地上波での露出は控え、どうしてもという要望には自前の取材カメラで写し撮ったものをテレビ局に貸与する逆転の発想で応じる。いわば情報の川上から川下までをがっちり押さえ込み、中田という’原盤’を徹底的に保守する戦略に出たわけである。」。

 そこまでしていたのかとこれはこれで、驚きました。試行錯誤の末だったのかとは思いますが。
 そういえば判例雑誌を読んでいると、実際、中田が原告となっている名誉毀損訴訟事件を2件は見たことがあります。訴訟で対抗しているんだなと思っていたのですが。
 
 あ、そういえば、昔、元シンガポールの首相のリー・クアンユーの自伝を読んでいたとき、シンガポール創世記の混乱の際、弁護士をしていたクアンユーは、事実ではない報道に対して、名誉毀損訴訟で相手方や報道機関と闘っていたということが記載されていたように思います。
 
4 
 「人の口に戸は立てられない」という諺があるように、噂の発生を抑えることは難しいんでしょうけど、その後の噂を軌道修正することは意外と出来ることなのかもしれません。
 中田のホームページのナカタ・ネットも事実をきちんと届けたいという情報コントロールの意思からのものだし。
 テレビにおける自己の権利等のコントロールも実際にそこまでしていたのには驚きましたが。
 そういえば「電波利権」という新書が出ていて、買ったまままだ読んでいません。

 最近、ネットの発達によってネットでの番組放送が技術的に可能となっているけど、権利処理をどうするかということで、簡単な権利処理が既存権利として認められているテレビでの扱いと同様にしようかという議論がなされているようです。
 それだけテレビ業界は、特権が認められているということなんでしょう。

 ま、30年後、50年後、中田の孫に限っては、くまのぷーさんの作家の孫のような訴訟をしないといけないようなことはまずないでしょう。これだけ管理がしっかりしていれば。

(おわり) 

追記 くまのぷーさんの権利をめぐっては、ディズニー社とSlesinger側との間で、長期にわたる壮絶な法廷闘争が続けられてきてたようです(USA Today)。これはこれで興味深い・・・。

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