「吉田茂JASRAC理事長は極論を持ち出した。」【松井】
7月30日の日経新聞記事。この先は、またしても備忘録で、気になってフォローしなくちゃと思いながら、フォローできていないことについて、思いつきを書いているだけなので、そんな不正確なことを書くなというコメントをしたくなる方は読み飛ばしてください。友人のブログで、不正確な知識に基づいて文句を書くなという文句を書かれていたけど、だったら読まなきゃいいし、自分で調べりゃいいじゃんと思い、そんなコメントをつけられた友人がちょっと可哀想になったことがあった。私もそんな目には遭いたくないので長ったらしいけど前置きを。
私的録音録画補償金について、iPodなどの携帯デジタル音楽もプレイできる機器に新たに課金するか否かで、文部科学省の諮問機関である文化審議会・著作権分科会法制問題小委員会が結論を先送りにしたことに対し、JASRAC(日本音楽著作権協会)などが記者会見を開いたというもの。
「『補償金制度の空洞化が進めば、私的複製の自由そのものの是非を問わざるを得なくなる』と吉田茂JASRAC理事長は極論を持ち出した。」
日経新聞には、こう書かれていた。「極論を持ち出した。」
まるで「所場代を払わないと営業できないかもしれないぞ」と脅したのと同じように書かれている。
このように発言したのだとしたら、まぁ、iPodに課金できないなら、私的複製の自由も亡くなっちゃうかもよと言ったのと同じだろう。
何者、吉田茂、JASRAC理事長。
去年から、CCCD(コピーコントロールCD)が出回らなくなっているらしい。レコード会社の方針として、この役目は終えつつあるということで利用されなくなっているようだ。
そうだろう、そうだろう。
私も初めて目にしたとき、なんだこれはと扱いにくさに驚いた。PCのCDプレーヤーで再生し、保存して聴こうとしてもすんなりといかないのだ。
なんだか聴くのもイヤになってそのCDは聴かなくなったし、CCCDのCDはなんだか買う気力を失せさせる。
それが、ほんのちょっとしたことだけど消費者心理というものだろう。
今年になって、「社団法人私的録画補償金管理協会」(SARVH)の存在を知った。
政令で指定された、DVD録画機などを買ったら、例えば、カタログ表示価格の65%の1%、上限1000円の補償金が実は上乗せされていて、このお金は、メーカーから、社団法人電子情報技術産業協会といった社団法人に流れ、さらに、この社団法人私的録画補償金管理協会に流れ、そして、私的録画著作権者競技会などに流れ、そして社団法人日本民間放送連盟あるいはJASRACなどに流れついているという。
SARVHの理事長は、誰だろう。
吉田茂JASRAC理事長と同じ、やはり元公務員の人なんだろうか。
補償金制度というものが、本当に守られるべき著作権者の利益になるんだろうか。
著作権者のもとにお金が流れつくまでに、このお金の川に一体何人がその手を突っ込んで、川の水をすくいあげているんだろう。
もっと違う、合理的な収益確保のシステムがあるような気がするのだが。
iPodに補償金を課金できないなら、私的複製の自由も認めないかもね、というのは、あまりに自分が利益を確保するのに楽な方法を考えすぎではないのか。
もっと知恵を出してもよいのではないか。
なにもそんなに補償金にこだわらなくっても・・・。ちょっと大人げない気が・・・。
補償金制度は1992年に導入されたものらしいが、
ビジネス・ソフトウェア・アライアンス(BSA)は、「コピーの回数に応じて料金設定するなど、権利者の報酬と消費者の自由のバランスを取るべきだ。十三年前の制度は時代遅れ」と言っているらしい。
JASRACについても、その存在意義はあるんだろうけど、確か坂本龍一が、競争のない独占企業でよいのかっていうようなことを問題提起していたと思う。
どうなったんだろう。これは音楽の消費者側の問題というよりも、アーティスト、著作権者側の問題という面が深刻だと思うんだけど。
著作権法で有名な福井健策弁護士の事務所(骨董通り法律事務所)は、「For the Arts」を旗印としているらしい。格好いい。
ふと思い出した小話。嘘か、本当かは分からない。
10年以上前、ジッタ リンジン という名の奈良出身の人たちの女性ボーカルのバンドが一瞬、「プレゼント」という曲で一斉を風靡した。大きなホールだかなんかでコンサートを開くまでになったけど、そのときその公演の対価としてバンドに支払われたお金は10万円に満たなかったという話。
コンサート代のお金はどこにどう流れたんだろう。
そういえば鈴木亜美も、給料制で安かったらしいし。あれだけCD売れていたのに・・・。
とりとめのないかことを思いついたがままに書いてみたけど、いつかこのぐちゃぐちゃの思考も、もうちょっと著作権の勉強をしっかりとして基礎を叩き直したとき、しっかりと組み立てが出来るんだろう。
今は、その日のための備忘録として。
これを読まなきゃもぐりということらしい、ローレンス=レッシグ教授の本を早く読まなきゃ。積んであるだけだ。
翻訳は、山形浩生だ。ちょっと嬉しい。
嫌いな人は嫌いなんだろうけど、私は好きだ。
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