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2005年5月 8日 (日)

契約書ひな形の功罪【松井】

shomei
 5月7日の日経新聞夕刊によれば、文化庁が5月中にも、著作権に関する契約書のひな形7種類を発表するそうだ。講演会での、主催者と講師との間で、講演録をネットで発表したりといった二次利用に関するトラブル予防を目的としてのことらしい。

 つい最近読んだ、「著作権の考え方」という新書の中で、著作権に関しても、マンションの賃貸契約なみに、契約書を交わすのが当たり前の状態にしていかないといけないと著者は述べていた。著者は、まさに文化庁に関係する人だったので、ついにその人が言っていたことが実現化されたのかと、驚いた。有言実行だ。
 こういうひな形はどんどん利用されていったらいいと思う。何にも契約書を交わさない状態に比べれば、紛争予防に貢献することは間違いない。確かに、アパートを借りるとき、貸すとき、いまどき契約書を交わさないということはまずないだろう。賃貸期間、賃料、使用方法について守って欲しいことなど、書面に記し、当事者が署名・押印し、それぞれが契約書を1通、持つ。これで、賃料がいくらだったかなどということでもめなくてすむ。

 しかし。
 ひな形はあくまでひな形。そこに書いてある項目のチェックだけで本当によいのか。このケースで特殊なこと、約束を守らなかったときのペナルティはどうするのか、実効性をどのように確保するのか。そういったことまで、つっこんで決めていく必要がある。
 ひな形でたれりとしていると、いざ本当にトラブルになったとき、ペナルティが定められていないため、あるいは法律の別の壁があり、結局、契約書が何の役にも立たないことがあるのである。
 先日、まさにこれを実感することがあった。昭和40年代に交わされた建物所有目的の土地賃貸契約書である。市販のひな形をそのまま使った契約書だ。地主の承諾なく、借地上の建物の増改築をしてはいけない条項があった。しかし。違反した場合、貸主が借主に対して、何が出来るのかについての定めが何にもなかった。こういうと何だが、弁護士が関与して契約書を作成した場合、違反した場合について想定されていない契約書はあり得ない。貸主は、借主が工事を強行するのを目の前にして工事の中断の仮処分も出来なかった。裁判官は言った。契約書に、仮処分が出来る旨が書いてあるなら別なんですが。

 契約書について言えば、以前、ヨーロッパの国の芸能プロダクションが日本のテレビ番組に出演するに当たっての契約書を目にすることがあった。出演者の休憩時間、交通費、食事の用意といったことについてまで触れられていた。
 ここまでありとあらゆる場面を想定して、決めておけば、その場でもめることはないんだろうが、あまりやりすぎると決めていくだけで相当のエネルギーが要る。
 そこは結局、メリハリをつけるということになるのだろう、今の日本での感覚からすれば。
 びっくりするのは建築業界だ。私の知る限り、1000万円単位の仕事であっても契約書がないことがある。下請けレベルになればなるほど。
 契約書のひな形の功罪として考えたが、功の方がまだまだ大きいのが現状だろう。
 
 ところで、ふと思ったのは、ロシアの女性二人組アイドル歌手、タトゥーが来日したとき、生放送の歌番組をドタキャンした事件があった。テレビ局は、なめられたと言って、法的措置をとることも検討しているとか言っていたが、その後どうなったのだろうか。おそらくドタキャンとなったときにどうするのかということを想定した契約書は交わしていなかったのだろうと思う。法的措置といっても相手が外国にいるとなると特に費用対効果を考えないといけない。
 アニータから横領金を回収しようとした青森県は、確か費用倒れで回収を志し半ばであきらめたのではなかったか。

 契約書なし < ひな形契約書  < トラブったときの有効解決手段の定め

といったところでしょうか。
 ただ右へいけばいくほど、契約締結のための労力を要するので、そこもまた費用対効果で、適度を探る作業か。

  

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