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2005年10月

2005年10月26日 (水)

義を見て為さざるは、勇無き也【松井】

前日の日経の夕刊を今朝読んでいて、あっと驚いた。
ローザ=パークスさんの死亡記事がそこには載っていた。92歳だったという。

日経ネットには載っていなかったので、朝日の記事

彼女のことを知ったのは、確か中学生のときの英語の教科書でが初めだったと思う。
しかしより記憶として刻み込まれているのは、確か高校生のころ聞いたネビル・ブラザーズというバンドの歌でだ。
「sister rosa」
という曲で彼らは彼女のことを歌っている。

 ありがとうシスターローザ、あなたが始まりだった、

というようなフレーズを何度も何度も繰り返し。

「義を見て為さざるは、勇無き也」
「正しいこととわかっていながら、それをしないのは勇気のない人間である」(齋藤孝編「声に出して読みたい日本語」草思社)。

日経新聞の夕刊には、(ニューヨーク=共同、写真はAP)として、老年のローザさんの写真が載っている。とってもおしゃれなお婆さんといった様子でにっこりと笑っている。幸せな人生を送れたのだろうなと想像した。そうだったら良かったなと思った。

と、これに関連して、被災者自立支援金不支給訴訟の元原告の方の話し、その他思うことをいろいろと書きそうになったけど、毎回長いと言われているので今回はこれで終わりに。

i-tunes music store で、sister rosa の曲を1曲150円で購入し、今日事務所を出る前に2回ほど聞いて、家路についた。

2005年10月23日 (日)

「靴の悩み」に適切なアドバイス【大橋】

 最近は、裁判所で証拠調べ(尋問のことです)をする予定が多く、準備に追われています。
 で、ブログの更新が今年前半のようなていたらくになってはいけないので、「ちょっと感じたこと」を書いて何とか習慣づけをしようというのが今回の試みです。
 何回続くだろう・・

 昨日、私の所属する「大阪労働者弁護団」の年に1度の総会がありました。
 大阪労働者弁護団(略して「労弁」といいます。)は、大阪を中心とする弁護士117名と、賛助団体(労働組合)67団体から成り、労働相談、労働政策での提言研究などを行っています。(詳しくはHPをご覧ください。)

 この総会に、労働組合の方が「靴」の展示販売に来ていました。毎年のことだそうです。
 靴は、パラマウントという銘柄の革靴でした。
 パッと値段を見ると、1万円以上。自慢ではないですが、私はこれまでに1万円を超える靴は1度しか買ったことがありません。
 「まあ、高いね。でも、すごく履きやすいんよ。私、いつも総会の時に買ってる。」
と脇にいた女性弁護士が言います。

 私は、再建中の会社の労働組合の支援だという大義名分も立ち、「履きやすい」という言葉にも大いに興味をそそられて、棚に並べられた靴を見ていました。
 すると、売り手の組合員さんが、「まずサイズを測りましょう」と言います。
 さっき、いつも履いている24センチの靴を履いて、合っていたと思うんだけどな、と思いながら、靴を脱いで台に足を乗せました。
 「細い足ですねえ」
 サイズは、長さが23.2センチ。ワイズ(幅)は「Cですね」と言われました。
 えっ、Cって何?
 「E」とか「2E」とかしか知らなかった私は、大変驚きました。
 しかし、私の足のワイズは、Eの2段階下のCだったというのです。
 「Cの靴を製造しているのは、日本ではパラマウントしかありません。外国製で少しあるくらいです。」
 実際にCの靴を履いてみましたが、かかとがこれまでになくしっかり安定して、4.5センチヒール(中ヒールですね)を履いているとは感じられない快適さでした。
 かかとをしっかり支えないと、重心がつま先にかかり、つま先が靴の先に押しつけられて外反母趾になったり足が痛かったりするという説明で、私はおおいに納得したのです。
 いつも、かかとをパクパクさせて歩いていました。足が痛いので、ローヒールを主に履いていました。
 そうか~、と、私はマホガニー色(こげ茶)の靴を取り寄せてもらうことにしました。3週間くらいかかるかもしれない、と言われましたが、楽しみに待つことにしました。

 「ぴったり合う靴」は、弁護士として働き始めてからの私の悩みの種でした。おそらく、スニーカーを履いて済んでいたころにはまだ問題がなかったのです。しかし、スーツを着ながらも重い鞄を背負って階段を走り降りたり電車を何度も乗り換えるという半分肉体労働の実態には、革靴でありながら履きやすいものを求めなければならなくなったのです。
 そうした個別ニーズに応えてくれたのが、この靴屋の組合員さんだったのです。

 私がここで靴を買う気になったのは、同僚弁護士の「推薦の言葉」がきっかけでした。
 それに、組合員さんの専門知識に基づく、「私の足」なのに私が知らなかった、目からうろこを落とさせてくれる情報提供でした。
 本当に「Cワイズはパラマウントしか作っていない」のかどうか、は私には確かめる時間もありません。
 しかし、この人のアドバイスにはとりあえず従ってみよう、という信頼感を持つに至ったのです。

 「私の悩みにぴったり合うアドバイス」の提供、まさに弁護士の仕事も同じです。
 あなたはどうやって弁護士を探されるでしょうか。おそらく、まずは弁護士に依頼した経験のある知り合いに紹介を頼むのではないでしょうか。知り合いの方の評価をまず信用しますね。
 そういう意味では、弁護士の客観的格付機関が現状では存在しないので、確かに情報不足の業界ではあると思います。
 しかし、ご自分で、専門家のアドバイスを求めてまず相談に行かれる、というのは結構重要です。

 相談者は、悩みの法的争点を整理してもらえます。解決方法もいくつか提示してもらえます。それだけでも、山道を歩くマップをもらえたような安心感はあるはずです。
 それから、約1時間くらいは相談をされると思いますから、その時間の中で、あなたはその弁護士の「人となり」を見ることができるはずです。
 「よくわかってくれるなあ!」という気持ちが持てれば、そのまま依頼をされたらよいと思います。信頼関係が一番大切なのです。あなたは心の底に重たい悩みを抱えて、ようやく相談に来られたのです。悩みは、弁護士が代わりに背負うことができませんが、軽くすることはできますし、背負う力を回復させることもできます。何でも聞ける親しみ、というのが結構大事だと思います。

 おっと、作成に40分掛かってしまいました。それではこの程度で。
 ちなみに、松井も「履きやすい靴」を求めて、知り合いの靴製造職人見習いの方に最近型どりをしてもらっていました。見習いさんだから安め、ということで、私の予約した靴と同じくらいの値段です。
 さて、お互い、履き心地が楽しみです。

2005年10月10日 (月)

最高裁判所 ~遺産から発生した賃料の帰属~ 【松井】

sankenbunryuu
靖国訴訟に関する大橋の記載を受けて。
「違憲」って、何?かというと、あたりまえのことだけど憲法に反するということ。何が?っていうと、小泉純一郎内閣総理大臣が靖国神社に参拝することが。では、なぜ違憲なの?なぜ、駄目なの?違憲だったら、どうなるの?ってことだけど。

NHKの「子どもニュース」のようにシンプルに考えていきたいと思います。

基本的には、隣の小泉さんが靖国神社に参拝しようが、教会の礼拝に行こうが何の問題もありません。例えば、私が、何らかの宗教の熱心な信仰者であって、隣の小泉さんが靖国神社へ参拝に行くことでひどく胸を痛め、気分が悪くなり、精神的損害を受けたといっても、誰もとりあってくれません。それはなぜか?

でも、内閣総理大臣の小泉さんが靖国神社に参拝したら、憲法に反するんじゃないの?
なぜかというと憲法には、20条3項で、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と定めてあるから。「国」「の機関」が、「宗教的活動」をしたといえるのか否か。
でも、そもそも国などは宗教的活動をしたらなぜ駄目なの?
なぜ憲法はこんなことを定めているの?

そして。
内閣総理大臣が憲法に違反したことをしているとして、これに対して、誰が、何をできるの?

一つは、選挙がありました。
一つは、世論がありました。
表現の自由、選挙によって、憲法を守れ、憲法に違反したことをするなといって、是正を求め、圧力をかけることができました。

しかし、国の多数派が動かないとき。例えば、「これはちっとも悪いことなんかじゃないよ。憲法がおかしいんだよ。憲法なんて変えちゃえばいいんだ。」などという総理大臣の巧みな弁舌?にみんなが納得しちゃった場合、おかしいと思っている少数派の人たちはどうしたらいいの?
選挙では負け、世論では無視されちゃったら、どうしたらいいの?

そこで出てくるのが、「最後の砦」と言われる裁判所、あるいは最高裁判所!

内閣総理大臣であろうが、隣の小泉さんであろうが、憲法で否とすることになっていたら、多数派がそれいいじゃんと言っていても、イヤイヤそれは違憲で無効だよと言って封じてくれる国家機関。

では、例えば、誰でも、何でも、裁判所に対して、これは違憲で無効ですよっていう判決を出してくださいと訴えを起こせるのか?
私の腹は何一つ痛んでいないけど、あんなのおかしいじゃん!ということで、裁判所に訴えられるのか?これではただの風紀委員。
風紀委員がなぜ嫌われるのかというと、それであんたは何も困っていないでしょというにも関わらず、人のすることにいちいち文句を付けてくるからだ。人は、他人に迷惑をかけない限り自由ってことを知らない。

訴えをするには、あなたはそれで一体どんな損害、迷惑を受けているんですか?ということが日本の民事訴訟では原則的に問題とされる。なぜかというと、訴訟という原告と被告の対立構造の中で裁判所が判断するとされている対審制、当事者が主張立証を尽くした中で裁判所が判断するという当事者主義、こういった訴訟構造においては、憲法判断だけ特別に「憲法裁判所」として違憲か否かだけを判断しましょという手続きはとられていないでしょう、通常の訴訟構造の中で違憲か否かを判断する方がよりよい判断が出来るでしょうとされている、と解されているから。

そこで、大橋が触れる靖国訴訟でも、小泉総理大臣が靖国神社を参拝することで精神的損害を受けたと主張立証した。
これに対して、裁判所は、小泉総理大臣の行為は違憲だけど、原告のあなた達には損害は発生していないから、請求は棄却ね、と判断した。

弁護士は司法試験で憲法を学んだとき、裁判所は「憲法裁判所ではない」ということを学んでいる。
だけど普通の人の感覚からしたら、違憲だけど訴えは棄却ね、というのは何だそりゃ!?というのはもっともだと思う。

大阪高裁判決に対して、私個人としては、上告、上告受理の申立をして最高裁の判断を出したらいいと思う。
もしかしたら憲法と訴訟のあり方が少し、変わるかもしれない、変えないといけないのかもしれない。
これは制度論にすぎない。最高裁に議論を挑んだらいいと思う。


ということで。
最近気になった最高裁判決

「相続開始から遺産分割までの間に共同相続に係る不動産から生ずる賃料債権は,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し,この賃料債権の帰属は,後にされた遺産分割の影響を受けない」


2005年10月 9日 (日)

香港、オランダ、贈与税【松井】

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9月の新聞記事ですが。

追徴課税1300億円を課された武富士の元会長の長男(40歳)が、処分の取り消しを求めて提訴したという記事がありました。

代理人は、升永英俊弁護士のようです。あの青色発光ダイオード訴訟の代理人です。

オランダの投資会社が、武富士の株約1569万株を所有していた。
このオランダの会社の株式の90%を武井元会長夫婦がもっており、
当時、香港に暮らしていたという長男に贈与したというもの。
長男は、海外居住者の海外資産には課税しないとした当時の税法に従って贈与税を払っていなかったという事案らしい。

で、実際には、長男は香港には暮らしてなかったでしょ、ということで追徴課税を受けたけど、いやいや香港に居住実態があって海外で暮らしていたんですよ、ということで、このあたりの事実を巡って争いとなり、提訴に至ったようです。

つい最近、橘玲(たちばな あきら)の小説「マネーロンダリング」や、「黄金の羽」シリーズの本、野口悠紀夫の「『超』税金学」や「『超』納税法」を読んだところだったので、目をひきました。
香港、オランダ、そして税金!


写真は、この前、遠方の裁判所からの帰り道、本屋によって一気買いした本です。
まだ一冊も読んでいませんが。

次に読もうと楽しみにしている本は、「私は税務署と闘う 恐ろしい日本の未来」副島隆彦(ビジネス社)です。

私の実家は商店街の中のはんこ屋さんですが、小さいころ、家に税務署員がやってきたといって父と母がてんやわんやになったことが思い出されます。
帳簿を片っ端から見ていって、こんな数字をよく拾えたなという数字を拾い、5年分遡って請求されたと母が税務署員の能力に驚嘆していました。

4年ほど前、私も一度、税務署から呼び出しを受けました。勤務弁護士だったので給与から源泉徴収を受けていたのですが、確定申告もしていました。でも勤務弁護士だったので経費らしい経費もなく、いったい何で呼び出されたのだろうといぶかしく思いながら、平日、出勤を遅らせて税務署に寄りました。すると、源泉徴収票の単なる年度の誤記について、確認を受けただけでした。5分で終わりました。
電話で済む用事だったのに・・・。


ところで。ネットでざっくと調べてみると平成11年ころの武富士株は1株9000円。9000円×1569万株=1412億1000万円。
頭がくらくらする数字です。

そういえば確か去年買った、武富士の元会長に関する文庫本、まだ読んでいなかった。
読まなきゃ。
何かの雑誌で読んだ元会長に関する話では、金を貸すとき相手をよく見ろということ、その具体例として自宅を訪問したとき、トイレがきれいに掃除してある家の主婦なら、無担保でも金を貸してもよいと指導していたらしい。

長いけど、橘玲「得する生活」(幻冬社)の一文を。

「金融機関の融資姿勢が問題になっている。融資にあたって不動産を担保にとったり、連帯保証人に判を捺させたりするからだ。担保を見て貸すのではなく、人を見て貸すのが理想の銀行だとされている。
 しかしこれは、最悪の銀行である。その理由は説明するまでもないだろう。
 融資に必要な客観的な条件が明示されていれば、断られても人格が傷つくことはない。多少金利は高くてももっと条件の緩い金融機関を当たるか、必要な条件を整えてからもう一度申請すればいいだけだ。
 それに対して、あなたが「人を見て貸す」銀行に融資を求めて拒絶されたらどうだろう。その銀行は客観的な条件で判断したわけではないから、あなたの人間性を否定したことになる。それでもあなたは、銀行の理想の姿だと敬服するだろうか。
 まともな金融機関はその危険を知っているので、人を見て融資などしない。「人柄で即決」は闇金融業者の常套句である。

 友人間の金の貸し借りは無担保無保証である。これは、相手の人格を担保に金を貸したということだから、融資としては最悪の部類に属する。相手が約束を破れば、彼(女)の人格を全否定することになるからだ。
 魂を担保に金を貸してはいけない。
 誰かに金を貸す時は、相応の担保を取るのが礼儀である。借り手の魂ではなく、「肉一ポンド」を担保にしたシャイロックは正しかった。」

魂を担保に金を貸す、なるほどなぁと思った次第です。

それとは別に。武井元会長の、もうけたお金は子ども達へというのは素直な親心というべきでしょうか。
贈与税は、相続税のセンダツ防止のためと確かされているけど、そもそも相続税ってなぜに課されるのか。
また、日本の相続税の税制ってこれでいいのかということをよくよく考えていきたい。


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